2020年3月2日、経済産業省より「健康経営銘柄2020」「健康経営優良法人2020」が発表されました。
コクヨグループの中では、コクヨ・カウネット「健康経営優良法人2020(ホワイト500)」、コクヨマーケティング「健康経営優良法人2020(大規模法人部門)」に認定されました。この「健康経営」 (注1) 、年々注目度が高まり取り組む企業も増加傾向にあります。
少子高齢化により様々な弊害が顕在化する中、企業において健康経営を推進する意義は非常に高く、会社の持続的成長に欠かせない継続的な施策であることを多くの経営者が気付いているところです。
ただ、健康経営と言われても、いったい何をどうすれば良いの?といった企業が多いのも事実。
今回は、コクヨの事例も参考に、中小企業における健康経営のはじめ方をご紹介します。
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「健康経営」とは?
健康経営とは従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。日本は既に人口減少、超高齢化社会に突入し、深刻化する人手不足に加え、従業員の平均年齢の上昇・定年延長による健康リスクの増大、生産性低下といった構造的課題に直面しています。従業員がいつまでも元気で働き続けられる環境づくり、予防・健康づくりをすることにより、企業の持続的成長など様々なメリットがあると言われています。
(出典:経済産業省)
中小企業こそ健康経営に取り組むべき
特に中小企業において健康経営に取り組むメリットは大きいはずです。
人材採用難の時代、従業員の仕事の負荷が増え、もしコア人材が病に倒れたら・・・。「従業員が心身ともに健康な状態であることで生産性の低下を防ぎ、健全であることで互いの存在や価値を認め合い、効率的に活動できる組織になり事業の継続が可能となる」そのために行われるものが健康経営であり、働き方改革です。
ぜひ健康経営と働き方改革は両輪で進められることをお勧めします。
コクヨの健康経営の取り組み
コクヨでは経済産業省が実施する「健康経営度調査」に2014年から参加しています。
当初は明確に健康経営を推進していたわけでは無く、この健康経営度調査のフィードバックに対し、その時々の課題に対しPDCAサイクルを回し、少しずつ改善を行ってきたということが現在のホワイト500認定に繋がっています。
健康診断100%受診や二次検診・特定保健指導の勧奨など地道な取り組みや、ウォーキングキャンペーン、健康クイズの実施などヘルスリテラシー向上の施策、ストレスチェックを含めた従業員サーベイの組織診断対策など同時に柔軟な働き方とそれを支えるオフィス環境の構築など働き方改革を行ってきたことが認定に繋がっています。
運動習慣定着や健康増進の取り組みにおけるイベント
同時に柔軟な働き方とそれを支えるオフィス環境
オフィスの中も、従来の「執務デスク+会議室」という環境ではなく、業務や気分に応じて選べる多様な場を用意しています。ワーカーは自律的に業務や気分に適した場を自ら選び、オフィス内を自由に回遊します。
様々な姿勢が意識的に取れるよう、高さや天板の角度が変えられるデスク、背もたれの角度が変えられるソファやハイカウンターなど、ひとつの姿勢に固定しないような選択肢を用意して、ワーカーの負担を軽減しています。
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取り組みのステップ
では、これから健康経営を取り組んでいこう、という企業はまず何から始めれば良いのでしょうか?
取り組みを始める前に労働安全衛生法で定められている事項が履行されているかを確認しましょう。これがないがしろの状態では健康経営推進以前の問題です。
自社の健康課題の把握
まず健康施策を行う前に、自社にどんな健康リスクがあるのかを把握しましょう。平均年齢が高い、健康診断の受診率が100%でない、過重労働対策を打っていないなど様々な課題があるはずです。まずはそれらを経営者と共に洗い出しましょう。
健康経営宣言
なぜ、健康経営に取り組むのか、会社や従業員をどのようにしたいのかなどを織り込み「健康経営宣言」を社内外に向け発信します。特に従業員に対しては、経営者自ら語る機会を設け従業員に対する意識付けをしっかり行うことが大切です。
推進体制をつくる
健康経営を推進するためには、体制づくりが必要です。ここからは経営からのトップダウンではなく、従業員の健康管理を行っている部門が中心となり、産業医にも参画いただき、各部門から担当者を任命するなどプロジェクトチームを組成し、ボトムアップ型で推進する形が良いでしょう。
健康推進活動の実施
健康経営度調査に参加することにより自社の健康経営推進上の課題が浮かび上がってきます。ここからのフィードバックをもとに、PDCAサイクルを回していきましょう。健康経営度調査への参加方法は経済産業省のホームページをご覧ください。毎年8月下旬から10月上旬に調査が行われています。
推進上のポイント
健康経営を推進する上で大切なことは従業員が楽しく取り組め、かつ数値では測りがたい充実感や満足感を得られるようにすることです。つまり従業員が健康、というより元気になること。こうしたことが従業員の会社に対するエンゲージメントの向上にも繋がります。
従業員がこの頃なんだか元気が出てきた、組織のまとまりが出てきた、と肌感覚で感じられるようになれば、健康経営のファーストステップは成功です。
(注1)健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
(注2)健康スコアリングレポートは、各健保組合の加入者の健康状態や医療費、予防・健康づくりへの取組状況等について、全健保組合平均や業態平均と比較したデータを見える化したものです。
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