近年、オフィスのデザインやレイアウトにこだわりを持つ企業が増えています。その中でもオフィスの壁紙は、オフィス内装を検討する上で重要なポイントの一つです。
この記事では、オフィス内装における壁紙について種類や選び方など詳しく解説いたします。オフィスの移転やレイアウト変更をご検討の方、ぜひご参考ください。
オフィス内装において壁紙にこだわるメリットとは?
オフィスの内装にどんな壁紙を選ぶかでさまざまな効果が期待できます。まずはメリットを理解していきましょう。
仕事へのモチベーションが高まる
オフィスのどこにいても視界に入ってくる「壁」。執務スペース、会議室、リフレッシュスペースなど、オフィスの各エリアに合わせた壁紙を選ぶことで、居心地が良くなったり仕事がはかどったりするなど、社員のモチベーションアップが期待できます。
反対に、壁紙がはがれ、汚れた状態のままでは、社員のモチベーションは下がり、お客様の印象も悪くなってしまう可能性があります。
生産性の向上につながる
壁紙の色は、ワーカーの心理にも作用することがあります。
例えば、青色は気持ちを落ち着かせる抑制作用から、冷静な判断が求められる会議室で使うと生産性の向上が期待できます。緑色は、心身の疲れを癒しリラックス感を与える効果が期待できることから、リフレッシュスペースで活用するなどです。
「おしゃれな職場環境」が人材確保につながる
最近、ホームページで実際に働くオフィスを掲載する企業が増えているように、就職・転職で企業を選ぶ基準のひとつとして「デザイン性の高いオフィス」が人気を集めています。また、おしゃれなオフィスで働くことで愛着がわき、居心地の良い環境だと感じることができれば、離職の抑制も期待できます。このように、おしゃれな職場環境にすることは、企業のイメージアップに繋がり、優秀な人材を確保することに繋がるのです。
壁紙の種類
壁紙には、素材によってさまざまなタイプがあります。選ぶ前に機能や特徴を把握しておきましょう。
ビニールクロス
もっとも一般的に多用されている壁紙です。塩化ビニール樹脂などを原料にしたクロスで、表面に凹凸をつけたエンボス加工やプリントしたものなど、比較的安価なものから色・柄ともに豊富に品揃えされています。バリエーションも多いため空間に合わせてコーディネイトしやすく、また、耐久性も高くお掃除がしやすいのも特徴です。
紙クロス
パルプを原料とした洋紙タイプや、和紙・ケナフなどを原料にしたものなどさまざまです。紙独特の風合いが魅力なのはもちろん、音を吸収しやすく防音性があること、環境や健康にも優しいことなどが特徴です。一方で、商品によっては水拭きができるものとそうでないものがあり、汚れがつくとシミになってしまうことがあるので注意が必要です。
布クロス
レーヨン・絹・麻などの素材でつくられた壁紙で、高級感があり、糸の織り方による凹凸感の違いが楽しめます。紙クロス同様、通気性に優れており湿気を吸収してくれますが、ホコリがつきやすいため、はたきをかけるなど、こまめな掃除が必要です。また、水拭きも避けた方が無難です。
【オフィスの壁紙】基本的な選び方とは?
壁紙のメリットや種類が把握できたら、いよいよ壁紙選びです。色、素材、機能性など、理想のオフィスをイメージしながら、具体化にしていきましょう。
オフィスに適した壁紙の「色」を選ぶ
おしゃれなオフィスを意識しすぎて、カラフルすぎる壁紙になってしまうと、統一感がなく落ち着きのないオフィスになってしまいます。基本的にはベースとして白やグレーといったニュートラルな配色を用いた上で、コーポレートカラーをエントランスに入れてみたり、カラフルなスツールや観葉植物を置いてみたりするなど、バランスを見ながらデザインを考えていきましょう。
素材感を選ぶ
オフィスの壁紙は、色や柄だけでなく素材感を活かしたデザインも豊富にあります。
石目調の壁紙であれば、無機質でシャープなイメージになりますし、都会のマンションのようなコンクリート打ち放しのデザインも人気です。ビニールクロスであれば、質感のクオリティも高く、無垢材のような天然木の柄でもナチュラルなものから重厚感があるものまで、多種揃っています。そのほか、凹凸を活かしたエンボス効果や、漆喰のような日本古来の塗り壁調の壁紙も新鮮です。
機能性を選ぶ
壁紙を選ぶ基準として、デザインだけでなく「機能」にも注目してみましょう。
近年では、防カビ・消臭効果、汚れや傷などに強いタイプ、抗ウイルス・抗アレルギーのほか、光を反射する光反射機能や、プロジェクタースクリーン機能があるタイプなどさまざまな機能性を備えた壁紙があります。機能性を重視することで職場環境をより快適にすることができるでしょう。
インテリアのテイストにあわせて選ぶ
そのほか、会議室や執務スペース、リフレッシュスペース、受付エリアなど、それぞれのエリアにどんなテイストのデスクやイスを配置するのか、色や素材のバランスを考えながら壁紙を決めるとよいでしょう。家具やインテリアのテイストを前もって検討しておくことで、壁紙のイメージも浮かびやすくなります。
ここからは、コクヨのオフィスインテリア8テイストをご紹介します。
ライトモダン
白を基調とし、調和する寒色系(ブルー、グリーン、グレー)で構成した明るくすっきりとしたコーディネイト
ダークモダン
ブラック、ダークグレー、ホワイトのモノトーンで構成したモダンでスタイリッシュなコーディネイト
(画像)高円宮記念JFA夢フィールド様
アクセントモダン
白を基調として暖色系(レッド、オレンジ)を挿し色に加えた明るく活発なコーディネイト
ライトナチュラル
明るい木目とやさしいカラーリングで構成したナチュラルで親しみのあるコーディネイト
(画像)一般社団法人日本自動車連盟様
アクセントナチュラル
明るい木目と暖色系(レッド、オレンジなど)を挿し色に加えたカジュアルで楽しいコーディネイト
(画像)株式会社バンダイナムコエンターテインメント様
カジュアルシック
ミディアム系木目とベージュ、ブラウン系で構成した上品で落ち着きのあるコーディネイト
フォーマルシック
ミディアム、ダーク系木目とベージュ、ブラウン系で構成した重厚感のあるコーディネイト
マルチミックス
さまざまな色、カタチ、素材をバランスよく組み合わせ空間に深みを持たせる高度なコーディネイト
壁紙でおしゃれなオフィスにするためのポイント
続いて、実際にオフィスの壁紙を選ぶ際に、あわせて検討しておきたいポイントを見ていきましょう。
壁紙を選ぶスペースの機能や目的を考える
オフィス内でも、一日の中でも業務を行う執務スペース、リラックスや休憩時に利用するリフレッシュスペース、最初に来訪者の目に触れるエントランスなど、それぞれのエリアやスペースによって、利用目的や必要な機能は様々です。誰が使う場所なのか、またどのような空間にしたいのかをイメージしておきましょう。
コーポレートカラーを取り入れる
受付エリアは最初にお客様や来訪者が訪れる企業の顔ともいえる場所です。コーポレートカラーを効果的に取り入れることで、企業イメージをアピールでき、来訪者にインパクトを与えられることがメリットです。来客が多いオフィスには特におすすめです。(画像)株式会社公文教育研究会 東京神奈川本部様
暖色を取り入れつつメリハリのある配色を心掛ける
オフィスの壁紙は、ベースとして白やグレーといったニュートラルな配色を用いるのが基本ですが、暖色系(赤・黄・オレンジなど)を効果的に取り入れることで、明るく・元気で・親しみやすいイメージを与える効果も期待できます。ただし活発な色の壁紙の割合が多くなると疲れてしまうこともあるため、バランスを考えメリハリのある配色にするとよいでしょう。
アクセントクロスを取り入れる
「アクセントクロス」とは、部屋の壁4面あるうちの1面や、壁の一部に、色や素材感の異なる壁紙を配置する手法です。手軽に印象が変えられるので、近年人気を集めています。オフィスにアクセントクロスを取り入れる場合、先述の通りコーポレートカラーを選ぶものもおすすめです。
(画像)クローダジャパン株式会社様
【壁紙以外にも】オフィスの内装イメージを変える工夫
壁紙以外にもちょっとした工夫でオフィスの内装イメージを変えることができます。例えば、観葉植物を置いてみたり、照明をペンダントライトやダウンライトに変えてみたりするなどです。タイルカーペットを張り替えるだけでも大きく印象が変わります。オフィス全体、または特定のエリアのイメージや予算に合わせて、検討してみましょう。
チェアやデスクなどにアクセントにする
オフィスの壁紙の色がシンプルな場合、またはアクセンカラーを取り入れるのが難しい場合は、チェアやデスクでピンポイント的にカラーを取り入れてみるのも一つです。カラフルでポップなデザインのオフィスチェアを選んだり、デスクの天板や脚を変えたりするだけでもオシャレな印象になります。
(画像)株式会社浜野製作所様
オフィスの壁紙貼り替え|業者に依頼する時の手順やポイント
業者に依頼する場合の流れ
壁紙のイメージが決まったら、業者に工事を依頼しましょう。まずは、専門業者へ見積もり依頼し、工事の日取りを決めます。家具などを移動して養生を行ったあと、古い壁紙とソフト巾木を剥がし、下地調整を行います。新しい壁紙に糊付けをし、壁に貼り付け、仕上げにソフト巾木を貼り付けます。部屋の最終確認と、サインをして完了です。工事の流れや金額は、部屋の広さや下地の傷み具合などで違いが出てきますが、おおよそこのような流れです。
業者を選ぶ際のポイント
工事業者を選ぶ際のポイントとして、スピードや値段だけを見て安易に業者を決めるのではなく、施工期間が短すぎる業者は避ける、値段の安さだけで業者を選ばないようにする、問い合わせへの対応が丁寧か、アフターフォローに関する契約など、万一、施工後にトラブルがあった場合に対応してくれるのかどうか、事前に確認するようにしましょう。
まとめ
今回は、オフィス内装における壁紙の種類や選び方などについてご紹介いたしました。オフィスにどんな壁紙を選ぶかで、ワーカーの仕事のモチベーションが高まったり、生産性の向上に繋がったりするほか、おしゃれな職場環境が人材確保に繋がるなど、企業にとっても様々な効果が期待できます。
コクヨマーケティングでは、コクヨグループ年間25,000件の実績から、お客様の働き方やありたい姿に合わせた最適なオフィス環境をご提案いたします。
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