パーティションは大きく設置型と施工型に分けることができ、さまざまな種類があります。そのため、選ぶパーティションによって大きく費用が異なります。パーティションを設置する目的や用途はオフィスにより異なるため、オフィスに合ったパーティションを選びましょう。この記事では、設置型と施工型のメリットやデメリット、注意点などを解説します。ぜひ参考にしてください。
設置型パーティションのメリット
設置型パーティションとは、工事が不要で簡単に設置や移動ができる置き型の仕切りを指し、例えばデスクトップパネルやローパーティションなどがあります。設置型パーティションのメリットについて解説します。
▼設置型パーティションの種類や事例について詳しく知りたい方はこちら。
集中できる環境をつくることができる
机上に設置するデスクトップパネルを使うことで、周囲の音や視線を気にせずに集中できる環境をつくることができます。防音素材のデスクトップパネルを選ぶことで、Web会議にも対応ができるでしょう。
簡易的に場を仕切ることができる
社内向けの打ち合わせブースのように、軽く仕切りたい場合はローパーティションがおすすめです。また、収納の場所を取らない折りたたみタイプもあるので、目的に応じて選ぶとよいでしょう。
▼個室や半個室ブースについて詳しく知りたい方はこちら。
費用をおさえることができる
設置型ローパーティションは工事期間の日程計画が必要なく、費用をおさえることができます。設置後に工事なしで移設することができるため、レイアウトに応じて変えることができます。但し、レイアウトによっては追加部材が必要になることもあるため、事前に確認するとよいでしょう。
設置型パーティションのデメリット
設置型パーティションのデメリットについて解説します。
コミュニケーションがとりづらくなる
例えばデスクトップパネルを設置することで視線をさえぎってしまうため、コミュニケーションがとりづらくなると言われています。また、高さがあるデスクトップパネルを設置すると圧迫感がでてしまいます。
機密性が低い
ローパーティションは天井まで届かないため、機密性が低いデメリットがあります。音や話声が周囲にもれやすい点に配慮しなければなりません。来客エリアに設置する場合は、情報が漏洩する恐れがあるため、注意しましょう。
施工型パーティションのメリット
施工型パーティションは間仕切とも言われ、天井まで高さがある工事を必要とするタイプを指します。どのようなメリットがあるのでしょうか。以下で、解説します。
再利用できる
施工型パーティションは解体や再施工ができるため、条件によっては再利用することができます。例えば、オフィス移転やリニューアルの時に一部再利用することで、費用をおさえることができるでしょう。
防音性や遮音性に優れている
施工型パーティションは防音性や遮音性に優れています。但し、素材や厚みによって遮音性が異なるため、目的にあわせて選ぶとよいでしょう。例えば、役員室や機密性の高い会議を行う場所ではロックウールなどの吸音材をいれると、音漏れを防ぐのに効果的です。設置位置によっては天井設備や消防設備の移設や増設が必要です。また所轄の消防署への届け出も必須になるため、事前に確認するとよいでしょう。
施工型パーティションのデメリット
再利用ができ、防音性や遮音性に優れている施工型パーティションですが、デメリットもあります。以下で詳しく解説します。
工事期間が必要になる
施工型パーティションを設置する際には、工事をする期間が必要になります。設置する場所によっては、事前に天井設備や消防設備の移設や増設をしてから、施工型パーティションの設置になります。事前に工期を確認してスケジュールを立てる必要があります。
費用がかかる
施工型パーティションは設置型パーティションに比べて費用がかかります。また、設置後に解体や移設をする場合、別途費用が発生します。ただし、ビルによってはB工事扱いになる場合もあるため、施工前に確認が必要です。
▼工事区分について詳しく知りたい方はこちらから
施工型パーティションの種類
施工型パーティションはさまざまな素材があります。それぞれ特徴について、以下で解説します。
スチールパーティション
スチールパーティションは、オフィスで多く利用されています。遮音性や防音性が高いだけでなく、セキュリティ性に優れていることもあり、会議室や休憩室などに適しています。スチールパーティションはデザインが豊富で、仕切りの上部が空いているランマオープンや一部ガラスなどがあります。全面スチールパーティションの場合、1㎡あたりの費用は3万から4万円程度です。但し、デザインやパーティションの厚みにより費用が異なります。
ガラスパーティション
ガラスパーティションはガラス製で、デザインの高いものが多くあります。例えば、ガラスを積み重ねる段積みや1枚ガラスなどがあります。役員室などに導入することで開放的な空間にすることができます。プライバシーや情報漏洩が気になる場合は曇りガラスのようなデザインシートを貼るとよいでしょう。但しガラスは、スチールタイプに比べて音を通しやすいため、用途に合わせてダブルガラスなど遮音性に考慮したものを選ぶとよいでしょう。1枚ガラスの場合、費用は1㎡あたり9万から12万円程度です。但し、デザインやガラスの厚みにより費用が異なりますので、事前に確認するとよいでしょう。
▼ガラスパーティションについて詳しく知りたい方はこちら。
アルミパーティション
アルミパーティションはアルミ製で、スチールやガラスに比べて価格が安いです。例えば、倉庫や更衣室などのような社員しか出入りしないバックスペースに採用することで費用を押さえることができます。但し、遮音性が低いため目的に応じて選択するとよいでしょう。
造作壁
造作壁とはLGSとも呼ばれ、軽量鉄骨で骨組みをした上に石膏ボードを貼って表面材で仕上げた壁のことを指します。遮音性が高いことが特徴です。施工範囲によりますが、一般的な施工期間は、1週間〜2週間程度と言われています。デザインにより異なりますが、費用は1㎡あたり20万から25万円程度です。造作壁は転用することができません。また施工するビルによってはB工事扱いになるため、事前に確認するとよいでしょう。
オフィスにおけるパーティションの役割
オフィスにおけるパーティションには、どのような役割があるのでしょうか。以下で、解説します。
空間や導線をつくる
パーティションを設置することで、空間や導線をつくることができます。会議室やリフレッシュルームなどのスペースをつくることで社員が快適に働けると言われています。一方で個室を多くつくると開放感の少ないオフィス空間になってしまいます。自社の働き方にあわせてレイアウトを検討するとよいでしょう。
プライバシーを確保する
オフィスには社員が集中して作業できるスペースや、機密性の高い会話をするための空間が必要です。視線を遮ることができるパーティションはセキュリティ対策に有効と言われています。また、遮音性に考慮した会議室を設置することで安心して機密性の高い会話をすることができるでしょう。
パーティション納入事例
快適なオフィス空間は、パーティションによってつくられます。ここでは、企業の設置事例をご紹介します。
ガラスパーティションを採用しつつ、デスクトップパネルを設置し、情報漏洩と風通しのよいオフィスを実現
マツダジャパン株式会社様は、ガラスパーティションを取り入れたオフィスづくりをされました。他部署から経理担当者の手元を見えにくくするためにデスクトップパネルを設置し、情報揺曳を防いでいます。手元は見えにくくしたものの、お互いの顔が見える風通しのよい空間を実現したため、社員同士の安心感が高まり、コミュニケーションが取りやすい環境となりました。
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オフィスに新しい発見やアイデアが生まれる創造拠点としての役割をもたせる
株式会社サクラクレパス様は、研究事務室にガラスパーティションを設置しました。ガラスパーティションは光を通すため研究事務室のなかの様子がわかり、空間を仕切りつつもオフィス内を明るく広々とした印象にしています。パーティションにあるカラフルなクレパス形状の飾りが、さりげないアクセントとしても活用しています。
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ショールーム併設型オフィスで従業員が夢中で仕事を楽しめる空間を構築
ブラザー販売株式会社様は、応接会議室にガラスパーティションを設置して、個別の空間をつくりました。ガラスによる開放的な空間の演出や、ブラインドによって機密性が向上することで、打ち合わせの内容に応じて会議室を使い分けられています。同社の会議室の利便性が向上し、従業員が安心して会議を行えるようになりました。
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まとめ
パーティションの工事は、種類や素材などで費用が異なります。オフィスによって仕切りや空間の役割も変わるため、事前に機能やデザインの検討が必要です。工事は施工実績の豊富な業者に依頼し、快適なオフィス空間を構築しましょう。
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