オフィス回帰の流れを受け、会議室不足の解消や社員同士の気軽なコミュニケーションの場として、オフィスの一角を「開かれたミーティングスペース」として活用する「オープンミーティングスペース」が注目されています。この記事では、オープンミーティングスペースとは何か、オープンミーティングスペースの種類、活用するメリットなどを解説しています。また、オープンミーティングスペースの設置事例もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
オープンミーティングスペースとは?
オープンミーティングスペースとは、オフィス内のオープンな空間で、必要なとき・必要なメンバーが集まりクイックにミーティングを行う時に利用する場のことです。このような場をオフィス内の複数箇所に設けることで、話し合いがしたいときに会議室が使えない、会議室では堅苦しい雰囲気がして発言しにくいなどといった課題の解決につながります。
従来の会議室との違い
会議室は、壁などで仕切られた閉鎖空間である点が、オープンミーティングスペースとのもっとも大きな違いです。会議室は、閉鎖された空間であるため、会議内容が外に漏れにくく、機密性の高い議題などを話し合えます。しかし、会議室は予約が必要であったり、閉鎖された空間であることから、気軽に発言しにくかったりなどの課題を感じる人が少なくありません。
会議室
オープンミーティングスペース
オープンミーティングスペース活用のメリット
従来の会議室で起こりがちな課題の解決につながる点が、オープンミーティングスペース活用のメリットといえます。
意思決定が早くなる
オープンミーティングスペースでは、議題に必要なメンバーだけが集まりミーティングをするため、意思決定が早くなります。基本的には関係者だけを集めた少人数でのミーティングとなり、速やかに議事が進行します。ミーティングが必要なときに、必要なメンバーだけが集まり話し合えるため、業務効率が向上します。
発言しやすい雰囲気をつくりやすい
オープンミーティングスペースでは、会議室とは異なり発言しやすい雰囲気がつくりやすく、緊張しすぎることなく、自由に発言ができ、コミュニケーションが活発になります。
手軽に設置できる
オープンミーティングスペースは、会議室とは異なり、社内に空スペースさえあれば比較的簡単に設置できます。最も簡易的なパターンでは、空きスペースに椅子と机を置くだけで完成します。スペースさえあれば複数か所にも設置できますし、不要なときには、椅子と机を整理し、別の用途に転用できるなど、可変性や自由度が高いのもメリットのひとつと言えるでしょう。
オープンミーティングスペースを設置する際に考慮すべき点
オープンミーティングスペースは、従来の会議室のように閉鎖された空間ではないため、設置時に考慮すべき点もあります。ここでは、オープンミーティングスペース活用における課題について解説します。
会話を誰にでも聞かれてしまう
オープンミーティングスペースは、個室で区切らないため遮音性が低く、ミーティング中の会話を誰にでも聞かれてしまう可能性があります。機密事項などは、オープンミーティングスペースで話し合わないなど、ルールを決めて運用しましょう。
大人数の会議には向かない
オープンミーティングスペースは、大人数の会議には向きません。大人数の椅子・机、ミーティングに必要なプロジェクター・ホワイトボードなどの設置スペースを確保するのが難しいためです。また、オープンな空間では、大人数の場合、全員に声が伝わりにくいのも難点の一つと言えます。
オープンミーティングスペースの種類
実際に、オフィスにオープンミーティングスペースを設置する際は、コミュニケーションの種類に合わせて必要な設備を検討しましょう。
ここでは、「コラボレーションタイプ」と「報連相タイプ」の2種類のコミュニケーションのタイプに合わせたオープンミーティングスペースの設置例や特徴をご紹介します。
コラボレーションタイプのオープンミーティングスペース
コラボレーションタイプのオープンミーティングスペースは、時間や場所を決めて集中的にアイデアを出す時に使用します。
テレワークを実施しているなど、遠隔地のメンバーとコミュニケーションをとることが多い場合は、「オフィス⇔リモート」でアイデア出しをスムーズに行える、出たアイデアを見える化できるツールも整備しましょう。
コミュニケーションツールMAXHUBは、遠隔参加者はモバイル端末からメモの転送も可能で、タイムラグのない双方向コミュニケーションで意見交換が活性化し、意思疎通のスピードもアップします。
MAXHUBのことをもっと詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
設置例:ホワイトボードで緩やかに囲われたオープンミーティングスペース
ホワイトボードでゆるやかに囲われたコラボレーションスペース。外から議論の内容を垣間見ることができ、通りがかった社員の飛び入り参加も可能です。
設置例:テーブル付きチェアーで可変性の高いオープンミーティングスペース
テーブル付のチェアーを使うことで、人数の増減に対応しながら論議を活発化させコラボレーションしやすい設えとなります。
設置例:立ち会議型のオープンミーティングスペース
立ち会議は、活発な意見が生まれやすい、時間短縮になるといった効果があります。壁面はホワイトボードになっており、思考が途切れることなくたくさん書き込めます。
報連相タイプのオープンミーティングスペース
報連相タイプのオープンミーティングスペースは、日常的にスピーディーに打ち合わせを行うために使用する場です。話がしやすいようリラックスして話ができるしつらえを用意しましょう。
設置例:ソファを設置したオープンミーティングスペース
ゆったりと座れるソファタイプのオープンミーティングスペース。モニターを準備すれば、どこでもスピーディーに打ち合わせを始めることができます。
設置例:キャスター付きのテーブルを使用したオープンミーティングスペース
キャスター付きのテーブル・チェアーを使用する事によって人数の増減に対応しやすく、ワークショップやブレストなど、シーンにあったセッティングが可能です。
設置例:1on1タイプのオープンミーティングスペース
テーブルがカーブしていることで、話している人同士が真正面に向かい合うことを避け、話しやすい雰囲気を作ります。
設置例:半個室型のオープンミーティングスペース
周囲の視線から遮られている為、落ち着いて会話ができます。また収音性能を有したパネルで周囲を囲うことで、オープンなオフィスの音環境にも配慮した空間をつくることができます。
オープンミーティングスペースをつくる手順
オープンミーティングスペースを設置するときに検討すべきポイントについて、順を追って解説します。
1.使用目的を明確にする
オープンミーティングスペースをつくりたい理由や使用目的を明確にします。まずは、現在のミーティングスペースや会議室のどのような点に課題があるのか、解決策としてオープンミーティングスペースの設置が適切なのかどうかを検討しましょう。
2.設置場所・使用人数を決める
使用目的や使用人数、オフィス内の空きスペースなどを考慮し、設置場所を検討します。空きスペースがない場合には、座席のフリーアドレス化や書類削減など行いスペースを捻出しましょう。オープンスペースでのミーティングは、大人数には不向きであるため、周囲の環境によりますが、1か所あたりの利用人数は、最大6人くらいまでの少人数での利用をイメージしておくとよいでしょう。
3.レイアウトや家具を決める
オープンミーティングスペースのレイアウトを決めます。レイアウトが決まったら、家具・ツールなどを選定します。家具の選定によって空間の印象や使い勝手が大きく変わります。どのような空間にしたいのかイメージした上で色・素材・デザイン・機能などを検討しましょう。
アウトドアテイストのオープンミーティングスペース
リビングライクなオープンミーティングスペース
オープンミーティングの事例
コクヨマーケティング株式会社が手掛けた「オープンミーティングスペース」の事例をご紹介します。
3種類のオープンミーティングスペースを設置
マツナガ建設株式会社様は、誰もが気持ちよく働ける開放的なオフィスづくりを目指し、デザインやしつらえの異なる3種のオープンミーティングスペースを設置しています。
木に囲まれたミーティングエリアは、明るく開放的な雰囲気の中、快適にミーティングを行うことができます。また、ペーパーレスミーティングを実現するため、モニターを設置しました。
ソファタイプのエリアでは、リラックスしながらミーティングを行うことができます。
ハイテーブル・ハイチェアタイプのミーティングエリアも設置しています。ハイテーブルは、作業テーブルとして利用することもできます。
マツナガ建設株式会社様の納入事例はこちらのページでご紹介しています。
新しいアイデアを生み出す工夫を豊富に取り入れたミーティングスペース
日本特殊陶業株式会社様のオフィスでは、新たな働き方への挑戦とイノベーション創出を推進する拠点として、新しいアイデアを生み出す工夫が豊富に取り入れられています。座敷タイプのミーティングスペース、公園をテーマにデザインされたミーティングスペース、人数に応じてレイアウト変更ができるキャスター付きのテーブル・チェアーを採用したミーティングスペースなど、多様なミーティングスペースが設置されています。
座敷タイプのオープンミーティングスペースは、靴を脱いで、ゆったり足を伸ばして座るなど、執務スペースとは異なる姿勢で仕事をすることで、モードチェンジを促し、新しいアイデアを生み出すきっかけをつくる場となっています。
キャスター付きのテーブル・チェアを使うことで、人数や状況に応じて簡単にレイアウト変更ができるしつらえにしています。
公園をテーマにデザインしたオープンミーティングスペースは、植栽で自然を感じながらリラックスした雰囲気で打合せできます。
日本特殊陶業株式会社様の事例はこちらのページでご紹介しています。
オープンミーティングに適した家具・ツールの選び方
オープンミーティングのスペースに設置するとよい、家具・ツールの特徴と選び方について解説します。
ミーティングテーブル
ミーティングテーブルは、高さが変えられる昇降式のデスクやキャスター付きのデスクなど、様々なタイプのデスクがありますので、使用する人数・スタイルなどに合わせて選びましょう。また、設置する場所の雰囲気に適したデザインかどうかも重要です。ミーティングスペースを他の用途に転用する場合は、移動したり、コンパクトに片付けたりできる機能を備えたものを選ぶなど、デザインだけでなく用途に応じて機能も併せて検討しましょう。
ミーティングチェア
ミーティングチェアは、脚の形・張地の素材・座りやすさなどを考慮し選びましょう。椅子の種類によって、ミーティングスペースの雰囲気が変わります。ソファはゆったりとした姿勢で話し合いができ、立ち座りやすいミドルハイポジションのチェアーはアクティブな議論を促します。
ゆったりとした姿勢で話し合いができるソファタイプのオープンミーティングスペース(コクヨ METTI)
さまざまな動きにフィットし、よりアクティブな姿勢になれる昇降スツール(コクヨ Join)
ホワイトボード
ホワイトボードは、パーテーションとしても使用できます。パーテーションとしての使用を考える際は、縦長の形状のものがおすすめです。
パネル
吸音性能のあるパネルで周囲を囲うことで、オープンなオフィスの音環境に配慮した空間を作ることができます。
音環境に配慮したキャスター付きパネル(コクヨ fore moving panel)
モニター・ディスプレイ
4人以上が集まるスペースでは、モニターやディスプレイがあると便利です。モニター・ディスプレイも移動可能なものを用意すると可変性の高い空間をつくることができます。
オフィスコミュニケーションのすべてが詰まったオールインワンのコミュニケーションツール(MAXHUB)
スポットサウンドマスキング
仕切りの無いオープンミーティングスペースは、「周囲の音が聞こえやすい」、「話している人の声が目立ってしまいコミュニケーションが取りづらい」といった音に関する困りごとが発生するケースがあります。
そのような困りごとには、背景音(※)を整える必要があり、オープン空間の音対策には、手軽に設置できる「スポットサウンドマスキング」がおすすめです。「スポットサウンドマスキング」は、小規模空間にスポット的に導入することを想定した、取り付け工事不要(電源工事は必要)かつアンプが内蔵されているため簡単に設置できる露出型スピーカーです。
コクヨの従来のサウンドマスキングのノウハウを活かした音場構築技術を継承し、露出型スピーカーでも音が均一に降り注ぐ間接音方式を実現しています。リモコンでマスキング音やボリュームを設定できるため、空間に合わせた音対策が可能です。
※何も音のない空間でも空調など何かしらの音が発生しており、その場所に存在している音のこと
スポットサウンドマスキングについて詳しく知りたい方は、こちらのページも併せてご覧ください。
ポータブル電源
オープンミーティングスペースでは、執務席と異なり、固定電源が少ない場所に設置するケースもあります。そのような場合、充電式の「ポータブル電源」を活用することで、固定電源がない場所でも、ディスプレイを使用した会議やノートパソコンを使用したワークを、長時間行うことができます。(※使用時間は、接続する機器や台数で変動します)
ポータブル電源について詳しく知りたい方はこちらのページも併せてご覧ください。
働く場所をもっと自由にデジタルワークをサポートする電源供給アイテム
まとめ
必要なときに、すぐにミーティングが行える方法として、オープンミーティングが注目されています。少しの空きスペースと椅子・机があればつくれるオープンミーティングスペースは、発言しやすい雰囲気づくりができる、意思決定が速くできるなどのメリットがあります。会議におけるコミュニケーションを活発にするため、オープンミーティングを始めてみましょう。
コクヨマーケティングは、年間25,000件以上の豊富な実績から、お客様の働き方にあった空間提案を行っています。オフィス移転から移転後のオフィス維持・運用にいたるまでワンストップでサポートいたします。コクヨ社員が実際に働くオフィスを体感いただける「オフィス見学」を実施しています。ぜひお問い合わせください。
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