部門・事業会社を超え、イノベーションを生みだす共創空間

社員が活き活きと交わり、チームが強くなる拠点『ミノスク(MINOSHIMA SQUARE)』

パナソニック コネクト株式会社様は、パナソニックグループにおいてBtoBソリューション事業成長の中核を担い、顧客起点でお客様の「現場」に貢献する新しいソリューションを提供する会社です。「現場から 社会を動かし 未来へつなぐ」をパーパスに掲げ、さまざまなお客様の「現場」にイノベーションを起こし、よりよい社会、持続可能な未来の実現に貢献されています。
2017年4月以降「企業を動かすには、まず企業カルチャーの変革が重要」という同社プレジデント樋口様の考えに基づき、「カルチャー&マインド改革」を推進されてきました。今回の食堂リニューアルは、この「カルチャー&マインド改革」から始まった働き方改革の一環であり、一人一人の社員が自律的に学び、挑戦していく、「thriving」(thriveの意味は、健康に育つ、富む、繁栄する、目標に向かって前進するなど)をキーワードに、イキイキと働ける環境の実現に向けて実施されました。

人事総務本部の方針であるこの「thriving」から「働きたくなる会社をつくる」をミッションに掲げ、MMV((Mission、Vision、Values)の体現・浸透を図りながらリニューアルを検討された、ご担当の藤井様に、リニューアル前の課題や苦労された点、空間構築時にこだわったポイントなど、お話を伺いました。

・Mission:働きたくなる会社をつくる~新しい働き方の創出~
・Vision:仕事がはかどり安心して働ける職場 
・Values:オープンコミュニケーション

パナソニック コネクト株式会社 福岡事業場

人事総務本部 総務部 福岡総務課 藤井 聖太 様

所在地 福岡市博多区美野島4丁目1-62
URL https://connect.panasonic.com/jp-ja/
業種 製造業

お客様の課題

  • オフィス内に、気軽な雑談・コミュニケーションをとれる場が少ない
  • 事業会社・部門の垣根を越えた交流が乏しい
  • 働き方の選択肢を多様に、主体的な行動を促したい

コクヨのご提案

  • やぐら・畳スペース・ブース席等の設置により、いつもと違うカジュアルな視点でコミュニケーションを促進
  • プロジェクト毎に気軽に利用できる組み合わせ自由な可動タイプのテーブルを配置
  • 「にぎやか・くつろぎ・つながり」の3エリアに分け、利用目的に応じた心地の良い空間へ

会社概要、福岡事業場について教えてください。

パナソニック コネクト株式会社は2022年4月1日、パナソニックグループの事業会社制への移行に伴い発足しました。本社は東京ですが、福岡事業場の設立は1955年とかなり歴史のある拠点です。現在、社員数は派遣社員等も含めると2,200名(パナソニック コネクト株式会社以外も含む)。技術者・開発者が6-7割を占めており、多くの事業、人材が入り混じる拠点であることが福岡事業場の特徴です。

食堂リニューアルの経緯を教えてください。

昨今の働き方の多様化やICTの進化、デジタルの促進に伴い、今の時代の流れの中で、この福岡拠点の全体最適をどうあるべきかを総務内で検討しました。福岡事業場は、今までも全く変化がなかったわけではないのですが、ゆるやかに変化していたこの拠点に大きな変化を加えようと考えたことがこのリニューアルのきっかけです。
なぜ「食堂」なのかというと、一番コアに人が集まる場所であったことが理由です。他にもいろいろ改善すべき場所は複数ありましたが、食堂は食事をとる場、すなわちここが最も人が繋がり交わる場であることを考え、まずは「食堂」をリニューアルすることになりました。

リニューアルにおいて、拘ったポイントを教えてください。

コンセプトの土台となる社員のマインドや考え方を理解

人事、総務はバックオフィスなどと言われていますが、普段から社員としっかり対峙しているのかというとそうでもなく、今までそのような機会がなかったのが現状でした。そのため、社員と向き合ってリニューアルに至るまでのプロセスをしっかり踏んでいくべきだと考えました。
そこで、まず現場で働く人たちが、普段どのような思いで働かれているのかというマインドの分析からはじめました。社員に総務アンケートをとり、各社・各部門の働き方や考え方のとりまとめはもちろんのこと、多様なメンバーにヒアリングを実施しあらゆる視点で課題を抽出、分析を進めました。ここが一番拘ったポイントです。

事業会社・部門が交わりイノベーションを起こすきっかけとなる空間へ

各事業会社・各部門が交わるようなプロジェクトはなかなかありません。

例えばグループ会社であるパナソニックエンターテインメント&コミュニケーション株式会社の部門ではイヤホンを開発しており、パナソニック コネクト株式会社のメディアエンターテイメント事業部(現在一部パナソニックエンターテインメント&コミュニケーション株式会社へ移管)は、AV機器をつくっています。

事業会社は違いますが同じ音環境のモノをつくっているもの同士、何か紐づくモノがあると思いますし、交わることで新しい気づきイノベーションが生まれるかもしれません。社員もそれを望んでいます。ただそういう場が今までなかったということが課題でしたので、この『ミノスク( MINOSHIMA SQUARE )』が、人が交わるきっかけの場になればと思っています。

一方、『ミノスク( MINOSHIMA SQUARE )』ができたからといって、急にあの人に声をかけてみようなどといったことにはなりませんので、それはこれからの課題だと思っています。部門、事業会社が異なる方たちに、どのように接点をつくってあげられるのか検討と仕掛けが必要です。

行きたくなる食堂への仕掛け

この場を使っていただく社員の方々に、どのような想いでこの場所を創り上げていったのか、理解していただくことも必要だと思っています。使う人は、その場に来て視覚でしかその場をとらえることができません。単に見かけや使い心地だけではなく、この場を創った背景や、皆の想い・目的などを、一人でも多く理解してもらえたら、社員もより活用してくれるのではないでしょうか。その為にも、今後の課題は、自発的にこの場を活用してくれるような仕掛けも検討できればと思っています。

福岡の屋台をイメージした「やぐら」

天井に設置した「やぐら」は、誰の発想にもなかったので、コクヨさんから提案いただいて、福岡らしさが出ていていいなと思いました。また、『ミノスク( MINOSHIMA SQUARE )』にはちょっとした拘りをいれたいという想いがあったので、「やぐら」にしても、「畳スペース」の設置にしても、その空間へ行くことで、その拘りや気遣いを社員の方が感じてくれたらいいなと思っています。

リニューアルで大変だったことや、それをどのように乗り越えられたのかを教えてください。

目指すべきオフィスや食堂のあり方を検討

ハード面においては、会社に認めてもらい投資をすることでよい環境は整えられますが、日本もますますハイブリットな働き方へうつりつつある中で、これからのオフィスや食堂はどうあるべきか、まず自分たちが理解することに苦労しました。
どのような場を社員へ提供すればよいのか、考えがまとまるまでコクヨさんにもアドバイスをいただき、他社事例も参考にしながら検討しました。まずは自分たちの気持ちの中で府に落とすこと、「ここだったら使いたい、こんな食堂があれば会社へ行こう」など、自分たちがそのように思えないと、社員の方ももちろん同じ思いにはなりませんので、その検討にはかなり時間を費やしました。

社員の声を最大限に反映する

今回リニューアルした食堂『ミノスク( MINOSHIMA SQUARE )』は、「チームを強くする交わりを生む場」「境界を越えて、社員が活き活きと交わる出発点」として活用していこうという、社員の想いや声を最大限に反映できていると思います。
ただやはり、派遣社員の方も含めて2,200名(パナソニック コネクト株式会社以外も含む)くらいの社員がいる中で、全員が同じ思いでいるかというとそうではありません。部門によっては、食堂はご飯を食べる場として機能すればいいのではないか、仕事は執務エリアですべきではないかと考える方もいます。どこにポイントを絞って、どのようにバランスをとっていくのか、ベクトルを1つの方向へ向けるというのは非常に難しい問題でした。

また、総勢50名で結成されたリニューアルのプロジェクトメンバーには、各事業会社や部門からの選出と合わせて、ワーキンググループを組んだメンバーとコネクトのデザイン部門の方にも多く入ってもらいました。責任者や若手社員など年代・性別・職種・所属部門に関わらず多様なメンバーへのヒアリングをもとに、コクヨさんから出していただいたアイデアをプロジェクトメンバーにてコネクトのワークプレイスとして使いたいかという目線からリニューアルのコンセプトを検証しました。

リニューアルした後に感じておられる効果や予想外の反応(良・悪含め)などありましたら教えてください。

フレキシブルに働き方が選択できる環境へ

今までは、どこへいっても机とイスが並んで向かい合って座っている普通の執務エリアばかりでしたが、『ミノスク( MINOSHIMA SQUARE )』という空間の選択肢が増えたことで、社員から良かったという声があがっています。
いつも同じ空間、同じ景色、同じ環境に働く状況下では、斬新的アイデアは生まれづらく、イノベーションも起こりづらくなります。そういった話が現場では如実にでていましたので、社員交流のきっかけとなるこの『ミノスク( MINOSHIMA SQUARE )』から成長していける、といった声があがったことは嬉しかったです。一方で、このような空間の変化を素直に受け入れられず、いきなり変わりすぎではないかという声もあります。大きな変化だったので仕方のないことですが、これからの働き方やオフィスの在り方を考えたときに、必要な変化であったことは、しっかりとお伝えするようにしています。

飲食以外でも活用できる自由な空間へ

『ミノスク( MINOSHIMA SQUARE )』が出来てもうすぐ3か月ですが、参考書を開いて勉強をしている人もいれば、上司部下でコーヒーを飲みながら話している姿など、色々な光景が見られるようになりました。昼食以外の時間帯ですと、60名くらい利用されていますが、今後もっと利用人数が増えて、入りきれないくらいになってくれたら嬉しいです。
また、弊社は、出社・在宅勤務が自由に選べるハイブリットワークを実践しており、福岡事業場の今の出社率は、6-7割くらいです。当社ではコロナが5類に移行されてから、「週3日以上出社」というプレジデントの方針が出ましたが、今回リニューアルした食堂『ミノスク( MINOSHIMA SQUARE )』が、会社に出社するきっかけになってくれたらいいと思っています。

能動的に人と交わり活性化するイベントを開催

イベントは各部門で自発的に開催しており、実際今日も外部から講師をお招きしてセミナーをしています。他にも、拠点とWeb会議を繋いで決起集会や懇親会を実施することもありますし、お酒をだしてイベントを開催することもあります。とてもいい流れになっています。今までも人が集まれるような場はありましたが、空間が変わったことでより活用しやすくなっているのかなと感じます。また、このような機会がどんどん増えると会社に行く価値も上がりますし、元々のプロジェクトのテーマでもあった「幸福感」や「挑戦できる空間」というコンセプトの実現にもつながるのではないかと思っています。
まだ駆け出したばかりなので、どのようなイベントがいいのかどうしたら成功するのか探り探りですが、社員を巻きこんだイベントも実施してみたいですし、セキュリティ上、簡単に外部の方を社内へ呼ぶことはできないのですが、敷地内に芝生広場もありますので地域の方を巻き込んだ野外イベントなどもやってみたいです。

弊社をパートナーとして選んでくださった理由をお聞かせください。

今回コンペをさせていただきましたが、コクヨさんがコンペでご提案いただいた内容や誠実に足を運んでくれことが理由で、この人たちとやっていくべきだという考えに至りました。
お任せした以上、デザインやカラー等で迷ったときはコクヨさんに決めてもらいました。天井へのやぐらの設置工事も、専門的なところでコクヨさんには大変力になっていただきました。いざ工事が始まってみると、思った以上に時間がなくてバタバタしてしまいましたが納期通りにやりきっていただきました。プロジェクト中は、信頼関係も築くことができ、当社のプロジェクトメンバーも含めてコクヨさんから学べたことも多かったです。

ミノスク( MINOSHIMA SQUARE )が完成して当社のデザイン部門の方にも来てもらったのですが、「コクヨさんすばらしいですね。こんなに思い描いていた通りの場所ができることってあるのですね。」と我々のデザイン部門にもそのように言ってもらえました。いただいたパース通りの思い描いていた空間が完成したことは私自身も感動しました。結果、コクヨさんやパートナー企業さん、関係者の皆さん含め、社員の想いが「カタチ」として表れて『ミノスク( MINOSHIMA SQUARE )』が完成したことは非常にありがたかったと思っています。

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