出光興産株式会社徳山事業所様は、山口県周南市に位置し、1957年出光興産初の製油所として操業を開始されました。現在は石油化学製品の製造に特化され周南コンビナートの中核を担っておられます。
今回、働き方改革を推進される中で生産性を向上させる新しい働き方を目指して大規模リニューアル工事を実施されました。オフィスリニューアルを実施した目的やこだわった点など、執行役員の三品様、リニューアルを担当された加藤様、石口様、小路口様にお話を伺いました。
出光興産株式会社 徳山事業所
執行役員 徳山事業所長 三品鉄路 様、総務課長 加藤良 様、総務課 石口茂 様、工務課 小路口 卓 様
所在地 | 山口県周南市新宮町1-1 |
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URL | http://www.idemitsu.com/jp/ |
業種 | 製造業 |
人数 | 525名 |
面積 | 約1,421坪 |
提供内容 | ワークスペース |
オフィスリニューアルのきっかけを教えてください
(執行役員 徳山事業所長 三品鉄路 様)
当事業所は、基本的にはエネルギーや化学原料など既存事業がある一方で、カーボンニュートラルに向けて新しい事業に衣替えしていく、構造変換していくことが必要な時期になっています。そのためには働いてくれている人の力を結集しなければならず、ワークライフバランスを取りながら高付加価値の仕事をできるだけ多くの人にやってもらいたい、そのために働き方改革を進めることになりました。その一環でハード面として、多様な働き方を選択し社員が自律して働けるように、職場環境を整えようというのがきっかけです。
オフィス構築前、貴社の働き方や働く環境における課題を教えてください
(総務課長 加藤良 様)
毎年、やりがい調査というのを実施しているのですが、どうしても若い社員のやりがいが低かったり、ここ近年なかなか会社にも定着をしなかったりという傾向があり、そこを何とか改善していきたいということになりました。そこで効率的な働き方をすることでワークライフバランスもとりながら最終的にやりがいも向上していこうと。基本的にはABWという考え方に基づいたフリーアドレス化というのを一つの軸としてリニューアルをしていこうということになりました。
オフィス構築時に、課題解決に向けてこだわったポイントやその理由、またそれを実現した手段について教えてください
パイロットオフィスで新しい働き方にチャレンジ
(工務課 小路口 卓様)
まずは働く環境診断「はたナビプロ」を使って、自分たちの今の働き方について分析しました。その上で、東事務所と本館事務所にパイロットオフィスを設置し、まずは新しい働き方に慣れるところからスタートしていきました。新しい働き方に慣れたところから、自分たちがどういったオフィスにしていきたいのかということを検討しながら、社員みんなで新しいオフィスを作り上げていきました。
社員が目的を持って働けるように様々なエリアを構築
まずは会議室の数を大きく減らしました。その上で得られたスペースをワークポイントに充てて従来比で1.3倍のワークスペースを確保することができました。それとあわせて1on1のミーティングスペースだったり個人の集中ブースだったり、いろいろな仕掛けを用いることによって、社員それぞれが目的を持って働くということに特化したオフィスにつくりあげることができました。
また、食堂の改装においては、従来食堂というのは食事の時間しか使っていなかったのですが、それ以外のアイドルタイムにも使用できるように、食堂でも仕事がしやすい環境を構築していきました。
オフィス構築時に、苦労した点は何ですか?またそれをどのように乗り越えられたのか教えてください
(総務課 石口茂 様)
4つのエリアを順番にリニューアル
4つのエリアを半年でリニューアルしければならないということと、その間も仕事を止めてはならないということで、大変苦労しました。工事の順番も検討し、最初に食堂をリニューアルしたのですが、その間、社員の方に在宅をお願いしたり、普段仕事をしない場所で仕事していただいたりするなど調整が大変でした。社員の方には大変負担をかけましたけども無事半年で工事を完了できることができました。
書類を70%削減
まず、紙媒体があるといつでもどこでも仕事ができないということと、執務場所を確保するために、最終的に書類を70%削減しました。具体的には、公的書類は残して、それ以外の書類、なくせる書類は廃棄したりPDF化したりすることで、書類を減らしていきました。
また特に本館は、築66年で大規模なリニューアルが今回初めてということで、大変多くの不要物がありました。リニューアルの知識が少ない中、社員で考えながら工事を進めたというところがポイントになるかと思います。
オフィス構築後、社員の皆様の働き方はどのように変わりましたか?感じておられる効果や予想外の反応(良・悪含め)などありましたら教えてください
(小路口様)
オフィスを改装して1か月後に社員向けにアンケートを実施しました。概ね良好な意見が得られましたが、オフィスを改装したといってもまだ環境が整っただけで、今まさに新しい働き方に慣れていってもらっているステージになっています。それを踏まえて、さまざまな仕掛けを投じていくべく、我々オフィス改装に携わったメンバーで月に数回ワーキングという形で会議や会合をして、次にどのような仕掛けを投じていこうかという話を進めています。現状ある取り組みとしては、所長や役員とのコミュニケーションを深めるため、ひざ詰め・車座でのタウンホールミーティングといった形で社員全員が参加できるミーティングを実施するなど、新しいオフィスで新しい取り組みを始めています。
社員の働き方も徐々に変わってきており、これまで関わったことがない人たちとコミュニケーションをとったり、ある目的を達成するためにグループワークをしたりという使い方も徐々にですが見られるようになってきましたので、よい方向に向かっているなという印象は受けています。
(三品様)
オフィスをリニューアルし、すぐにそのコンセプトを理解して自分で工夫しながら仕事をしている人も増えてきていますし、一方で、当然ながら全員がすぐ新しい働き方に慣れずフリーアドレスと言いながら、今までと同じ半固定で働いている社員もいます。
それでもフリーアドレスにすることによって、自分の仕事の質を上げるためにどういう場所でどういう仕事の仕方をしようかなと考えたり、誰かとたまたま隣に座ったことによって偶然の会話から色々なアイデアが出たり、そういう体感をした人も増えていることは事実です。皆ができるだけ多く体感すればより浸透していくのではないかということで、若いメンバーが仕掛けを自ら提案し、全所的に活動してみようということもやってくれています。
こういうことは例えば所長がやれと言ったからできるものではないので、使っている人たちが自分たちでコンセプトを理解したうえで工夫するというのが大事ですし、ABWもすぐに完成するわけではなく継続して改善する、こうしたら良いとアイデアを出し続けるのが大事だと思います。その基礎になる部分の風土、雰囲気というのは出てきたのではないかと思っています。
コクヨマーケティングをオフィス構築のパートナーとして選ばれた理由を教えてください
(三品様)
3社にプレゼンしていただいて各社素晴らしかったのですが、コクヨさんが一番良かったところは、「創造性と快適性のシンカ」をコンセプトに、動線、人を動かすということを重視していただきました。4つのエリアでフリーアドレスにしたところで人が動かなければ何も起こらないので、そういう意味ではコクヨさんが一番我々のコンセプトに近かった、合っていたかなと思ってコクヨさんを選ばせてもらいました。
オフィス移転・改装レイアウトの課題を解決します