近年、新しいオフィスのあり方として、タッチダウンオフィスが注目されています。タッチダウンオフィスとは、テレワークをしている社員や、出張者や出先の社員が一時的に仕事をする際に使用するオフィスのことです。この記事では、タッチダウンオフィスのメリットや注意点、作り方などについて解説しています。導入をご検討される際は、ぜひ参考にしてください。
タッチダウンオフィスとは
タッチダウンオフィスとは、外出中や出張中の社員が、パソコン作業や書類のチェック・印刷など、一時的に仕事をするためのスペースです。そのため、基本的には社外でかつ近くに自社の拠点がないところに設置されます。営業の合間での利用が中心であることから、大部分は利便性の高い駅の近くに設けられています。
オフィス内にタッチダウンスペースとして設けられるケースも増えており、出張者や他の拠点の社員が一時的に仕事をするための場所であるとともに、部門をまたいだ社員同士のコミュニケーションの場としても活用されています。
タッチダウンオフィスの目的
タッチダウンオフィスの目的は、一時的にオフィスとして利用できる場所を確保することです。そのため、デスク・イスなど仕事ができるスペースや通信環境、複合機など、仕事をしやすい環境が整えられています。
タッチダウンオフィスのメリット
タッチダウンオフィスを導入する企業が増加しています。ここでは、どのようなメリットがあるのかについて解説します。
移動時間を短縮でき仕事を効率化できる
外出先の近くにタッチダウンオフィスが設置されていると、社員は外出の合間や顧客訪問前のスキマ時間を業務時間にあてることができるようになるため、業務効率の向上が期待できます。わざわざオフィスへ戻ることもなくなり、移動時間の短縮も期待できます。また、カフェやコワーキングスペースを探す時間も削減できます。デスクや事務用品、ネットワーク回線などの環境が整っているため、作業効率も上がるでしょう。
気分転換になる
働く場所の分散が注目されている中、通常のオフィスや在宅勤務のほか、タッチダウンオフィスが働く場所の選択肢として増えることで、社員はその日の業務内容や予定にあわせて働く場所を選ぶことができるようになります。在宅勤務でも、家族がいることで逆に業務に集中できないケースもあります。毎日同じ場所で働くよりも、働く場所を一時的に変えることで景色が変わって気分転換になり、集中力の向上が期待できます。
社員間のコミュニケーションが増える
近年はテレワークの増加により、社員間のコミュニケーション減少が問題になっています。タッチダウンオフィスは、社員が自由に出入りできる環境のため、普段は他のオフィスや部署で働いている社員と顔を合わせる場面が増加します。さまざまな部署の社員が同じ場所で働くと、コミュニケーションが活性化し、新たな発見や発想を生み出すという効果が期待できます。
タッチダウンオフィスのスペースを多方面で活用できる
タッチダウンオフィスは、仕事や気分転換にしか活用できないわけではありません。少人数で打ち合わせをする、短い休憩を取る、同僚とのコミュニケーションをとるといった場所としても活用できます。1人でも利用しやすいカウンター席やカジュアルなテーブル席、自動販売機などを設置すれば、より気軽に利用しやすくなるでしょう。
通常のオフィス内にタッチダウンスペースを設置する場合は、多くの人に利用してもらうためにも、オフィスの出入り口付近や部署間の通路付近が適しています。
感染症対策に有効
感染症対策に有効であることも、タッチダウンオフィスが注目を集める理由の1つです。社外に数か所オフィスを用意すると、分散勤務も実現できます。さらに在宅勤務、時差出勤などを組み合わせることで、社員を分散しつつ業務を回すことができます。社員が分散して業務することで、感染症の流行で業務がストップするリスクを軽減できるでしょう。
タッチダウンオフィスを導入する際の注意点
タッチダウンオフィスには多くのメリットがある一方で、注意すべき点もあります。どのようなことに注意すればよいのかを解説します。
設置費用が利用者数に見合うものか明確にする
タッチダウンオフィスを社外に設置すると、敷金や必要な備品など、はじめにある程度まとまった費用がかかります。その後も、月々や年間でさまざまな費用が必要です。
利用する社員の数や、利用頻度を事前に想定し、費用を上回る効果が得られるかについて考えましょう。利用される回数が少なく、コストばかりがかかるのであれば、設置するメリットは少なくなります。
セキュリティリスクの増加
タッチダウンオフィスを社外に設けると、セキュリティリスクが増加します。会議の音漏れによる情報漏洩や、パソコンを覗かれることによるIDやパスワードの盗難などに気をつけなければなりません。設置の際には、事前にセキュリティルールの設定や、リスクを回避する仕組みの導入を検討しましょう。
タッチダウンオフィスの作り方
タッチダウンオフィスを設けるにはどのような工程が必要であるのかを、手順を追って解説します。
1.タッチダウンオフィスを設置する場所を決める
はじめに、タッチダウンオフィスを設置する場所を決めましょう。社外であれば駅の近くなどアクセスが良い場所や、社員がよく訪問するエリアが良いでしょう。社内であれば、さまざまな部署の人が通る場所への設置がおすすめです。オフィスの出入り口付近や部署と部署との間であれば、気軽に利用しやすくなります。
これまで活用できていなかった意外な場所を、有効活用できる可能性もあります。設置する場所が決まったら、デスクや自動販売機を置くスペースを確保します。
2.必要な備品を用意する
タッチダウンオフィスとして使えるように、必要な備品を用意します。仕事のできるスペースであることを前提としているため、デスクやイス、電源コンセント、通信環境は最低限必要です。広いスペースが確保できれば、プリンターやコピー機、自動販売機を設置すると便利です。
業務内容によっては、資料を保管できる棚や収納があると役に立ちます。打ち合わせをする際に、その都度持ち運ぶ手間が省けるでしょう。
3.必要な家具を設置する
タッチダウンオフィスを設ける主な目的に応じて、用意する家具を決めましょう。集中して仕事をすることが目的の場合、スタンダードなデスクとイスを用意します。スキマ時間の活用がメインの場合は、立って作業ができる高さのデスクやカウンターがあるとよいでしょう。カウンターはコミュニケーションをとる際にも向いています。また、社員間のコミュニケーションや打ち合わせに活用する場合には、複数人が利用できる大きなテーブルやイスが必要になります。
4.社員に告知する
タッチダウンオフィスが完成したら、社員に告知しましょう。気軽に活用してもらうためには、設置の目的や利用方法、場所などをわかりやすく告知しなければなりません。利用者を増やすためには細かなルールは設定せず、空いている場合はいつでも利用できる雰囲気のスペースにすることが理想です。
スペースや費用を削減できるレンタルスペースで代用してもよい
タッチダウンオフィスを設けようとしても、スペースや初期費用の問題で早期の実現は難しいことがあります。その場合には、レンタルスペースを活用してみましょう。レンタルスペースをタッチダウンオフィスとして利用し、どれほどのニーズがあるのかを確認します。ニーズがあるとわかったうえで正式に設置すると、失敗しにくくなります。
まとめ
タッチダウンオフィスは、一時的な仕事の場として利用できる場所です。仕事だけではなく、社員間のコミュニケーションや打ち合わせの場として利用できるため、導入する企業が増えています。
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