経営者の思い×現場の意見 チェンジするオフィス

コミュニケーション活性化と自発的な働き方を目指して

株式会社落合様は、本社2階のリニューアル、東北支店、北関東支店の移転を経て、
2022年3月に本社オフィス1階をリニューアル。
ただオフィスを新しくするだけではなく、経営者の思いと現場の思いを合致させ、
みんなでつくりあげることにこだわって、オフィスをリニューアルされました。

オフィスコンセプト「チェンジ」には、チェンジしてチャレンジすることでチャンスが生まれる、
という思いを込め、ABWを取り入れた新しい働き方にチャレンジされています。
今回、リニューアルに至ったきっかけやオフィス構築時にこだわったポイント、
リニューアル後の新たな課題など、インタビューさせていただきました。

株式会社落合

代表取締役社長 落合輝彦様 ・東京支店 支店長 田中靖史様・東京支店 竹内美沙樹 様

所在地 東京都台東区下谷1-4-12
URL http://www.ochiai-net.co.jp/
業種 卸売・小売業
人数 211名(東京支店30名)
面積 約102坪

リニューアルのきっかけを教えてください。

落合社長様
「本社は1階に営業部、2階に管理本部と2フロアに分かれています。1階の営業部は1グループと2グループに分かれており、仕事量に差があること、お互いにコミュニケーションをとる機会が少ないことが長年の問題となっていました。その状況を改善しようと、経営会議で東京支店として統合する提案をしました。1グループと2グループの良いところも悪いところも共有することで、良い方向に向かうと考えたからです。

統合にあたり座席レイアウトを変える必要がありましたが、オフィスには予算をかけずにコミュニケーションをとりやすいように机の向きを変えるなどで考えていました。しかし、執行役員から、『みんなで作り上げてこそのオフィスではないか』との助言があり、経営者の思いと現場の意見を具体化するオフィスを力をいれて作らないと、長年の本質的な課題解決に繋がっていかないと考え、本社の1階を大々的にリニューアルしようと考えを改めました。」

リニューアル前、貴社の働き方や働く環境における課題を教えてください。

落合社長様
「長年の慣習で、私自身が縦社会やトップダウンが当たり前であり、経営する上で弊害もありませんでした。しかし会社を経営していく上で、コミュニケーションからヒントを得る機会があまりないことに気づきました。社員が自発的に自分たちの働き方を考えたり、ボトムアップ型で社員から意見を吸い上げるように変えることで、経営の幅も広がっていくのではと思いました。」

田中支店長様
「同じ営業部にも関わらず、部門を超えた情報共有がありませんでした。それがなくても仕事が成り立ってしまうため、旧態依然の働き方のままで変化しようとする意識がないことが課題でした。」

竹内様
「デスクレイアウトがいわゆる“島型対向式”のため、上長席に行く=報告をするという認識があり、気軽に上長との会話ができなかったことです。一方、上長と席が近い社員は楽しそうに雑談をしている姿を見ることもあり、席順によってコミュニケーションの量に差が出てしまうことも問題だと思いました。また同じ部署でありながら隣の島の社員と気軽に話せないことも課題でした。」

※島型対向式:部署ごとにデスクを向かい合わせて配置するレイアウトで、一つの部署で一つの島を形成すること

オフィス構築時に、課題解決に向けてこだわったポイントや理由、実現した手段を教えてください。

落合社長様
「リニューアルをすると決めたものの、ただオフィスを新しくしても一時の変化で、本質は何も変わらないと考えました。そこで経営者の思いと現場の意見を合致させ、みんなで作り上げていくオフィスにしたいと思いました。オフィスがきれいになってよかった、で終わらせないためにも、現場の納得感が必要だと思ったのです。

ですが、どのようなオフィスにすればいいか具体的なアイデアもなくもやもやしていました。その時にコクヨフェアをご案内いただき、コクヨさんの『be Unique.』※という企業理念や、実際に品川オフィス『THE CAMPUS』を見学したときに創造性豊かな働き方に感激し、オフィスに遊び心、まさにわくわくする現場が欲しかったと気づきました。落合流のbe Unique.を考えた時に、コミュニケーションからひらめきやアイデアが出てくる、そんなオフィス空間にしたいと考えました。」

※be Unique.とはコクヨグループの企業理念のこと「コクヨは、創造性を刺激し続け、世の中の個性を輝かせる。」

竹内様
「オフィスコンセプトは、今取り組んでいる落合のテーマのひとつでもある『チェンジ』としました。チェンジしてチャレンジすることで、チャンスが生まれる。その頭文字をとって、3Cと呼んでいます。このオフィスで働き方やコミュニケーションがチェンジすることで、落合としての新しいチャレンジができるのではと期待しました。」

田中支店長様
「オフィスレイアウトを検討する際は、経営者の思いだけでなく、現場の意見を具体化することにもこだわりを持っていましたので、投票箱を作って社員の意見を集めました。匿名性の投票箱にすることで、素直な意見も多くでました。

レイアウトでこだわった点は、部門を超えたコミュニケーションをとりやすくするために営業はフリーアドレスにしたことです。また、今までは個人個人でカタログを持っていましたが、レイアウト変更をきっかけにカタログを共有化することにしました。カタログコーナーとコピー機コーナーをマグネットスペース※1にすることで、オフィス内を動きまわる機会を増やし、自然とコミュニケーションがとれる仕掛けになると考えました。その他、新たなアイデアが出やすくするように、打ち合わせやweb会議ができるABWコーナー※2を設け、社員や来訪者とコミュニケーションをとる機会を増やしました。」

※1マグネットスペース:コピーコーナーや自動販売機コーナーのように人が自然と集まる場所のこと。
※2ABW:アクティビティ・ベースド・ワーキングの略。仕事内容に応じて時間を場所を自由に選択できる働き方のこと。

オフィス構築後、社員皆様の働き方はどのように変わりましたか?感じておられる効果や予想外の反応などありましたら教えてください。

落合社長様
「まず、みんなの表情が明るくなったことが一番の嬉しい変化です。取引先からも『落合変わった!』と言われるようになりました。また、今回のオフィスリニューアルで社員と向き合い、意見を取り入れたことで、みんなでよりオフィスをよくしていこうという気持ちが芽生えたことも嬉しかったです。ボトムアップを加速させるためにも細かいことでも相談したり言い合える環境を作っていきたいです。」

田中支店長様
「リニューアルを決めてからみんなで意見交換をする機会が増えたこともあり、部下からの発言が増えました。意見を出しても意味がないと思われないようにきちんと受け止め、実現し、これからも発信しやすい雰囲気作りを継続していきたいです。」

竹内様
「リニューアルしてから初めて出社した時は、会社を間違えたのではと思う程、変わっていてびっくりしました。オフィスがきれいになったことでわくわくして気持ちがシャキっとしました。課題であったコミュニケーションは、部門を超えたコミュニケーションをとる機会も増えたことで小さな相談事がしやすくなりました。座席が固定化しないために、内勤は2週間ごとの席替えも実施しています。

また、今までは意見も出しづらく、なおかつ通りづらい雰囲気があったのですが、リニューアルのプロジェクト活動を通じて、自発的な発言をする雰囲気が出てきたと感じています。先日も、上長に『返品伝票を入れるボックスを作りたい』と相談したところ、『いいアイデアだね。どうしたらいいか考えてみる。』と受け止めてくれ、後日ボックスが設置されていたのです。返品伝票は担当ごとに管理しており、探すのに時間がかかったり紛失したり扱いに困っていたのですが、返品伝票ボックスの設置により解消されました。これからも気づいたことがあったら積極的に相談してみようと思います。」

リニューアル後の新たな課題はありますか。

田中支店長様
「リニューアルをきっかけに社員の行動や考えが一気に変わると思っていましたが、まだ変化できてない状況です。デスクマットにメモ用紙を挟みたい、デスクの引き出しによく使う書類を入れたいなど、多く上がった意見の一部をそのままとりいれてしまったことも、せっかくの「チェンジ」のいくつかの機会をつぶしてしまったと思っています。」

竹内様
「“部門を超えたコミュニケーション”を重視したために、一部の内勤メンバーの席が遠くなってしまったため、電話の取次ぎがしづらくなってしまいました。リニューアル後に発生した新たな問題点は、引き続き検討し対応していこうと思っています。」

コクヨマーケティングをオフィス構築のパートナーとして選ばれた理由を教えてください。

落合社長様
「当社はどういう会社なのか、経営者はどういう考え方なのか、など本質をよく理解して対応いただいたことです。レイアウトを提案する段階から、リニューアル後の運用も考えてくれ、もっと落合は成長できる、と思えました。また、以前、執行役員がコクヨさんの名古屋ライブオフィスを見学したことがあり、オフィス運営など当社にはない考えが多かったので、いづれ取り入れてみたいと思っていました。」

田中支店長様
「理想のオフィスに近づけるのでは、と思える提案があったことです。今まで、オフィスはデスクと椅子の集合体でしかなく、仕事ができれば何でもいいと思っていました。しかし、コクヨフェアをきっかけにオフィスを変えることで働き方が変わると知りました。コクヨフェアや実際コクヨさんが働いているオフィスを見学したことにより、提案いただいた図面やこれからの働き方がより想像しやすくなりました。また、数ある実績や、豊富なオフィス家具のラインナップを取り揃えているという安心感も大きかったです。」

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