多くの企業が生産性のある働き方を意識するようになり、仮眠室の設置を検討するケースも増えてきました。この記事では、仮眠室のメリット・デメリットや、仮眠室の運用ルールを決める際のポイントについても解説するため、ぜひ参考にしてください。
仮眠室を会社に設置する背景
「業務中の眠気により、業務の質や効率が下がってしまう」「オフィスの中でゆっくり休める場所がない」という声を受け、生産性向上を目的とし、仮眠室の設置を検討する企業が増えています。また30分程度の短い睡眠は、業務の質向上につながると言われています。
仮眠室を会社に作るメリット
仮眠室を会社に作るメリットは「生産性が向上する」「従業員の健康維持につながる」「効果的に休憩できる」「会社のイメージアップにつながる」の4つがあります。以下では、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
生産性が向上する
会社に仮眠室があれば社員は必要に応じて休めるため、脳をリフレッシュさせられます。その結果、仮眠後の集中力が高まり、生産性の向上を期待できます。たとえ夜の睡眠時間を長くとっていても、昼食後は血糖値が上がるため眠くなりやすいです。眠気を感じたまま作業していると、思うように仕事がはかどらない可能性があります。そのようなときに仮眠室で短時間の睡眠をとれば、適度なリフレッシュとなり、仕事への集中力を高められます。
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社員の健康維持につながる
仕事が忙しい場合、社員が睡眠不足になっている可能性があります。特に残業が多ければ、夜に十分な睡眠をとれていない恐れがあるでしょう。睡眠不足が続くと心身の健康にも悪影響をもたらすリスクがあるため、注意が必要です。会社に仮眠室があると、仕事の合間に仮眠をとって健康維持につなげられます。心身がリラックスし、余裕をもって仕事ができるでしょう。
効果的に休憩できる
仕事の効率を上げるには休憩も必要です。会社に仮眠室があると体を横にして休めるため、より効果的に休憩できます。よって、仕事でのパフォーマンスも向上しやすいです。眠らないとしても、横になっているだけで疲労を和らげる効果は高くなります。同じ時間休憩するなら、単に椅子に座っているよりも、仮眠室で横になる方が高い効果を期待できるでしょう。
会社のイメージアップにつながる
仮眠室を設置することで、働きやすい環境を整えている企業だというアピールになります。イメージアップにもつながり、顧客からの評価も高まる可能性があります。また、社員を大切にしている企業というイメージができるでしょう。新しい人材採用や、人材の定着が難しい中で、新しく人材を募集する際も多くの応募が集まりやすくなるでしょう。
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仮眠室を会社に作るデメリット
仮眠室を会社に作るデメリットは「長過ぎる仮眠時間は生産性の低下につながる」「残業時間が増える可能性がある」の2つがあります。以下は、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
長過ぎる仮眠時間は生産性の低下につながる
仮眠室を設けて社員が長時間睡眠をとるようになった場合、かえって集中力が下がる恐れがあります。そうなれば、業務の生産性も低下するため、注意が必要です。仮眠室を設ける際は、仮眠室の利用時間についてもルールを設定する必要があるでしょう。従業員が仮眠する時間を適度に管理する必要があります。
残業時間が増える可能性がある
社員が仮眠室で仮眠すればその分だけ就業時間が後ろ倒しになり、残業が多くなる可能性もあります。仮眠のせいで残業時間を増やさないようにするには、仮眠室の利用時間をあらかじめ制限しておくとよいでしょう。集中力を高めるために必要な仮眠時間を考慮し、社員に仮眠室の利用時間に関するルールを共有しましょう。
仮眠室の運用ルールを決める際のポイント
仮眠室を会社に設ける際は、運用ルールを決めることで社員が気持ちよく使うことができるでしょう。主なポイントは「次に使う人のことを考えて利用する」「音の大きさに気を付ける」「利用時間を決める」の3つがあります。以下では、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
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次に使う人のことを考えて利用する
仮眠室は多くの社員が利用する場所です。使った後の掃除や整理整頓を徹底することで気持ちよく使える場所になるでしょう。例えば、「枕にはタオルを敷き、顔や頭が直接触れないようにする」「使った後は除菌スプレーをかける」「使った備品はもとの状態に戻す」など運用ルールを事前に決めるとよいでしょう。決めた運用ルールを周知するために、仮眠室の近くに掲示することも大切です。
音の大きさに気を付ける
仮眠室では、音の大きさについても対策が必要です。例えば、アラームを設定すると、仮眠室にいる他の社員の睡眠を妨げるだけではなく、執務室に音が漏れてしまい、他の社員の集中力を妨げる恐れもあります。バイブレーション機能を使うなど、周りの社員に配慮しましょう。またバイブレーション機能がついているアイマスクやリストバンドを活用する方法もあります。リラックス効果を求め音楽を聴く場合は、イヤホンの音が漏れないよう注意するとよいでしょう。
利用時間を決める
仮眠室の利用時間が長すぎると生産性の低下や残業時間の増加などの問題につながる恐れがあります。そのため、仮眠室を会社に設ける場合、利用時間を明確に定めることをおすすめします。集中力を高めるために必要な時間を確保しつつ、残業を増加させないよう調整しましょう。
仮眠室を作る際のポイント
仮眠室を作る際は、「執務スペースから離れた場所に作る」「眠りやすい環境を整える」の2つのポイントを意識しましょう。以下のポイントを意識しましょう。以下では、仮眠室を作る際のポイントを詳しく解説します。
執務スペースから離れた場所に作る
執務スペースから離れた場所に仮眠室を作ることで、仕事とリフレッシュの区切りをはっきりさせられます。また、人通りが少なくて静かな場所がおすすめです。それにより、緊張をとりやすくなり、良質な睡眠がとりやすくなるでしょう。さらに、仮眠室では1人ひとりのスペースを分けることも効果的と言われています。
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眠りやすい環境を整える
仮眠室は眠りやすい環境を意識して整備しましょう。執務スペースと同じような空間では、なかなかリラックスできません。その場合、仮眠室を設置しても利用率が上がらない可能性があります。また、家具や照明にこだわることで、より居心地の良い空間となり、ゆっくり休める雰囲気になるでしょう。
仮眠室に置く設備の例とは
仮眠室にはどのような設備を用意すればよいのでしょうか。ここでは、仮眠室の設備の例を紹介します。
リクライニングソファ
リクライニングソファは、角度を調整できるソファです。完全に横になるわけではないため、仮眠にも活用できます。また、頭の周りを遮音パネルで囲み、睡眠に集中できるようにする方法もあります。
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ホワイトノイズ
ホワイトノイズとは、海の波や川の流れなど自然界の音のことです。ホワイトノイズをかけると雑音が聞こえにくくなり、眠りやすくなるといわれています。音漏れに注意しつつホワイトノイズを活用すれば、より心地よい仮眠室になります。
まとめ
仮眠室を会社に設けると、さまざまなメリットがあります。実際に設置する際はデメリットをカバーするための対策も取り入れる必要があります。仮眠室の効果を理解し、従業員がうまく使いこなせるような空間を作りましょう。
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