起業や事業拡大をするにあたって、オフィス選びは重要です。
この記事では、起業家や、起業家への支援を検討している方に向けて、
インキュベーションオフィスの概要や特徴について解説します。
インキュベーションオフィスのメリット、利用が向いている方についても解説するため、参考にしてください。
インキュベーションオフィスとは
インキュベーションオフィスとは、会社の設立や事業拡大に対し、サポートや支援を行うオフィスです。インキュベーションは、英語で「孵化器」を意味することから、「起業(孵化)する前のベンチャー企業」の総称としてビジネス業界で取り入れられています。つまり、「これから起業したい」「事業を成長させたい」といった思いを持った、会社や起業家が対象となり、使えるオフィスです。
インキュベーションオフィスの特徴
インキュベーションオフィスの最大の特徴は、公的機関が関わっているという点です。例えば、東京都認定のインキュベーションオフィスは、平成27年より実施されています。自治体をはじめとした公的機関が運営している場合もあれば、公的機関より委託を受けている民間企業が行っている場合もあります。近年は研究開発の事業化や、新規事業進出を目的とした民間企業がインキュベーションオフィスを設置、運営するケースが増えています。なかには、ベンチャーキャピタルや投資ファンドが活用され、金融関連事業者が関与して運営しているオフィスも存在します。
インキュベーションオフィスの利用可能期間
インキュベーションオフィスの利用可能期間は、場所によっても異なりますが、原則として1年間とされています。ただし、3年から5年延長できるオフィスもあったり、1年毎の更新を申請できたりするオフィスも多数存在します。できる限り長期間オフィスを利用したい方は、あらかじめ利用可能期間を把握し、延長や更新が可能なオフィスを選びましょう。
インキュベーションオフィスとレンタルオフィスの違い
インキュベーションオフィスには、他のオフィス形態にはないメリットがあります。ここでは、3つのメリットについて解説します。
インキュベーションマネージャーから支援が受けられる
インキュベーションオフィスには、企業や経営に関する知識・経験を持つ、インキュベーションマネージャーがいます。インキュベーションマネージャーには、経営のノウハウの提供、資金計画の立て方、人材紹介、その他あらゆる面において相談できます。1企業につき1名のインキュベーションマネージャーがつくため、手厚いサポートが受けられて安心です。創業してから間もない時期に支援してもらえるため、起業するのが初めてで不安を感じている方にとって大きなメリットになるといえます。
賃料が安い
インキュベーションオフィスは、一般的なレンタルオフィスよりも低価格で利用でき、賃料が安く抑えられるというメリットがあります。立地や広さによって金額差はありますが、1ヶ月の家賃の相場は3万円〜5万円程度とされています。自治体が運営しているインキュベーションオフィスの多くは、家賃の一部が補助される「賃料保証制度」が設けられています。賃料補助制度が適用された場合、賃料実質負担の50%~70%程度の金額まで抑えられます。入居に伴う家賃負担を軽減したい方は、自治体が運営しているオフィスがおすすめです。
必要最低限の設備が備わっている
インキュベーションオフィスは、ネット回線やOA機器、電源などの設備が備わっているところが多く、起業に最適な環境が確保できるという特徴があります。オフィスによっては、会議室や商談室が備わっているところもあるため、入居者側が自ら費用をかけて準備する必要がありません。起業する事業内容によっては、研究室や工場が借りられる可能性もあります。ラウンジスペースがあるインキュベーションオフィスでは、他の起業家と交流することもできるため、おすすめです。また、作業効率を重視して、集中ブースを設置していることもあるようです。
インキュベーションオフィスのデメリット
インキュベーションオフィスは、多くのメリットがある反面、デメリットもあります。ここでは、3つのデメリットについて解説します。
自由度が低い
インキュベーションオフィスは、レンタル形式で提供される場合がほとんどのため、自由度が低いというデメリットがあります。賃貸オフィスは、費用を負担すれば間仕切りや壁の色を変更するなどの改装工事ができますが、インキュベーションオフィスは自由に工事ができません。ネット回線や機器などの設備も自由に選べないので、オフィスに設置されているものを使うことになります。そのため、「自分好みの設備を選びたい」と考えている方には、不向きだといえるでしょう。
金銭以外の対価を求められる場合もある
インキュベーションオフィスによっては、入居する企業への出資の見返りとして対価を求められる場合があります。安価な賃料で入居できる代わりに、ストックオプションが付与されたり、事業発展後の投資の確約をしたり、条件が設けられる場合があるので、注意が必要です。「条件を把握しておらず、入居してからビジネス展開に支障がでた」とならないように、入居する前に条件を確認し、十分に理解してから契約を進めましょう。入居した後の事業計画と契約内容を照らし合わせて、検討することをおすすめします。
入居するまでの手続きが大変
インキュベーションオフィスは、レンタルオフィスと比較して、入居するまでの手続きが多く大変なことがデメリットです。オフィスに入居する際には、問い合わせ、事前面接、審査、契約などのあらゆるステップを踏む必要があります。事業計画を提出する必要があるのはもちろんのこと、家賃の一部が補助される「賃料保証制度」の申請をする場合は別途手続きが必要です。書類の作成や手続き関係が苦手な方、多忙でまとまった時間がとれない方にとっては不向きだといえるでしょう。
インキュベーションオフィスの利用が向いている方
インキュベーションオフィスは、レンタルオフィスよりも安価な賃料で借りられるため、コストを抑えたい方におすすめのオフィスです。インキュベーションオフィスには共用スペースがある場合がほとんどのため、他の起業家と知り合ったり交流したりする機会がほしい方にも適しています。繰り返しになりますが、余暇の起業家と交流することで、新しいアイデアが浮かぶかもしれません。専任のインキュベーションマネージャーから、起業や経営に関するノウハウを伝授が受けられる充実したサポートもあるので、起業・経営に関する相談をしたい方にとっても最適なオフィスです。
まとめ
インキュベーションオフィスは、会社の設立や事業拡大をする際に支援が受けられるオフィスです。
一般的なレンタルオフィスよりも低価格なのが特徴です。
メリット・デメリットを理解した上で、ぜひ検討してください。
コクヨマーケティングは、年間25,000件以上の豊富な実績から、お客様の働き方に合わせた空間提案をします。
オフィス移転、移転後のオフィス維持・運用に至るまで、ワンストップでサポートしているので、安心です。
コクヨ社員が実際に働くオフィスが体感できる「オフィス見学会」も実施しているので、ぜひお問い合わせください。
オフィス移転・改装レイアウトの課題を解決します