株式会社LIFULL(ライフル)様は、日本最大級の不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフル ホームズ)」の運営をはじめ、地方創生や引っ越し、介護施設の情報、ママの就労支援など、世界中のあらゆる「LIFE」を、安心と喜びで「FULL」にするために、様々な領域でサービスを展開されています。
このたび大阪支店を移転され、社員のパフォーマンスが最大限発揮できるオフィスづくりを実施されました。
移転前の課題やオフィス構築時にこだわったポイントなど、総務ファシリティグループ 宮崎徳子様にインタビューさせていただきました。
株式会社LIFULL
グループ経営推進本部 総務ユニット総務ファシリティグループ 宮崎徳子 様
所在地 | 大阪府大阪市北区梅田3-3-20 明治安田生命大阪梅田ビル10階 |
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URL | https://lifull.com/ |
業種 | サービス業 |
人数 | 40名 |
面積 | 約72坪 |
移転のきっかけを教えてください
大阪支店は営業メンバーを中心に約40名が在籍するオフィスで、テナントビルの契約更新期限が迫っていました。当初はグループ会社2社も同居しており座席数は50席ありましたが、グループ2社が移転し、さらにコロナ禍での出社率が2割となっていたことから移転前は実質10席しか稼働していませんでした。少ないときには出社人数が5名以下の日もありました。また、オンライン商談が主流になり営業メンバーの働き方も変化するなど、人数に対しオフィス面積が広い状態となっていたことから、働き方に合わせてオフィスを見直す必要性を感じ、移転することになりました。
移転前、貴社の働き方や働く環境における課題を教えてください
総務担当者として感じていた課題は3点ありました。
1点目はオフィス内でのコミュニケーションです。もともとチームや組織のコミュニケーションを重視する企業風土ですが、出社率が2割となり人数に対しオフィス面積が広すぎるため、出社しても離れて座るなどオフィス内でコミュニケーションが取りづらい状態になっていました。
2点目は、働く場所の選択肢が少なかったことです。旧オフィスは、執務エリアとして10名掛けのロングデスクが5島、リフレッシュルーム、会議室があるオフィスでした。座席はフリーアドレスで運用していましたが、フリーアドレスといっても座る場所は5島あるデスクのどこかの席かリフレッシュルームしかなく、フリーアドレスとしての運用がうまく機能していませんでした。
3点目は、現在の働き方に働く環境を合わせることです。コロナ禍でオンライン商談やWEB会議が主流となりましたが、執務エリアにはWEB会議ができるスペースがなかったため、4名~10名用会議室を一人で使っている状況で、働き方とオフィスがマッチしていない状態でした。
オフィス構築時に、課題解決に向けてこだわったポイントやその理由、またそれを実現した手段について教えてください
当社は、チームや組織のコミュニケーションを重視していますので、在宅=個人ワーク、出社=コミュニケーションととらえ、交流が生まれるオフィスを構築することを目指しました。リラックスしながらコミュニケーションがとれるソファ席、上司部下のコミュニケーションのため1on1ブース、偶発的な出会いを生み出すカウンター席など、さまざまなコミュニケーションエリアを設けています。ほかにも、外の見えるカウンター席やWEB会議ブース、個室会議室など、執務デスク以外にも働く場所が選択できるよう、多様なエリアを設けています。また、今回の移転でオフィス面積が半分になりましたが、狭さを感じさせず、それでいて、オフィスに入ると一目で誰がどこにいるか分かるようなレイアウトになっています。
移転プロジェクトの進め方にもこだわりました。総務の思いだけでなく、大阪支店メンバーの要望も随所に取り入れられるよう、大阪支店メンバーが欲しいと思うエリアや什器などの要望をヒアリングし、実際の使い方を何度も議論しレイアウトを決めるプロセスをとりました。実際にコクヨさんの大阪ショールームへ行ってイスやデスク、什器のカラー・素材に至るまで選んでもらうなど、支店メンバーも巻き込みながら進めました。
当社のコーポレートメッセージは「あらゆるLIFEを、FULLに。」です。社員も大事なステークホルダーで、総務として社員が働きやすく、最大限のパフォーマンスを発揮できる場所を提供したいという思いから、働き方に関するウェビナーやオフィスメーカーさんのサイトを見たり、コクヨさんの品川オフィスTHE CAMPUSも2回ほど見学させていただいたり、総務として今の時代に合った働き方やオフィスづくりについて情報収集しキャッチアップすることを心掛けました。
オフィス構築時に、苦労した点は何ですか?またそれをどのように乗り越えられたのか教えてください
レイアウトの調整に一番苦労しました。最終的にFixしたプランがどのプランで、皆の意見と齟齬がないかどうかの確認は本当に大変でした。コクヨさんと総務だけで決めるのではなく、大阪支店メンバーの意見も吸い上げながらレイアウトを検討したので、調整時に意見が変わることもあり、限られた時間のなかでも何度も打ち合わせを行い、確認しながら進めました。
例えば、コクヨさんと大阪支店メンバーでショールームを見学した際、フリーアドレス用の荷物を持ち運びできるカバンを導入しようという話になったのですが、1フロアでそこまで移動が発生するのか、どういう用途で使う想定で本当に必要なのかを改めて検討しました。会議室やWEB会議ブースの数も、総務は会議室稼働率データを確認し、コクヨさんは実際にレイアウト可能なのかどうか図面上に落とし込んでもらう、その繰り返しです。当初要望のあったファミレス席も最終的に1on1ブースになりました。また、受付に間仕切りを設置する際、スプリンクラーの納期に時間がかかる懸念があったのですが、B工事の段階でスプリンクラー工事が発生しないよう、受付や会議室の間仕切りの位置をうまくレイアウトで調整いただきました。このようにメンバーの意見を吸い上げて、総務で意図をくみ取り、目的を組み立てて、コクヨさんにレイアウトを調整してもらうやり取りを何度も繰り返しました。
調整は大変でしたが、実は大阪支店で移転プロジェクトメンバーを募った際、支店長含む3名が自ら手を挙げて参加してくれました。支店独自のカラーや働き方は東京本社にいる総務には分からないので、そこを率先して、圧倒的当事者意識を持って最後まで推進してくれたことに感謝しています。
オフィス構築後、社員皆様の働き方はどのように変わりましたか?感じておられる効果や予想外の反応などありましたら教えてください
入居1か月に社員アンケートを実施したところ、総合的満足度が92%と非常に高い水準で、中でも支店メンバーの要望を取り入れたオフィス什器やデザイン・レイアウトの満足度は100%でした。移転すると環境が変わり不満が出るかもしれないと思っていましたが、予想外の反応に驚いています。
ポジティブな意見をご紹介します。
✔ 様々なデスク・チェアーがありとても快適です
✔ 全体的にコンパクトになりましたが、偶発的なコミュニケーションを生まれやすくなったようにも感じます
✔ デザインや家具選びにこだわりを感じ、安心して働ける環境になっていると思います
✔ 机と椅子が凄くいいです
一方で、現在は出社率が週1回(取材時2023年4月)ですが、会社方針で5月から週2回、10月からは週3回に緩和されることが決まっています。大阪支店は、週1回出社の前提でオフィスを構築したので、出社が増えるとオフィスが手狭になるのではという不安の声が上がっています。それについては、10月までまだ時間はありますので、運用面で工夫するなど検討していきたいです。
オフィスは移転がゴールではなく使い始めてからがスタートだと思っています。実際に使ってもらって初めてわかることも出てくると思いますので、社員の意見を聞いて改善していければと思います。
コクヨマーケティングをオフィス構築のパートナーとして選ばれた理由を教えてください
今回コンペ形式で3社から提案いただいたのですが、提案時に私たちが大切にしている「LIFULLらしさ」をしっかりと理解しコンセプトに落とし込んでいただいたこと、コーポレートカラーのオレンジをデザインに入れていただいた気遣い、また、ワークプレイスや空間設計において新たな知見がえられると感じたことが決め手になりました。当社の課題感はコンペの時にお伝えしていましたが、「Holiday office 会社に行くことが楽しみになる、みんなを幸せにしたい社員が幸せになれる、休日に好きな場所へ行くように職場でも選択制を与えて自発的な働き方をもたらす」というコンセプトを見たとき、社員がイキイキと働いている姿がイメージでき、ベストな提案をいただいたと思っています。コクヨさんのこれまでのオフィス構築のデータやノウハウが詰まったオフィスで働くことで、社員の成長につながると感じました。
また、依頼を受けるだけでなくプロとしての視点が落とし込まれた提案、レイアウトや備品の細かい調整への依頼にも、常に寄り添って、柔軟に対応いただけ、最後まで安心しておまかせすることができました。
オフィス移転・改装レイアウトの課題を解決します