社員の声を反映してつくりあげたABW型オフィス

ハイブリッドワークにおけるオフィス活用シーンを定義、コミュニケーション活性化へ

鈴与シンワート株式会社様は、鈴与グループ内の情報事業の中核企業として、コンピュータソフトウェアの受託開発、ソフトウェア製品の導入支援・アドオン開発、データセンター、クラウドサービスの提供など、ICTを通じて、お客様の経営課題の解決を支援し、企業価値の向上に貢献しています。
このたび、ハイブリッドワークへの移行に伴い変化した働き方に対応するため、大阪事業所のオフィスをリニューアルしました。事務局としてリニューアルに携わられた瀧様、柳様に、リニューアル前の課題やこだわりのポイントなどをお伺いしました。
※ハイブリッドワーク:出社勤務と在宅勤務を併用した働き方

鈴与シンワート株式会社 大阪事業所様

管理本部 業務管理センター スペシャリスト 瀧敏純様、管理本部 業務管理センター スペシャリスト 柳千代様

所在地 大阪府大阪市中央区本町2-5-7 メットライフ本町スクエア8階
URL https://www.shinwart.co.jp/
業種 その他
人数 約150名
面積 約237坪

お客様の課題

  • スペースの有効活用と働き方の変化への対応
  • コミュニケーションの活性化
  • Web会議スペースの設置

コクヨのご提案

  • 目的に応じて働く場所を選択できるABW型オフィスの構築
  • フリーアドレスの導入と多様なオフィス什器によるコミュニケーション空間の新設
  • 各シーンに応じたWeb会議スペースの新設

まず、今回のオフィスリニューアルのきっかけについて教えていただけますか

(瀧様)
実は、東京本社オフィスでは新型コロナウイルスの流行以前からフリーアドレスを導入していたこともあり、大阪事業所でもフリーアドレスの導入を検討していました。また、カーペットが古くなって捲れている部分があったり、長期にわたり継続使用している什器も多数あったりするなど、オフィス環境の改善が必要だと感じていました。しかし、具体的な計画を立て始めたところで新型コロナウイルスが蔓延し、一時検討の中断を余儀なくされました。その後、ハイブリッドワークへの移行が進み、出社と在宅それぞれの特性を活かした働き方に対応する必要性を感じたことから、改めてリニューアルの計画を進めることにしました。

リニューアル前の貴社の働き方や働く環境における課題を教えてください

スペースの有効活用と働き方の変化への対応

(瀧様)
コロナ禍でハイブリッドワークに移行し、出社3割、在宅7割という働き方に変化したことで、固定席運用であった執務空間のあちこちに、空きスペースが見られるようになりました。コロナ禍で変化した勤務スタイルを反映したルールと制度の整備を行うと共に、出社目的に応じて活用できるオフィスへリニューアルする必要性を感じていました。

コミュニケーションの活性化

(瀧様)
リニューアル前のオフィスは固定席運用だったため、コミュニケーションが部門内のみで完結することも少なくありませんでした。2019年、部門間コミュニケーションの改善を目指し、各部門の中間エリアに「止まり木」と呼ばれる新しいスペースを設置しました。これは、お客様先に常駐する社員が大阪事業所に出社した際に利用できる執務席として、また部門を超えた交流の場として役割を期待していました。しかし、ハイブリッドワークの導入に伴い、このスペースの利用頻度は次第に低下していきました。当初の目的は部門間コミュニケーションの活性化でしたが、働き方の変化により、その効果が薄れていく結果となったのです。

Web会議スペースの設置

(柳様)
働き方の変化によりWeb会議の頻度が増えたにもかかわらず、適当なスペースがなかったことが大きな課題でした。会議室には限りがあり使用できないことも多かったため、仕方なく自席でWeb会議に参加している社員が散見されました。

これらの課題解決に向けて、オフィス構築時のこだわりポイントや実現したことについて教えてください

現場と連携したABW型オフィスの構築

(瀧様)
まず、現場の声を反映するため、オフィスリニューアル事務局である管理本部から各部門へ「職場環境の改善に積極的な方」「外部のオフィスを目にした経験が多い方」など、リニューアル委員として想定したメンバー像に近い方の選出を依頼しました。事務局側で事前に検討し準備していた「オフィス活用シーンとワークプレイスの対応表」を基に、出社時に、オフィスでどのように働きたいか、オフィスをどのように使いたいか、という意見出しをしました。委員会の運営は、Teamsのチャット機能を活用してオンラインでの日常的な意見交換を行いつつ、重要な決定事項については対面での会議を実施するなど、メリハリをつけて進めました。約1カ月程度で全体の方向性は固まりましたが、議論中はメンバー内で意見のすり合わせが必要なシーンもあり、ある程度運営側で牽引することも意識しました。 

※(以下)オフィス活用シーンとワークプレイスの対応表

対応表

フリーアドレスの導入と多様なコミュニケーションスペースの新設

(瀧様)
フリーアドレス制の導入により、部門を超えた交流を促進させたいと考えていました。さらに、リニューアル委員との議論を進める中で、コミュニケーションには「効率的な打合せ」「リラックスした会話」「気軽な雑談」など様々な種類のニーズがあることがわかり、目的に応じて最適な場所・設備を利用できるコミュニケーションスペースの構築を目指しました。

また、緑視率の向上による、心理的なリラックス効果を期待し、フェイクグリーンが設置されている什器を選定したり、観葉植物の設置箇所を増やしたりするなど、オフィスで働いている社員がいつでもグリーンを視認できるようにしました。

鈴与シンワート様_オフィス写真_1

鈴与シンワート様_オフィス写真_2

Web会議用スペースの新設

(瀧様)
遮音性の高いクローズ環境のブースや吸音パネルに囲まれた半個室のエリアを設け、Web会議が実施できるようにしました。リニューアル委員との議論で「個人で参加するWebミーティング」と「複数名で参加するWebミーティング」があるという意見があったため、様々なバリエーションの什器を採用しました。

鈴与シンワート様_オフィス写真_3

オフィス構築時に苦労した点や、それをどのように乗り越えたか教えてください

フリーアドレス移行への抵抗感の払拭

(瀧様)
特にマネージャー職以上の社員からは、「どこに座ればいいのかわからない社員も出てくるのではないか」「部下の管理ができなくなってしまう」といった不安の声がありました。これらに対しては、オフィスリニューアルから約半年の移行期間を設けて試行錯誤し、事業部の優先着席エリアを設置することで、ソフトランディングを図ることができました。また、事前にリニューアルの経緯や目的を説明会でしっかり発信すると共に、オフィス内の通用口など、社員の目につく場所にポスターを掲示し、オフィスリニューアルに向けて機運を高めていきました。
※(以下)実際にリニューアル説明会で使用された資料の一部

説明会資料

※(以下)実際に掲示されたポスター

ポスター

書類・キャビネットの削減

(柳様)
書類整理・処分を依頼することで、フリーアドレス対象社員の3段ワゴンを廃止し、40台以上あったキャビネットを8台程度まで減らすことに成功しました。また、オフィスリニューアルを機にクリーンキャンペーンを実施し、書類以外の不要なものの廃棄も促しました。結果として、紙ごみ150箱を含む段ボール箱の総数300箱におよぶ廃棄物を処分することができました。ハイブリッドワークに移行し、紙媒体のない働き方に慣れてきたタイミングだったこともあり、スムーズな削減に繋がりました。さらに、単にロッカーのサイズを伝えてもピンとこないと考え、どれくらいの収納量なのか見当がつくように実際に段ボールでロッカーのモックアップを作成し、オフィスに設置しました。これが非常に効果的で、多くの社員が実物大のモックアップを見に来ました。視覚的に理解してもらうことができたことも、スムーズな削減に繋がった要因と考えています。

膨大なタスクの整理

(瀧様)
事務局としては、オフィスリニューアルに向けた膨大なタスクを管理することも大変でした。リニューアルに関するすべてのタスクを洗い出し、Excelで進捗を管理し、いつまでに誰が何をするかを明確にして、抜け漏れがないよう作成しました。リニューアル前、工事期間中、リニューアル後にやるべきことをリストアップしましたが、リニューアル前だけでも186ものタスクがあり、改めて移転・リニューアルなどオフィス構築で発生する業務の多さを実感しました。

オフィス構築後、社員の働き方はどのように変わりましたか?また、リニューアルの効果や予想外の反応などがありましたら教えてください

(瀧様)
アンケートの結果、76%の社員が満足、またはとても満足と回答しています。具体的には、「色々なエリアができて選ぶのが楽しい」「他部門の方に話しかけやすくなった」「ロッカーを導入したおかげで、席に余計なものがなくなり作業スペースが広くなった」などの感想がありました。また、「日によって効率の良い席を選べる」といった声もあり、まさにABWが実現できたと感じています。
また近年、弊社では健康経営に取り組んでいることもあり、リニューアルに際しては、腰の負担を軽減するランバーサポート機能がついた椅子や、上下左右・傾斜の調節により快適な執務姿勢をサポートするモニターを導入しました。目・肩・腰の負担が軽減したという声や、作業効率が上がったという声が多く聞こえてきます。

(柳様)
一方、当初一時的な利用を想定していた集中ブースの長時間利用や、席の固定化といった課題も出てきており、運用ルールの再周知などを検討しています。

 鈴与シンワート様_インタビュー風景

コクヨマーケティングをオフィス構築のパートナーとして選ばれた理由を教えてください

(瀧様)
3社によるコンペを実施し、選定しました。主な理由は以下の4点です。

  1.  コンセプトや活用シーンの要望に対する充足度が高かったこと
    特に、ジグザグしたレイアウトや誰もが角を持つことができるワークユニットなど、出社時のコミュニケーションを重視した提案が印象的でした。
  2. コンペ時の営業対応が的確だったこと
    予算とのギャップが生じた際に、VE案※を提示してくれたのは御社だけでした。
  3. リニューアル後の運用サポートの期待度が高かったこと
    実績やノウハウが豊富で、担当営業の方だけでなく全社的にサポートしてくれていることを感じました。
  4. 将来のレイアウト変更に向けた拡張性、柔軟性が高かったこと
    グリッドプランの提案により、人数の増減や事業内容の変化にも対応できそうだと感じました。

    ※VE案:性能や価値を下げずにコストを抑えるための代替案

 

(柳様)
毎年、梅田オフィスのフェアにご招待いただいており、日頃から御社の取り組みに注目していたことも選定理由の一つです。

鈴与シンワート様_集合写真

このプロジェクトの納入事例

社員の声を反映してつくりあげたABW型オフィス

鈴与シンワート株式会社 大阪事業所様
その他 約237坪
リニューアル
#ABW

「リニューアル」お客様インタビュー