社内の打ち合わせや会議など、ミーティングスペースはさまざまな役割を果たします。ミーティングスペースは、目的に合わせた仕様で設置することが大切です。今回はオフィスにミーティングスペースを導入したい方に向けて、注意点や設置方法、事例を解説します。自社に最適なミーティングスペースを整えるヒントにしてください。
ミーティングスペースとは
ミーティングスペースは、社内コミュニケーションをはじめ多様な用途のために設置されます。
オフィスで働く人が自由に発想できるようカジュアルな雰囲気にするケースや、1on1、ブレインストーミングに対応したミーティングスペースも増えています。
ミーティングスペースと会議室の違い
ミーティングスペースと会議室は、使う際の目的が異なります。
ミーティングスペースの利用目的:情報交換、思考共有、新しいアイデア出し
会議室の利用目的:議論、協議、意思決定、方針決定
アイデア出しや情報共有が目的のミーティングは、広く参加者を募るケースが多く、一方、会議は意思・方針決定が目的であり、参加者も意思決定に関わる方に限られる傾向が強いです。
会議室についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
ミーティングスペースは4種類に分けられる
ミーティングスペースは空間の仕切り方と会議スタイルにより、4種類に分けられます。それぞれの特徴とメリットを解説します。
オープンスペースかクローズドスペースか
オープンスペースは、壁や間仕切りに囲まれていないミーティングスペースです。ワークスペースの一角や通路脇などに設置されます。開放的な空間が、気軽なセッションやコミュニケーションを促します。
クローズドスペースは、四方を仕切られたミーティングスペースです。従来の会議室をイメージしてください。音漏れしにくく、機密性が保たれるメリットがあります。
座るスタイルか立つスタイルか
テーブルを置き、椅子に座ってミーティングをするスタイルは、パソコンと資料を広げてじっくりミーティングをしたい場面に向いています。
一方、参加者が立ったままミーティングを行うスタイルは、スタンディングと呼ばれます。テーブルだけを置き、椅子は配置しません。短時間の打ち合わせをスピーディーに進めたいときに向いています。
スタンディングミーティングについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
ミーティングスペースによって得られるメリット
オフィスにミーティングスペースを設置することで得られる、3つのメリットを解説します。期待する効果が得られそうか、チェックしてみてください。
思い立ったときにすぐミーティングを始められる
オフィス内に手軽に利用できるミーティングスペースを設置することで、相談事や協議事項が発生した時にすぐ利用できます。
オフィス内に設えのことなる複数のスペースを用意しておくと、利用人数や目的に応じて自由に選べるので利便性が向上します。スピード感が必要なアイデア出しや情報共有をタイムリーに実施できるため、仕事の効率が上がります。
また、ワークスペースに近い場所にミーティングスペース設置することで、メンバー集めや移動に手間がかからず、より機動的なミーティングが実現します。
ミーティングに適した環境で闊達な意見交換ができる
ワークスペースには置きづらいホワイトボードやモニターなどの会議用ツールも、ミーティングスペースならば設置可能です。記録を取ったりアイデアを共有したりしながら打ち合わせすることができ、ミーティング後の内容共有もスムーズに行えます。
また、ミーティングスペースは、会議室より気軽に話せる雰囲気を作りやすい点もメリットです。誰でも発言しやすく、斬新なアイデアの登場も期待できます。
ミーティング以外の用途にも活用できる
ミーティングスペースは、本来の用途であるミーティング以外にも、さまざまな用途に活用できます。スペースの有効活用と働く環境の改善が同時にかなえられるでしょう。
ミーティングスペースの用途例を、以下にまとめました。
・リフレッシュルーム
・ランチルーム
・フリースペース
他の用途と兼用する場合には、例えば「お昼休憩中(12:00~13:00)はランチタイム利用の方を優先する」など運用ルールを事前に決めておきましょう。
オフィスの運用ルール策定の際は、以下のフォーマットを参考にしてみてください。
ミーティングスペースの作り方
ミーティングスペースを導入する方に向けて、失敗しないミーティングスペースの作り方を解説します。
ミーティングスペースの主な目的・用途を決定する
はじめに、ミーティングスペースの主な利用目的や用途を決めましょう。目的と用途により、最適な面積と必要な設備が明確になります。気軽なコミュニケーションには、オープンスペースが適しています。機密性の高い情報を扱う場合は、クローズドな空間にしましょう。
ミーティングスペースの最適な位置を決定する
目的と用途が決まったら、最適な位置を選びましょう。ミーティングスペースが具体的に利用されているシーンを想起すると、位置を決めやすくなります。従業員の同士の気軽な打ち合わせ用なら、ワークスペースの近くが良いでしょう。来客対応に使いたい場合は、エントランスの近くがおすすめです。
ミーティングスペースの内装やインテリアを決定する
ミーティングスペースの内装やインテリアは、使う方のパフォーマンスに影響します。目的と用途に合わせてカラーや照明、オフィス家具を選定しましょう。
社内にミーティングスペースについて周知し活用を促す
ミーティングスペースを設置したら社内に周知し、積極的な利用を促しましょう。同時に「ミーティングスペースを設置した狙い(期待する利用目的)」や「使い方とルール」を周知すると利用促進につながります。
ミーティングスペース設置時のポイント
ミーティングスペース設置時のポイントを2つご紹介します。各ポイントを詳しく解説します。
ミーティングスペースからの周囲の音漏れに十分配慮する
オープンミーティングスペースは、話している内容が周囲に筒抜けになります。機密性の高い情報を扱う可能性があるミーティングスペースは、クローズドにする配慮が必要です。
また、オープンスタイルのミーティングスペースを作る場合には、周囲への音漏れ対策としてサウンドマキシングシステムの導入がおすすめです。サウンドマスキングシステムとは、音によって特定の音を妨害し、話し声を聞こえにくくする仕組みです。これにより、オープンな空間でも「話している内容が周囲に筒抜けになってしまう」という問題を解消できます。
サウンドマスキングについて詳しく知りたい方は、こちらのページも併せてご覧ください。
異なるタイプのミーティングスペースを複数設置する
異なるタイプのミーティングスペースを複数用意すると、ミーティングの目的に応じて使い分けができるので、オフィスの利便性が向上します。
カジュアルなやり取りのなかでアイデア出しをしたいなら、オープンな空間が向いています。秘匿性の高い内容を扱うミーティングでは、コクヨのワークポッドがおすすめです。オープンスペースに、手軽に周囲から独立した空間を作れます。
また、報告・相談やプライバシーへの配慮が必要な場面では、半個室型のミーティングスペースがおすすめです。
活用されるミーティングスペースのアイデア4選
活用されるミーティングスペースにするために、取り入れたいアイデアを4つ紹介します。
オフィスの中央に配置
ミーティングスペースを、あえてオフィスの中央に配置するのもおすすめです。オフィスの中央にミーティングスペースがあることで、どの部門の従業員も立ち寄りやすい空間にできます。
昇降式デスクを設置
ミーティングスペースに、高さ調節ができる昇降式デスクを配置したアイデアです。
昇降式デスクは、着座とスタンディングを簡単に切り替えられる点がメリットです。時間をかけて話したいときは着座で、スピーディーに進めたいときはスタンディングでと、効率を意識して使い分けられます。
アウトドアテイストの家具を用いる
ブレインストーミングなどアイデア出しを目的としたミーティングでは、新奇なアイデアを出しやすくする仕掛けを施しましょう。参加者の気持ちをリラックスさせ、カジュアルな意見交換を可能にするには、アウトドアテイストの家具がおすすめです。コクヨの「inGreen(イングリーン)」は、あえてオフィスと対極にあるアウトドアで余暇を過ごすような雰囲気を想起させ、自然体でコミュニケーションができるワークスタイルを目指した家具シリーズです。アウトドアの臨場感を感じるテーブル、ベンチ、ウッドデッキ等は、フレッシュな印象と肌触りのある素材使いで、臨場感のある空間を構成できます。
人数の増減に合わせて組み換え可能な家具を使用する
人数に合わせてフレキシブルに組み換えできるタイプの家具を置くことで、レイアウトの自由度が高いミーティングスペースをつくることが可能となります。コクヨのオフィス家具「Any way(エニーウェイ)」シリーズは可動性が高く、ミーティングの目的に合わせて最適なレイアウトを手軽に実現できます。機動性と豊富なカラーリング、シンプルなデザインが特徴の家具シリーズです。
また、移動可能なポータブル電源を搭載したモバイルディスプレイやモバイルカートを併せて活用することで、固定電源が少ない場所でも、ディスプレイやノートPCを使用したワークを快適に行うことができます。
ミーティングスペース設置事例
ここからは、これまでにコクヨマーケティングが手掛けたミーティングスペースの設置事例を、4つ紹介します。
セミオープンな1on1スペースとオープンなミーティングスペースを設置
株式会社LIFULL様のオフィスでは、オフィスコンセプト「Holiday office」を実現するため、休日に好きな場所に行くように、会社でも場所を選んで自発的働けるよう、さまざまな形態のミーティングスペースを設置しました。オフィス内にあるセミオープンな1on1ブースは、気軽に利用できる適度な開放感があります。ひと目で空きが確認できるため、突発的なミーティングにも対応可能です。オープンミーティングスペースも豊富に配置し、目的によって使い分けできます。
【関連事例】株式会社LIFULL様 会社に行くことが楽しみに。社員が幸せになれるオフィス
ワークスペースの中心にミーティングスペースを設置
新田ゼラチン株式会社様のオフィスは、オープンタイプのミーティングスペースをワークスペースの中心に配置しています。従業員の方が「集まりたいときにすぐ集まれる」「活発な意見交換ができる」ことを目指しました。
また、ミーティングスペースの雰囲気を柔らかくし、リラックスできるよう温もりを感じる木目調のデスクを採用しました。アイデアの創出や情報共有がしやすくなるよう、モニターとホワイトボードも設置しています。
【関連事例】新田ゼラチン株式会社様 社員満足度の高いオフィスを目指して
WEBミーティングから複数名のミーティングまで対応したミーティングスペース
西日本高速道路エンジニアリング九州株式会社様は、オフィス内に空きスペースを有効活用したミーティングスペースを設置しました。さまざまな用途に利用できるよう、ミーティングスペースのバリエーションが豊富な点が特徴です。webミーティングもできる個室ブース型の家具(コクヨ・ワークポッド)や、複数人にも対応したミーティングスペースなどがあります。
【関連事例】西日本高速道路エンジニアリング九州株式会社様 社内若手メンバーPJによるリフレッシュルームとミーティングスペース構築
社員の憩いの空間としても活用されているミーティングスペース
日本エンジニアリング株式会社様のオフィスは、250平米以上のラウンジエリアを誂え、ミーティングスペースと兼用されています。「社員ファースト」のコンセプトのもと、ミーティングスペースの中央にはシンボルツリーを設置、憩い空間となっています。家具の種類も豊富に設置しました。大きなテーブル席は大人数のミーティングに、ボックスシートは1on1にと使い分けができます。やぐらが付いたエリアは「ファミレスコーナー」と命名し、社内外問わず、多くの方に愛される場所となりました。
【関連事例】日本エンジニアリング株式会社様の 社員ファーストのオフィス空間構築
まとめ
ミーティングスペースは気軽な打ち合わせやアイデア出し、情報共有を目的としたものなど、多様に活用できます。設置したスペースを有効活用するには、目的の明確化と目的に適した誂えが欠かせません。
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