株式会社落合様は本社2階のリニューアル、東北支店の立ち上げを経て、
増員と老朽化を機に北関東支店のご移転が決まりました。
コンセプトは「風通しがよく人と情報が集まりメリハリをつけて働けるオフィス」。
今回、ご移転前の課題やオフィス構築時にこだわったポイント、
初めてのフリーアドレスの導入に至るまで、ご移転後の新たな課題などインタビューさせていただきました。
株式会社落合 北関東支店
営業本部 東日本エリアマネージャー 臼井太一 様 北関東支店 支店長 橋本健二郎 様 北関東支店 能登菜摘 様
所在地 | 群馬県太田市浜町1-12 |
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URL | http://www.ochiai-net.co.jp/ |
業種 | 卸売・小売業 |
面積 | 約99坪 |
ご移転のきっかけを教えてください。
橋本様
「支店の建替がきっかけです。竣工してからあまりレイアウト変更をせずに使っていました。老朽化と人数に対して余裕がなくなったこともあり建替をすることになりました。」
ご移転前、貴社の働き方や働く環境における課題を教えてください。
橋本様
「主に課題は3点ありました。1点目はコミュニケーションが取れなかったことです。島型対向式レイアウト※1のため、席が遠い人とコミュニケーションをとることが難しかったです。また執務室内に打ち合わせができるスペースがないため、部下の相談に乗るときも会議室を使っていました。そのため気軽に相談しづらい雰囲気があったようです。
2点目は、会議室が使いたい時に使えなかったことです。例えば、会議室は食堂も兼ねておりお昼休憩を優先としていたことや、web会議をする場所としても会議室を使っていました。そのためお昼時に急遽打ち合わせをしたいときやweb会議がぶつかってしまったときに会議室を使うことができず、困って営業車の中で参加することもありました。
3点目は人数に対して狭かったことです。リフレッシュスペースもないため逃げ場がなく、気持ちの切り替えもしづらいようで部下も窮屈そうに働いていました。」
能登様
「執務室の面積に対して人数が多かったこともあり、動線も狭く、どこに行くにも執務室の中を一周しないといけないことが課題でした。ちょっと聞きたい、相談したいだけなのにわざわざ一周するかと思うと聞くこと自体が面倒になり、自身で解決しようとして余計な時間が発生したこともあります。また社員同士の距離が近いため、怒られている電話ややりとりが聞こえて嫌な空気が伝わってきました。1階が執務室、2階に会議室があったのですが、吹き抜けのためどこにいても電話が聞こえるため気持ちの切り替えが難しかったです。」
※1島型対向式レイアウト :部署ごとにデスクを向かいあわせて配置するレイアウトのこと。
ご移転時に課題解決に向けてこだわったポイントやその理由、またそれを実現した手段について教えてください。
橋本様
「『風通しがよく、人と情報が集まりメリハリをつけて働けるオフィス』をコンセプトにしました。具体的にはフリーアドレスの導入と2フロア制にすることにしました。決まった方とだけでなく、いろんな方とコミュニケーションをとってほしい、もっと気軽に相談してほしい、風通しとよくしたいという思いからフリーアドレスの採用に至りました。
さらに社内外からの情報が集まるように執務室内に展示コーナーを設け、仕入先の商品を展示しPRできるようにしました。また、2階を執務室、3階を多目的エリアと会議室にすることでメリハリをつけて働けるようにしました。3階の多目的エリアでは、取引業者や社内の打ち合わせで利用しています。」
能登様
「現地で採用活動を行っているため、リクルート効果も考えました。オフィスが汚いと企業のイメージが悪くなってしまうと考え、こんなオフィスで働いてみたいなと思ってもらえる空間を目指しました。また、今までは逃げ場がなくちょっと休憩しようという気にもなれなかったので、リフレッシュスペースが欲しいとリクエストしました。」
臼井様
「2階の執務室の見晴らしのよさを活かしたかったことと、かねてから目線をあわせて会話したいと思っていたこともあり、ハイカウンターの採用に至りました。ハイカウンターであれば座って作業をしている方と通りがかった方の目線の高さが同じくらいになるため、話しかけやすくなると考えました。また、入り口近くに配置することで出張者にも使いやすくなるよう、レイアウトにも拘りました。出張者が気軽に立ち寄れるオフィスにすることで、社内での情報交換が活発になると考えたからです。」
ご移転時に、苦労した点は何ですか?またそれをどのように乗り越えられたのか教えてください。
橋本様
「フリーアドレスに対するイメージがわかなかったことです。コミュニケーションを活性化させるためにフリーアドレスを導入することになったのですが、そもそもどのようなものかもわからず、自身の働き方に合うか判断できずにいました。コクヨさんのライブオフィスでフリーアドレスの見学もできるとのことでしたが、コロナ禍ということもあり、なかなか東京に行くことができませんでした。そこで昨年よりフリーアドレスを導入した弊社東北支店を訪れ、現地で実際に働いてみたり、話を聞いたりしました。」
能登様
「私もフリーアドレスで働くイメージがわかなかったので、効率が下がってしまうのではないか、デスクの上に置いている物や引き出しの中の書類はどのように管理したらいいのだろう、と不安でいっぱいでした。そこで新社屋が竣工するまでの1年間をフリーアドレス導入の準備期間とすることにしました。その準備期間中に段階的に思い切って書類を捨てました。今まで書類やカタログがないことで業務に支障がでると思っていたのですが、支障なく業務ができるとわかり、フリーアドレスの導入ができそうと自信につながりました。」
橋本様
「まずは皆の思い込みをなくそうと考えました。コクヨさんから「半年見ない書類はその後ほとんど見ることがないです」と教えていただき、1人1箱の段ボールを与えました。その段ボールには捨てるか保存するかすぐに判断できない書類を入れ、1年限定で倉庫に保管することにしました。案の定1年後、ほとんど捨てることになりました。このように段階的に物を捨てることでフリーアドレスでも働けるかも、という気持ちに変えていきました。またコクヨさんに作成いただいたパース※2を用い、フリーアドレスで働く1日の流れを社員に説明しました。移転前に1日の流れやルールを共有することで社員の不安を取り除くことやフリーアドレスに対する理解が得られ、大きなトラブルなくスムーズに移転できました。」
※2パース :わかりやすいように執務室内や建物を立体的に表した絵のこと
ご移転後、社員皆様の働き方はどのように変わりましたか?感じておられる効果を教えてください。
橋本様
「今まで上長席があったのですが、今回の移転をきっかけに私もフリーアドレス席にしました。毎日席が変わることはとても新鮮ですし、私自身いろんな席に座ることで部下とのコミュニケーションを積極的にとっていきたいと思うようになりました。また、思い切って個人のデスクの横のゴミ箱も廃止しました。そうすることで掃除の手間を省くだけでなく、無駄な書類を印刷しなくなるのでは、と考えたからです。移転前はゴミ箱が欲しいという意見が多かったのですが、思い込みをなくすためにお試し期間を設けました。その後皆に聞いたところゴミ箱はいらないという意見が圧倒的に多かったです。」
能登様
「明るく柔らかい空気になりました。オフィスが広くなり人と人との距離が十分に保てるようになったので、近くにいる社員のイライラが伝わってくることなく、ピリピリした空気になることが減ったように思います。また、移転を機に書類やカタログを削減しましたので、共有カタログコーナーをつくりました。カタログが探しやすくなり、ちょっと立ち上がってカタログで調べてみよう、立ち上がったついでに誰かに相談してみよう、と思えるようになりました。」
今後の課題はありますか?
臼井様
「現在、全社的に5S活動をしています。5S活動とは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけです。オフィスが綺麗になったことに満足していまい、北関東支店では5S活動が停滞していることが課題です。今後の運用面やこの綺麗な状態をどう維持していくか、などプラスアルファのことを考えないといけないと思っています。またせっかくフリーアドレスを導入したので、もっと積極的にコミュニケーションをとってほしいと思っています。」
コクヨマーケティングをオフィス構築のパートナーとして選ばれた理由を教えてください。
橋本様
「空間で働き方を変えることができるとコクヨさんに教わったからです。デスクや椅子や収納庫などは機能面で選ぼうと思っていましたが、大事なのは機能ではなくどういう働き方をしたいか、ということに気が付きました。また今までオフィスは提供された物を使うところだと思いこんでいましたが、自身や皆の意見を反映して作ることで満足度が高まることに気がつきました。」
臼井様
「コクヨさんの名古屋のセミナーに参加したことがあります。『経営者の思いはオフィスに表れる』『社員の意識を変えることでいきいきとしたオフィスになる』という発想がとても印象的でした。働く時間は人生の1/3と言われています。その時間を過ごすオフィスはとても重要な場所であることに気づかされました。また、オフィスについて考えることは、社員について考えることでもあります。なぜならば積極的に社員の意見を聞かないと経営者の思いと現場のバランスがとれなくなってしまうからです。今まで疑問を持つことなくオフィスは社長が決めるものだと思っていました。しかし、それこそが思い込みであることにも気が付きました。」
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