事務所開設のポイント|チェックしておきたい開設の流れや準備するべきアイテムなど紹介

新しく事務所を開設する場合、どのように準備を進めればいいのでしょうか。
この記事では、新規に会社を設立して事務所を開設することになった方に向けて、一般的な流れや必要な手続きをご説明します。


本コラムでは、事務所開設に伴う各種手続きについてご紹介しています。
本情報は一般的解説を目的としており、個別の法的助言ではありません。
記載されている情報は作成時点のものであり、法令改正等により変更される可能性があります。最新の正確な情報については、各管轄機関にお問い合わせください。当社は本情報利用による損害について責任を負いかねます。
具体的な法的判断・行動は、必ず適切な専門家にご相談ください。


事務所の新規開設時に行うべきこと

ここでは、事務所を新規開設する際に何を行うべきか解説します。

事務所の立地と必要面積を考える

まずは、事務所の立地や面積について考えましょう。
コクヨの調査データでは、300名以下のオフィスにおける一人当たりのオフィス面積は約10.5㎡とされています。
フィジカルディスタンスを確保する場合には、通路幅や机間の距離に余裕をもって設計する必要がありますので、
10.5㎡+αのスペースをみておくと安心です。
従業員の人数に応じて、必要なオフィスの面積の目安を算出しましょう。
また、賃貸物件であれば、利便性だけでなく賃料とのバランスも検討すべきです。
必要な面積や条件を満たすかどうかチェックしつつ、予算にも配慮しましょう。

オフィスの一人当たりの面積は?働きやすいレイアウトやポイントも紹介 | コラム | オフィス移転・レイアウト・デザイン | コクヨマーケティング

必要なオフィス機器や備品などをリストアップする

事務所を新しく開設するためには、様々なアイテムが必要です。
どのようなオフィス機器や備品などが必要か考え、用意すべきものをリストアップしましょう。
事務所の新規開設時に必要となる具体的なアイテムについては後述するため、あわせて確認してください。

【成功事例から学ぶオフィスデザイン3選】空間コーディネートのポイントを解説 | コラム | オフィス移転・レイアウト・デザイン | コクヨマーケティング

壁面に向かってデスクが並んでいるオフィス

事務所開設までの流れ

ここでは、事務所開設までの具体的な流れを解説いたします。

会社の基本事項を決定する

事務所を開設するに、基本事項を決定する必要があります。
まずは事業計画書を作成し、開業する目的や今後の方針を考えましょう。
事業計画書の作成は義務ではありませんが、運営を成功させるために作成することをおすすめします。
また、事務所の商号も決定します。登記する住所・資本金・決算日・目的などを確認し、
スムーズに手続きを進められるように準備しておきましょう。

必要な書類を準備する

新しく事業を始めるために事務所を開設する場合は、会社の設立に必要な書類を準備しましょう。
個人事業主として事業を始めるなら、管轄の税務署に対して開業届を提出します。
一方、法人として起業するなら、会社を登記するための書類が必要です。
それぞれ用意すべき書類が異なるため、よく確認して準備を進めてください。

公証人による定款の認証を行う

株式会社を設立する場合は、公証役場の公証人による定款認証手続きが必要です。
本店を設置する都道府県の公証役場で手続きを行いましょう。
なお、公証人による認証を受けるためには、事前に様々な調整をしなければなりません。
まずは公証役場に相談し、日程や定款案などについて調整する必要があります。

公的機関への各種届出を行う

事務所を開設するためには、管轄の法務局に対する届出が必要です。
具体的にどのような届出が必要であるかについては次のテーマで説明いたします。

書類を持って微笑むスーツ姿の男性

事務所開設時に必要な公的機関への届出

事務所開設時に必要な届出は、事業の形態や従業員数などによっても異なります。
ここでは、必要な届出の一例を紹介いたします。

登記の申請

登記の届出をするには、株式会社設立登記申請書や株式会社本店移転登記申請書などが必要です。
新しく会社を設立する場合、設立から2週間以内に申請手続きを行いましょう。申請先は法務局です。
なお、申請の際には株主総会議事録や定款などもあわせて提出します。忘れずにあらかじめ用意しておいてください。

※参考:商業・法人登記の申請書様式|法務局

税金に関する手続き

①法人設立届出書

法人設立届出書は、管轄の税務署と自治体に提出します。税務署への提出は、会社の設立から2ヵ月以内です。
自治体への提出も会社の設立から2ヵ月以内となっているところが多いです。
なかには、期限が異なったり、法人設立届出書の提出が必要なかったりする自治体もあるため注意しましょう。

※参考:[手続名]内国普通法人等の設立の届出|国税庁

②青色申告承認申請書

確定申告において青色申告を行うためには、税務署に対して青色申告承認申請書を提出しなければなりません。
青色申告によって申告書を提出しようとする事業年度開始の前日までに行いましょう。
事業年度によって提出時期が異なるため、詳しくは国税庁のホームページで確認してください。

※参考:[手続名]青色申告書の承認の申請|国税庁

③給与支払事務所等の開設届出書

事業を開始して給与を支払う場合は、給与支払事務所等の開設届出書も提出する必要があります。
給与を支払う対象は自分自身も含む点に注意しましょう。給与支払事務所等の開設届出書の提出先も税務署です。
提出期限は、開設の事実があった日から1ヵ月以内とされています。

※参考:[手続名]給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出|国税庁

④源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書は、給与を支払う従業員が常時10人未満であり、
源泉徴収した所得税および復興特別所得税を年2回にまとめて納付する特例を受ける場合に提出が必要です。
特例を受けたいと考えている月の前月末までに、税務署へ提出しましょう。

※参考:[手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請|国税庁

⑤社会保険に関する届出

健康保険および厚生年金保険の新規適用届も提出します。会社を1人で設立する場合でも、必ず提出しなければなりません。
提出先は、実際に事業を行っている事務所の所在地の年金事務所となります。
社会保険に関する届出は事務所を設立してから5日以内に行う必要があるため、忘れないうちに早めに対応すべきです。
なお、提出時には法人(商業)登記簿謄本も添付します。
提出書類などの詳しい内容は、日本年金機構のホームページで確認してください。

※参考:新規適用の手続き|日本年金機構

⑥雇用保険や労災保険に関する届出

雇用保険や労災保険の手続きも必要です。
まずは管轄の労働基準監督署または公共職業安定所に「労働保険名称、所在地等変更届」を提出します。
登記簿謄本の写しの提出が求められる場合もあります。
それから、事務所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に対して、
営業許可証や登記事項証明書などとともに「雇用保険事業主事業所各種変更届」を提出しましょう。
いずれも提出期限は、変更のあった日の翌日から10日以内になります。

※参考:雇用保険事業主事業所各種変更届|ハローワークインターネットサービス
※参考:適用事業所に関するQ&A|東京ハローワーク

高層ビルがたくさんある街の様子

事務所開設時に必要な設備

事務所を開設する際は様々な設備が必要です。ここでは、主な設備を紹介いたします。

電話・FAXの開設

事務所で使用する電話やFAXを開設するための手続きが必要です。
工事を依頼する業者を選んだり、事務所内のレイアウトに応じて配置を決めたりします。
電話やFAXの運用方法を考えながら開設の準備を進めましょう。
工事は事務所を開設する日程に合わせてスケジュールを調整してください。

オフィス移転の際の電話移設|注意点まで解説 | コラム | オフィス移転・レイアウト・デザイン | コクヨマーケティング

社内ネットワークの開通

有線LANや無線LANをどのように使用するか検討し、開通の手配を行います。
事務所のレイアウトやパソコンの台数などをもとにし、業者に相談しながら最適な工事の方法を提案してもらいましょう。
電話やFAXと同様、事務所を開設する日程に合わせて工事を進めてください。

消防設備

消防法により、消火器具やスプリンクラー設備などの設置が義務付けられています。
条件は自治体によっても異なる可能性があるため、事前に所轄の消防署に確認しましょう。
また、特に間仕切りなどのレイアウトは消防法の制限を受ける可能性があるので、
ビルの管理会社や専門の業者への相談をすることをおすすめします。

事務所開設時に用意するべき備品や機器

事務所を開設する際は、様々な備品や機器が必要です。
一度導入したら長く使用する可能性が高いため、機能性と耐久性の両方をよく確認して選びましょう。
ここでは、具体的に用意すべきアイテムについて解説します。

オフィス用備品

オフィス用備品として必要なものは、以下のとおりです。

オフィス家具

・デスク

・チェア

・収納庫

・ホワイトボード

・パーテーション

・ロッカー

・耐火金庫

インテリア用品

・ロールスクリーン、ブラインド、カーテン

・ゴミ箱

・パンフレットスタンド、マガジンラック

・時計

・傘立て

・コートハンガー

・観葉植物

オフィス家電

・空気清浄機、加湿器、除湿器

・扇風機、サーキュレーター

・掃除機

・冷蔵庫

・電子レンジ

・テレビ

フリーアドレスを採用した明るいオフィス

消耗品

消耗品としては、主に以下のものが必要です。

事務用品

・筆記用具

・コピー用紙

・付箋

・ノート

・ファイル

・セロテープ

・ガムテープ

・のり

・クリップ

・ステープラー

・はさみ、カッター

・穴あけパンチ

生活用品

・ティッシュペーパー

・トイレットペーパー

・ウェットティッシュ

・ハンドソープ

・食器洗い洗剤

・ゴミ袋

・電池

・防災用品

飲料

・コーヒー

・ミネラルウォーター

・日本茶

・紅茶

・来客用カップ

・ペットボトル飲料

・ガムシロップ

ローパーティションで囲まれたコピー機スペース

オーダーが必要なアイテム

自社にあわせてオーダーすべきアイテムもあります。
例えば、印鑑・名刺・看板などはデザインを相談して発注する必要があります。
経理関係の書類や、社労士や弁護士に依頼して作成する契約書などもあるため、早めに手配しましょう。

まとめ

新規に会社を設立して事務所を開設する際はさまざまな準備や手続きが必要です。
もれなく対応できるよう、何をすべきかしっかり確認を行いましょう。
年間25,000件以上の豊富な実績を持つコクヨマーケティングは、お客様の働き方に合わせた空間を提案しております。
ビル探しから、新設した事務所の維持・運用まで、ワンストップでサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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よくあるご質問

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