職場環境を整理し、自立的に働く場を選ぶオフィス

30年来の固定席から全部署フリーアドレスの導入に成功

「みんなで良くなろう」という企業理念を掲げていらっしゃる西川計測株式会社様は計測・制御・理化学のエンジニアリングを基盤として、あらゆる産業の発展に寄与されています。2023年6月『働く人のパフォーマンス最大化と個人の創造性を発揮できる空間、場所によって気分を切り替えることが出来る職場』をコンセプトにオフィスをリニューアルされました。今回のリニューアルの課題やオフィス構築時にこだわったポイントをプロジェクトメンバーの福羅様、北田様、前田様にインタビューさせていただきました。

西川計測株式会社 九州支社

執行役員九州支社長 福羅憲二様 大分ソフトウェアセンターシステム開発2Gr長 北田徹様 営業部業務推進Gr 前田美子様

所在地 大分県大分市高城本町5-3
URL https://www.nskw.co.jp/
業種 その他
人数 72名
面積 約287坪

オフィスリニューアルのきっかけを教えてください

(北田様)
九州支社は5階建てのビルになります。1階が受付、2階~4階が執務フロア、5階が開発部のフロアだったのですが、5階の開発スペースが手狭になってきたことと、会議室と応接室が1つずつしかなく、お客様と打ち合わせするペースがなかったのでそこを解消することがスタートでした。検討を進めていく中で、書類も少なくしてフリーアドレスにしたい、セキュリティをもうけて、外部の方と社内のエリアを明確にしたい等、色々な声が出てまいりまして全体的にオフィスの見直しすることになりました。

オフィス構築前、貴社の働き方や働く環境における課題を教えてください

セキュリティの明確化

(北田様)
ビルの入口でセキュリティを一括管理しており、インターフォンを押してビル内に入れば社外の方でも自由にフロアを行き来できる状態でした。営業フロアには営業部門の執務室、応接室、社内打ち合わせブースがあり、お客様との電話中に同じフロアに仕入先様がいたり、お客様がいたりと混在していていましたので、社内と社外のセキュリティを明確にすることが課題と感じていました。

俗人化した書類の管理

固定席なので紙で出力することが習慣化しており、FAXなどの紙文書は机の上に置くことが当たり前でしたし、個人スペースは広かったのですが、常に机の両サイドに書類が10センチほど積みあがって俗人化した状態でした。机の下には見ることはないのに安心感だけで保管しているファイルが積みあがっていたり、机の引き出しには使えないボールペンが入っていたり整理整頓がままならない状態でした。共有の保管庫には誰のものか分からない、捨ててよいのかも分からない、管理すべきものなのかも分からない、恥ずかしながら煩雑とした状態でした。

※写真は以前のオフィスの様子

(福羅様)
このビルができて30年、外装や階段、トイレなど、設備のリニューアルは何度かありましたが、事務所のリニューアルは今回がはじめてでした。
私は以前、大牟田営業所でオフィスリニューアルを経験しましたが、ここ九州支社は特に書類量が多かったのでフリーアドレスが果たしてできるかどうか半信半疑でした。ですので、5階開発スペースのリニューアルと会議室の増設、オフィス什器の入れ替えで予算取りをしており、フリーアドレスも当初営業だけ導入してほかのメンバーは固定席の予定でした。
しかしコクヨさんからはペーパーレスが必要な全社フリーアドレスの提案がありましたので、最初は全否定してしまいました。

オフィス構築時に、課題解決に向けてこだわったポイントやその理由、またそれを実現した手段について教えてください

(前田様)
まず、自分たちのオフィスを自分たちで検討することと、各部署業務内容も違いますので、営業、業務、サービス、技術、ソフトなど各部署から1人ずつ選出したプロジェクトチームをつくりました。

福岡ライブオフィス見学後、プロジェクトメンバー全員が全部署フリーアドレス導入を決意

フリーアドレスに対する考え方が変わったきっかけが、コクヨさんの福岡ライブオフィスの見学でした。プロジェクトメンバーで2回に分かれて見学させていただいたのですが、実際にフリーアドレスの運用を体感し、物がほとんど共有化されていてペーパーレス化が進んでいることに驚きました。
ちょうど当社でもペーパーレス化を推進していましたので、未来の働き方はこうあるべきだ、フリーアドレスをぜひ導入したいという考えに変わりました。そのためには、ちょっとしたリニューアルではなく、今までの考え方を一新し、180度働き方を変えないといけないと思いました。大分の帰りの車内でも見学した全員が、全部署でフリーアドレスを導入することを決めていました。

コクヨの働く環境診断 はたナビプロを実施

(北田様)
ライブオフィス見学後、潜在的な課題も抽出するためWEBアンケート(コクヨの働く環境診断 はたナビプロ)を実施したところ、多くの社員がONとOFFが切り替えられる空間や集中ワークできる環境がほしいと希望していることがわかりました。
この要望をもとに、フリーアドレスを導入した新しいオフィスのコンセプトを『働く人のパフォーマンス最大化と個人の創造性を発揮できる空間』『場所によって気分を切り替えることが出来る職場』に策定し、レイアウトの検討を進めていきました。

自然とコミュニケーションが生まれる、開放的な空間に

2階~4階の3フロアあった執務スペースを、3階4階の2フロアにし、2階は会議・来客スペースにしました。執務スペースは狭くなっているのですが、書類を削減し収納庫を大幅に削減したことで前よりもオフィスが広くなりました。また、サービスセンターや営業のメンバーは現場に出ていることが多く、常に社内にいる人数は限られていますので、モニターが設置してある座席数も減らしました。

(福羅様)
デスクのバリエーションを設け、その日の気分に応じて働く場所を選択できるように、執務エリアにはビックテーブルとカウンターを設置し、自然とコミュニケーションが生まれるようなおにぎり形のデスクや、クイックに打ち合わせができるよう昇降式のテーブルも置いています。複合機の周りをマグネットスペースとして共有で使う文具を置き、偶発的なコミュニケーションが生まれるしかけをつくりました。

(北田様)
WEBアンケートでもグリーンを置いてリラックスできる空間にしたいと要望もありましたので3階と4階の執務スペースで色のトーンを変えつつ、リビングライクでカジュアルな設えにしています。背の高い収納家具を置かなかったことでフロア全体が見渡せるようになり、以前と広さは変わらないのですが、広くなったという声が社員からも多く寄せられています。
2階の会議・来客スペースでは、大会議室は会議だけでなくセミナー形式にも活用できるようキャスター付きの会議テーブルを採用しています。ガラス間仕切りの一部をフロスト加工(磨りガラスのようにサンドブラストすることで、乳白色にする加工)にし、開放感と機密性を両立させました。リフレッシュスペースとソロワークスペースは床材を変えることで緩やかに空間を分け、そのときの気分で席を選択できるようにしています。要望のあったWEB会議ブース兼集中ブースも設置しました。リフレッシュスペースでは、ランチタイムには社員が食事を取っています。

オフィス構築時に、苦労した点は何ですか?またそれをどのように乗り越えられたのか教えてください

ペーパーレス化に向けて

(北田様)
リニューアル概要を社員へ広報した際、書類量の多い営業部と業務部がペーパーレスに反対することを予想していました。しかしコロナ禍の在宅勤務時に会社がペーパーレス化を推奨していたこともあり、フリーアドレスに反対する社員はおらず、むしろ「この大量の書類どうやって減らす?」といったように前向きに協力いただきました。丁度、今年の7月から今まで紙だった注文書などの伝票類が電子保管に切り替えるタイミングだったこともあり、大きな書類削減につながりました。


(前田様)
8cmのパイプファイルを一人最低5冊は所有しており、保管庫には管理者不明の書類もありました。まず必要なものはPDFなどにデータ化しそれ以外は廃棄、最終的に産業廃棄用のトラックを3回ほど呼び、書類の廃棄量だけで3トンになりました。
現在は、収納は各部署につき保管庫1台と個人ロッカーのみで運用しています。持ち主が分からない書類はつくらない、一人ひとりがモノを所有して俗人化しない、書類はその日の内に片づけることを習慣化しています。

4回の工程に分けた段階的リニューアル

(北田様)
工程管理も大変でした。4回に分けて工事を実施したのですが、まず5階の倉庫を改修してそこに荷物を移動させ、次に3階、4階を工事する際は、社員には在宅勤務していただいたり2階に仮設オフィスをつくりそこで業務していただいたりしてもらいました。5階から順番に4回に分けて工事するため、工事が一日でも遅れてしまうと工事スケジュールだけでなく、社員側も予定の再調整が必要になりますので、実際のレイアウト図を示しながら、何度も広報しながら調整していきました。通常の業務を止めずに工事日程を調整するのが大変でした。

フリーアドレス導入のために運用ルールを一新

(前田様)
フリーアドレスを導入するだけでも付随することが大きく変わってきますので、1つ1つ不具合が出ないように、運用ルールをプロジェクトメンバーで細かく決めていきました。

スケジュール管理

今まで行動予定はホワイトボードを活用していました。Googleカレンダーも使っていましたが、入力が徹底されていませんでしたので結局ホワイトボードを見ていたのですが、フリーアドレス導入でホワイトボードをなくすことになり、必然的にGoogleカレンダーへの入力を徹底する運用に変更しました。

FAXや郵便物

FAXなどの紙文書は個人トレーに入れる運用にしています。深型トレーだと書類が増える原因なので、書類を増やさないように浅いトレーの収納庫を選択しました。

固定電話・FAXなどの設備の削減

外線電話、内線電話問わず、代表電話にかかってくることが多いのですが、フリーアドレスになると、オフィスにいるかも分からない、集中ブースにいるかもしれない、Googleカレンダーを見なければ分からない、電話の取次ぐときに非常に工数がかかってしまいます。そこで代表電話にかかってくる電話を極力少なくしようということになり、回線を1つにまとめました。また、コロナ禍の在宅勤務中に会社から携帯電話を支給していましたので、特に社内同士の連絡は携帯電話を活用することになりました。メールの署名欄でも会社がフリーアドレスを導入していることと、営業に直接連絡してもらうようにお願いしています。内線電話も、電話メモを置く場所がなく結局メールで連絡することになりますので、お互いメールを見るくらいであれば直接携帯電話へかけるようにと内線電話も思い切って廃止しました。結果、電話の取次ぎもなくなり内勤者の業務効率が大きく向上しました。各フロアにあったFAXも営業部門の一部で使っているだけでしたので、1台に集約しています。

朝礼の廃止

毎朝フロア全体で実施していた全体朝礼は月初に実施、日々の朝礼は各グループ単位に変更しました。

顔認証システムを導入

フロアごとに顔認証システムを導入しました。来客や仕入れ先の出入りは2階の来客スペースで完結させ、社員でも登録していない部屋には出入りできないように社内セキュリティも強化しています。

オフィス構築後、社員の皆様の働き方はどのように変わりましたか?感じておられる効果や予想外の反応(良・悪含め)などありましたら教えてください

(北田様)
リニューアルして約3か月経過し、当初フリーアドレス運用がうまくできるか心配していましたが、初日から全く問題なく運用できています。毎日机上も片付けるルールも守っていただいて整理整頓が維持されています。
リニューアル後にアンケートを実施しましたが、多くの社員から好評で、唯一1階の男性用ロッカーが狭いといった意見はありましたが、フリーアドレスの導入、顔認証システムの導入や全体にきれいな状態で保てていることについても満足しているという評価をもらっています。

コクヨマーケティングをオフィス構築のパートナーとして選ばれた理由を教えてください

(福羅様)
私は大牟田営業所からのご縁でした。我々がフリーアドレスを導入しようと決めた大きなきっかけは、福岡のライブオフィスを見学してからです。そこからプロジェクトが大きく前進しましたね。
プロジェクトを進めていく内に、もうオフィスデザイン含めコクヨにお任せしようとなり、最終的には当初ご提案していただいたものはすべて採用しています。今年の1月のキックオフから納品まで短納期にも関わらずサポートしていただきました。

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このプロジェクトの納入事例

職場環境を整理し、 自立的に働く場を選ぶオフィス

西川計測株式会社 九州支社
約287坪
リニューアル
#プロジェクト#快適性#フリーアドレス

「リニューアル」お客様インタビュー