オフィスコストの削減は会社の運営において大切なポイントですが、正しく行わないと業務を非効率にする可能性もあります。
そのため、どのような部分のコストを削減すべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、オフィスコストの削減を進めたい担当者様に向けて、効果の期待できるコスト削減の具体的な方法や、
注意するポイントなどを分かりやすく紹介いたします。ぜひ参考にしてください.
削減可能なオフィスコストとは
会社を運営するには様々なコストが発生しますが、その中で削減できる主なコストを6つ紹介いたします。
オフィス賃料
オフィス賃料としてかかるコストは主に賃料+共益費で、一般的に立地や建物、専有面積に応じて異なります。
会社の運営にかかるコストにおいて大きなウェイトを占めるため、削減する事によって高い効果が期待できます。
レイアウトコスト
オフィスの新設や移転、レイアウトの変更などを行う場合には、電話やインターネット回線の工事費、内装費などがかかります。
また、デスクや棚などの買い替えをする場合には別途、購入費も必要です。
フリーアドレスやテレワークの導入が進む中、今後目指したい働き方に対してオフィスに本当に必要な設備なのか、しっかり見極める事が必要です。
ITコスト
ハードウェアの購入費やソフトウェアの導入にかかる費用、通信費なども削減できるコストです。
通信費の基本料金や使用料金は業者により異なるため、利用先を見直す事でコストを抑えられる場合があります。
ただし、変更する際には工事費が発生する事もあるため、気を付けましょう。
エネルギーコスト
電気代や水道代などのエネルギーコストも負担となりやすい費用です。
中でも電気代の負担は大きく、契約内容による違いはあるものの、一般的にはオフィスが広いほど基本料金が高くなります。
節電や節水など、社員1人1人が削減に取り組む事のできるコストです。
オフィス用品コスト
コピー機などのOA機器は業務に必須なものですが、必要以上に設置していると購入費やリース料のほか、
電気代などのコストも多くかかります。ペーパーレス化を進めたり、機器の設置数は適正であるかを見直したりして、
無駄があれば削減を行うと良いでしょう。
消耗品コスト
消耗品コストとは文房具やコピー用紙など、使用する事で減るものの購入費用を指します。
個々で見ると安いものも多いですが、会社全体でかかる金額を考えると軽視できないコストです。
オフィスコスト削減のアイデア
コスト削減につながる具体的な対策を、オフィスコストの種類ごとに紹介いたします。
オフィス賃料のコスト削減案
賃料は物件のオーナーなどとの交渉により下げられる場合があります。
そもそも賃料は専有面積が広いほど高くなる傾向にあるため、オフィスの規模を縮小させる方法も有効です。
加えて、賃料の安いエリアなどにオフィスを移転する方法もあります。
さらに、テレワークを導入する事でオフィスに全員分の席を用意する必要がなくなったため、オフィス面積の縮小も可能です。
コワーキングスペースやシェアオフィスを活用する事で、オフィスにかかる初期費用や維持費などを安く済ませる事もできます。
※オフィスの省スペースに有効な対策
ペーパーレス化を進める事によって、紙の書類などを保管するのに必要だった棚などのスペースが不要となり、
オフィスを縮小する事で賃料の削減につながります。
また、同じ時間帯にオフィスで働く人の数を調整するのも省スペース化を図れる1つの方法です。
出社人数を減らすためにはテレワークの導入や、アウトソーシングの活用が役に立ちます。
ITコストのコスト削減案
IT機器はリースやレンタルの利用で、導入時にかかる初期費用を抑えることが可能です。
最新のスペックのIT機器の使用は業務の効率化を図れますが、新しいものに買い替えるとその都度様々なコストが発生するため、リースやレンタルがおすすめです。
また、テレワークの導入もコスト削減の有効な手段の1つですが、在宅勤務などに対応するためのIT化に向けて新たに費用が発生する場合もあるため、気を付けなければなりません。
エネルギーコストのコスト削減案
社員に対して普段から節水や節電を心がけるように呼び掛けることは、いつからでも取り組み始める事のできる有効策です。
さらに、照明を消費電力の少ないLEDに変えたり、エアコンを常時稼働させておいたりなどの工夫も効果が期待できます。
エアコンを頻繁に付けたり消したりしないことで、起動時などに特に多くなりやすい電力の消費とコストを抑えられます。
オフィス用品コスト
パソコンやコピー機、電話などのOA機器も、IT機器と同じくレンタルやリースの活用がコスト削減に繋がります。
レンタルは短期利用、リースは長期利用の場合に適したサービスです。
比較的寿命が長いビジネスフォンなどは、中古の購入も検討しましょう。
消耗品費のコスト削減
今後も使用を続ける消耗品は、まとめて買うと割引を受けられてお得に購入できる場合があります。
また、共有備品化すると部署ごとに在庫管理や発注する必要がなくなるため、手間もコストも減らせます。
使用頻度の低い文房具などをコピーコーナーに設置して整理や在庫状況なども一括管理できる「サプライドック」は、共用備品化に役立つサービスです。
サプライドックとは
サプライドックは、オフィスで使う文具・消耗品を一括管理する事で在庫管理や発注などにかかる総務の方の負担を軽減するソリューションです。
運用する文具・消耗品の定番品を決め、在庫を社内で共有することで、ムダ買いを防ぎコストの最適化を実現します。
例えばクリアファイルやふせん、ボールペンといった消耗品についても定番品を決め、合わせてコピーコーナーに設置し、一括管理します。これを「サプライドック」と呼びます。
サプライドックには、補充カードをそれぞれのボックスに入れておき、残数が発注点を下回ったら補充カードを注文用のカゴに入れておくなどの、手間を掛けずに在庫状況が把握できる仕組みです。
またステープラーやカッターなど、1人1つも必要のない文具はサプライドックに集めて
使ったら定位置に戻すというルールをつくる事で
デスクの引き出しに眠り続けたり、紛失したりして、買い足さなければならなく事を防ぎます。
コロナ禍のオフィスコスト削減を進める方法
新型コロナウイルスの流行により、働き方やオフィスでのコスト削減策にも変化が起きました。
テレワークの普及、オフィスの縮小、ITの活用によるペーパーレス化を進めている企業も少なくありません。
オフィスコストの削減を進めていくために行うべきステップを4つ紹介いたします。
現状の洗い出しを行う
まず行うべきことは、現状でかかっているコストの詳細やコストに関わる課題点の洗い出しです。
各部署でどのくらいのコストがかかり、何が不足しているかなどを明確化しておく事は、今後どのような対策を取れば良いかを考える際に役立ちます。
課題点の洗い出しには、現場の声となる社員からのヒアリングも有効です。
固定費と変動費に分類する
固定費と変動費では価格の動向が異なるため、分類した上でそれぞれに合った対策に取り組む必要があります。
変動費は売上の増減に連動して金額が変わるため、
売上が落ちたときに必ずしも大きな削減をする必要はありません。
一方、固定費は業績を問わず継続して一定額がかかります。
売上が落ちたときに費用を抑える必要がありますが、長期的にみれば少額の削減でも効果が出やすい点が特徴です。
コスト削減のアイデアを募る
コスト削減と一言でいっても、削減できる経費は部署や担当業務、働き方などによって変わります。
状況に合った削減を行うためには、対象部署や社員などからアイデアを募る方法が有効です。
現場からの声の中に反対意見があった場合には、その意見をしっかり分析して生かしましょう。
コスト削減を提案する
かかっているコストの現状をみて削減の必要性を感じ、コスト削減に効果が期待できると思ったら、経費削減計画を提案しましょう。
提案する際には、事前に経費削減計画書を作成する事がポイントです。
具体的な内容を記載した計画書があると、削減目標を関係者と共有しやすく、実施への理解を求めやすくなります。
オフィスコスト削減における注意ポイント
オフィスコストの削減に取り組む際に、押さえておきたいポイントが3つあります。
コスト削減そのものを目的にしない
コストを下げる事ばかりを考えて必要なコストまで削減してしまうと、業務が非効率になる可能性があります。
不要なコストは徹底的なカットが必要ですが、売上に繋がるコストは削らないようにしましょう。
商品やサービスを低下させるコスト削減は、顧客離れに繋がるため、避けなければなりません。
また、セキュリティに関わるコストを減らしたり、従業員のモチベーションを下げるコスト削減を行ったりする事も逆効果です。
コスト削減は、あくまでも企業成長が見込める場合のみ行うと良いでしょう。
成果が見えやすいコストから削減する
様々なコストをどのように削減していくかも大事なポイントです。
まず、削減できる全てのコストに関わる課題を、まとめて解決しようとするのはおすすめできません。
社員が複数のコスト削減に対応できず、中途半端な対策になってしまう恐れがあります。
取り組みに対する社員のモチベーションを下げないためにも、成果の出やすいコストから順に削減していく事がおすすめです。
コスト最適化を継続する
必要なコストは企業や業務によって変わります。
また、削減活動を行いやすいかどうかも、業種や職種、働き方などによって様々です。
しかし、身の回りのコストに目を向け、小さなコストでも削減活動を継続させる事によって効果は大きくなります。
無理のない範囲で事前にシミュレーションを行ったり、コスト削減のためのルールを作ったりする事で、社員1人1人が削減活動に取り組むようになり、コスト最適化の継続に繋がります。
まとめ
削減可能なオフィスコストは様々です。
現状把握と今後の働き方を考えた上で、自社に合ったコスト削減に取り組みましょう。
コクヨマーケティングでは、オフィスづくりに関わるサポートをワンストップで行っています。
オフィスの縮小移転やレイアウト変更だけでなく、移転後のオフィス運用やテレワーク導入のご相談も承ります。
ぜひ、お気軽にご相談ください。
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