社内図書館とは、企業が準備した本を自由にレンタルできるスペースです。
社内図書館では、閲覧や読書、資料の共有などができます。この記事では、社内図書館を設置するメリットや導入の際の注意点、効率よく運用するポイントなどを解説します。企業の経営者の方やファシリティ担当者の方に向けて、詳しく解説していますので、社内図書館の設置を検討する際の参考にしていただけますと幸いです。
社内図書館とは
社内図書館とは、企業が準備した本を、従業員が自由に利用できるスペースです。
社内図書館で利用できる本には、自己啓発本や業務に関連する専門書、資格勉強用のテキストなど、多くの種類があります。また、決まったスペース内で読む場合や、本を貸し出す場合など、さまざまな運用方法があります。
社内図書館を設置する目的とは
企業が社内図書館を設置する目的は、主に3つです。以下で、それぞれについて解説します。
業務に必要な能力を高める
社内図書館の設置には、従業員の業務に必要な能力を高める目的があります。従業員は、社内図書館にある専門書を読み、業務に関するスキルや専門知識などを学べます。また、業務に役立つ資格試験に特化したテキストもあるため、資格取得に必要な知識も身につけられます。問題解決に役立つノウハウが書かれた本を利用して、業務への活用も可能です。
知識や教養を身につける
社内図書館にある本をきっかけに、従業員は新しい知識や教養を身につけられます。社内図書館には、従業員自ら興味・関心のある分野の本を読み、知識を深めるという目的があります。本を通して視野が広がり、新しく得た知識を業務に活用できるでしょう。また、同じ業界だけではなく、ほかの業界や分野の知識を身につける効果も期待できます。
自社の資料を保管する
過去に作成した計画書や企画書、報告書などを保管するのも、社内図書館を設置する目的の1つです。保管したさまざまな資料は、事業に関する情報として業務に役立つ可能性があります。資料の保管に社内図書館を利用する場合は、自社の資料が保管されていることを、従業員に周知・共有する取り組みが大切です。
社内図書館を設置するメリット
社内図書館を設置する主なメリットは7つです。従業員のスキルやモチベーション、働き方などについて、多くのメリットがあります。主要なメリットを解説します。
知識の共有ができる
社内図書館は、社内で知識を共有するきっかけとして活用可能です。社内図書館には、業務に関連する専門書や資格勉強用のテキスト、自己啓発本などのさまざまな本があり、本から得た知識やアイデアは、チームや部署に共有できます。知識を共有する機会が生まれ、チームや部署全体で、新しい知識の習得やスキルアップを実現し、生産性向上にも効果を発揮します。
出社のきっかけになる
社内図書館の設置は、従業員の出社を促す取り組みとして、効果的です。社内図書館やカフェスペースといった付加価値のある空間が社内にあれば、従業員が快適に働けるため、出社するきっかけになります。従業員の働きやすい環境づくりは、企業のブランディングにも効果を発揮するでしょう。
創造性のある働き方になる
社内図書館で出会った本によって、より創造性のある働き方を生み出す可能性があります。自分になかった知識や着想が得られて、新しいアイデアにつながれば、業務に活用できます。また、企業や事業のさらなる発展にもつながるでしょう。社内図書館は、新しいアイデアを生み出すきっかけをつくり、従業員の創造性のある働き方を促します。
モチベーションが高まる
社内図書館の設置は、従業員のモチベーション向上に役立つ取り組みです。仕事に対するモチベーション低下の改善や、気持ちを切り替えるためのリフレッシュに活用できます。業務の合間や休憩時間に利用できる点も、メリットの1つです。また、社内図書館にある本をきっかけに、仕事で生じた問題や課題の解決に役立つヒントを得られる場合もあります。
コミュニケーションが活発になる
企業が社内図書館を設置するメリットの1つは、コミュニケーションの活発化です。社内図書館は、普段は関わりが少ない、異なる部署の従業員とコミュニケーションを取れる場所になります。役員や上司が選んだ本を並べるスペースをつくれば、本を通して、上司や従業員同士のコミュニケーションが生まれるでしょう。
生産性が上がる
社内図書館の設置は、生産性向上に効果的な取り組みです。自社事業の情報誌や業界誌、関連書籍などをそろえることで、社内全体に情報や知識を共有しやすくなります。従業員のなかでも、特に中途入社や新卒の従業員の知識習得に役立ちます。
部署やプロジェクト別に、業務で役立つ本を用意しておけば、情報を調べる時間が短くなり、業務効率と生産性の向上が期待できるでしょう。
社内図書館の設置の流れ
社内図書館を設置するには、大きくわけると4つの段階があります。以下で、それぞれについて解説します。
どのような図書館にするか検討する
社内図書館を設置する際は、はじめに目的を明確にしましょう。社内図書館を設置する目的が決まれば、本の種類や内容も定まります。目的を検討する際には、利用する部屋や用意できる予算などもまとめて確認しておきましょう。
運用ルールを決める
社内図書館の具体的な運用ルールを検討します。貸し出す冊数の上限や期間など、貸し出しに関するルールや、社内図書館の利用に関するルールを決めましょう。また、社内図書館を管理する担当者の検討も大切です。
社内図書館の設置場所を検討する
運営方針が決まったら設置場所を決めましょう。
多くの人に利用してもらえるよう「人の往来が多いメイン導線沿いに設置する」、「休憩中に手軽に書籍を手に取れるよう食堂やリフレッシュスペースに設置する」など運営方針や目的に沿って設置場所を検討しましょう。
書籍を置く棚を設置する
設置場所の検討と共に、書籍を置く棚を用意しましょう。書棚は、視線が抜けるデザインの家具を選ぶと空間に圧迫感を与えることなく空間をゆるやかに仕切ることができるのでおすすめです。
社内図書館を設置する際の注意点
コンセプトを明確にする
社内図書館を設置する際は、主となる目的を明確にしましょう。目的が業務関連の知識習得であるのか、従業員のコミュニケーションの活発化であるのかで、揃えるべき本は異なります。また、社内図書館をオフィスのアクセントにするなら100~300冊程度でも可能ですが、長時間の利用には、広いスペースに1,000冊以上の本を並べるのが望ましいでしょう。
利用してもらえる本をそろえる
社内図書館には、従業員に利用してもらいやすい本を並べます。社内図書館に並べる本は、取り組みの効果を左右する重要なポイントです。単に本を並べただけでは、十分に効果を発揮できません。従業員から要望があった本や、自社の業務に役立つ本などをそろえましょう。業務の合間のリフレッシュとして小説や漫画など、業務に関係のないものを並べるのもおすすめです。
本の保管や管理に気を配る
社内図書館の運用が始まったら、本棚が乱れないように注意が必要です。本棚が乱れた状態では、本を手に取りにくく、快適な利用環境を維持できません。定期的なメンテナンスをして、利用しやすい環境を維持しましょう。メンテナンスの際に本を並べ替えたり、入れ替えたりすれば、利用者に新鮮な印象を与えます。紙の資料や古い資料は、カビ対策も重要です。
社内図書館を効率よく運用するためのヒント
社内図書館を効率よく運用するには、一気に大掛かりなものを設置するのではなく、小さなスペースから始めるのがおすすめです。
以下で詳しく解説します。
小さなスペースから始めてみる
社内図書館を設置する際は、小さなスペースからの運用がおすすめです。専用スペースの確保や本棚の用意はせずに、オフィスの一角に設置すれば、手間と時間を最小限に止めて、手軽に運用できます。100冊程度の本を用意して、インテリアを兼ねた運用をする方法もおすすめです。新しく購入するのではなく、社内にすでに置いてある本を並べるのもよいでしょう。社内の評判や活用度に合わせて内容の見直しやスペースの拡大などを検討しましょう。
まとめ
社内図書館とは、企業が準備した本を、従業員が自由に利用できるスペースです。自己啓発本や業務に関連する専門書、資格勉強用のテキストなど、さまざまな本があります。社内図書館を設置する際は、目的を明確にして、具体的な運用ルールを定める動きが大切です。
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