タイルカーペットはオフィス移転やレイアウト変更の際、家具選びと同じようにオフィスのイメージを決定づける重要な要素になってきます。
この記事ではオフィスのカーペット選びで悩んでいる方に向けにタイルカーペットの概要やメリット、オフィス用と家庭用の違いや注意点などを解説しています。
カーペットとは
カーペットとは敷物全般のことをいい、オフィスだけでなく住宅などさまざまな場所で使用されています。
カーペットとラグの違い
カーペットは主に床一面に敷く場合に使われます。対してラグとは、カーペットの一種で、3畳より小さい敷物のことです。主にソファーやベッドの足下などの一部分で使用されています。
オフィスにカーペットを敷いた方がよい理由
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、働き方も大きく変わり、変化に対応するオフィスが求められています。柔軟に対応できるオープンエリアが増える中、様々な機能を持つカーペットが注目されはじめていますが、カーペットの特性によって効果は異なるため、カーペットの選び方がポイントになってきます。 ここではオフィスにカーペットを敷くメリットを解説します。
騒音を軽減する
カーペットを敷くと床に伝わる衝撃を吸収するため、騒音を軽減します。WEB ミーティングやコミュニケーションエリアでは、スピーカーの音声や会話などの反響が軽減されたり、さらに足音だけでなく、椅子を移動させる音や床に荷物を下ろす音も和らげたりする効果が期待できます。 またタイルカーペットの防音効果は、子どもの学習効果を高められる可能性があると言われています。「室内が静かに保たれることで、集中力を高めやすい」という理由から、オフィスでも生産性向上に期待できます。
ほこりの飛散を防ぐ
オフィスがフローリングの場合、歩くたびにほこりが舞いますが、カーペットはほこりが舞い上がるのを防ぐ役割があります。カーペットを敷くことでハウスダストなどのほこりの舞う量が、敷かない場合と比べて半分以下になるといわれています。
保温効果がある
カーペットには保温効果があります。たとえば冬のフローリングは冷えますが、カーペットを敷くことで温度が下がりにくくなり、素材によって部屋全体の温度を保つことができます。
ゾーニングできる
ゾーニングとは、部屋をエリアで区切ることです。壁工事やそれに伴う空調や防災などの工事を行うことなく、オフィスのイメージを変える事が出来ます。カーペットの色を変えることで視覚的にエリアが分けられるため、同じ部屋に別の空間をつくることができます。
働き方の変化により多く求められている柔軟な対応可能なオープンエリアを壁で区切ることなく、さりげなくゾーン分けが可能になり空間に変化を演出する事が出来ます。
オフィスでよく使われる「タイルカーペット」とは
タイルカーペットとは、一般的に40〜50cm程のサイズで、1枚ずつ敷くタイプのカーペットのことです。よく使われる形は正方形ですが、長方形や六角形などの様々な種類もありますので、レイアウトによって形や大きさを変えるとよいでしょう。またタイルカーペットは色や並べ方を組み変えることで、レイアウトの幅が広がります。
オフィスでタイルカーペットを使うメリット
オフィスでタイルカーペットを使うと、簡単に床の施工やデザインができます。
ここでは3つのメリットを解説します。
施工・取り外しが簡単
床配線可能なOAフロアを取り入れたオフィスビルが多い為、配線工事に対応しやすいタイルカーペットが最適です。タイルカーペットは1枚あたり40㎝〜50cm角と軽く、施工や取り外しが簡単なので、誰にでも取り付けが可能です。タイルカーペットの裏面が吸着加工になっている場合、接着剤を使わずに張り替えられます。
掃除・メンテナンスを考え、用途に合わせた機能性カーペットを選択しましょう
たとえば、
ダストコントロールカーペット:外からの土汚れを素早くキャッチします。
高吸水性カーペット:水濡れスリップ防止します。
抗菌・抗ウイルス性タイルカーペット:菌やウイルスをブロックします。
消臭機能タイルカーペット:匂いが気になる場合はこちらを検討しましょう。
色やデザインで空間を分けられる
最近では、オフィスづくりで「バイオフィリックデザイン」も注目されています。自然を感じる心地よいオフィスは、ストレスを軽減させモチベーションをUPさせるでしょう。床材でも自然のイメージを演出できる木目や石目柄の塩ビタイルと使った空間デザインが多く見られるようになりました。素材の違う組み合わせで、オープンエリアにリフレッシュ空間、執務エリアなどを作る事が出来ます。
↑コミュニケーションスペースと執務エリア、人が通る導線をカーペットで分けています。
オフィス用と家庭用のタイルカーペットの違い
オフィス用(業務用)タイルカーペット
オフィス用タイルカーペットは、耐久性や固定のしやすさが特徴です。オフィスやホテルなどの床に敷くことを想定しているので、土足や台車の移動に耐えられるように硬めのパイルで作られています。裏面はポリ塩化ビニルを使用し、接着剤で固定するので床から剥がれにくくなっています。
家庭用タイルカーペット
家庭用タイルカーペットは、肌触りの良さが特徴です。人の肌に触れることを前提に作られているため、やわらかい素材のものが多いです。裏面の素材はフェルト素材などを使用し、吸着加工がされています。カーペットの大きさは30㎝角程度のものもあるため、階段用などの用途に応じてサイズを変更するとよいでしょう。
タイルカーペットのパイルの種類
タイルカーペットのパイルには、主に3種類があります。
ループパイル
カットパイル
カット&ループパイル
ループパイルは丸い輪のパイルを縫い付けたものです。カーペットの耐久性は高く、大人数のご家庭に対応しています。
画像提供:東リ株式会社
次にカットパイルはやわらかい肌触りが特徴ですが、ループパイルよりは耐久性に劣ります。
画像提供:東リ株式会社
カット&ループパイルは、柔らかさと弾力を兼ね備えたパイルです。このタイプはデザイン性が高いため、おしゃれな雰囲気の部屋に変えたいときに使用しましょう。
画像提供:東リ株式会社
オフィスにタイルカーペットを使用するときのポイント・注意点
オフィスのタイルカーペットは、色やデザインの配置とこまめな掃除が重要です。使用する際のポイントを解説します。
エリアごとに色やデザインを決める
オフィスのタイルカーペットは色やデザインで空間を区切るため、使い方を工夫することでオフィスの印象を変えられます。たとえば、落ち着いた印象になる青色や自然を連想させる緑色のカーペットに変えると部屋の印象は大きく変わるでしょう。 一般的には、色の効果として暖色系の方が気持ちを活性化させる効果があります。寒色系はその逆で、心を鎮静化させ、落ち着かせる効果があると言われています。床は、壁と同様に空間において大きなスペースを取ります。ワークスペース、会議室、リフレッシュエリアなど、用途やデザインイメージに合わせた色選びをしましよう。 家具との組み合わせでも印象が変わるため、色やデザインを考慮しながら部屋全体のバランスを取ることが大切です。
施工のポイント
カーペットの貼り方は市松貼りと流し貼りがあります。市松貼りは、向きを上方向と右方向に交互に貼っていきます。一方の流し貼りは、全て同じ方向に貼る方法です。どちらの方法でもオフィスの中心部から始めて、パイルの目の向きに合わせて貼っていきます。その他、長方形など板張りをイメージした形状の製品などもあり、空間の演出などに合わせて意匠を楽しむことも出来ます。
湿度が高い場所は避ける
タイルカーペットは湿度がたまる場所に置くと、ハウスダストやダニなどが発生しやすくなります。アレルギーの原因になるため、定期的な掃除を行い清潔な状態に保つことが大切です。通常、オフィスの清掃に関してはテナント契約のビル清掃会社にて行いますが、床材の種類により清掃方法などが異なる場合もあり、メンテナンス費用が別途発生することもあります。ほこりや靴についていた土、食べカスなども溜まりやすいため、湿度の高い場所にカーペットを貼るのは避けましょう。
タイルカーペットの施工はプロに依頼するのがおすすめ
タイルカーペットの施工はプロに依頼するのがオススメです。面積に応じて必要枚数を割り出し、カーペットの端の部分を綺麗にカットしてくれます。施工後にずれたり剥がれたりしないよう、丁寧な仕上がりになります。タイルカーペットを貼る際は、豊富な施工事例がある業者に依頼することをおすすめします。
オフィスのカーペット導入・リニューアル事例
オフィスのカーペットを導入し、リニューアルした例を解説します。
事務局の集約に伴うオフィスリニューアル事例
株式会社公文教育研究会様は波をイメージした3色のタイルカーペットを導入し、オフィス環境を構築しました。企業のブランドカラーのブルーをベースに、爽やかな印象を与える床にしています。コミュニケーションスペースに色の差を作ることで空間が生まれ、ブースごとに円滑な話合いができる環境になりました。
参考:社員参加で創り上げた「兵庫らしくひとつになり、未来を創るオフィス」|コクヨマーケティング
フリーアドレス導入・ABW促進を目指すオフィスリニューアル事例
ピー・シー・エー株式会社様はABWの働き方、社員が自律的に動ける体制を作るためにカーペットを新調しました。
グループ3社合併に伴う本社リニューアル事例
トヨタユナイテッド静岡株式会社様は、石畳風のカーペットに変えて、オフィス全体が見渡せるようなレイアウトに変更しました。
子ども連れでも業務が出来るグリーンの色の部分を作り、メリハリをもって働ける環境作りに成功しています。シックなデザインの執務スペースもあるため、会社全体で集中して業務に取り組める環境になりました。
参考:グループ会社3社合併によるシナジー効果を高めるオフィス|コクヨマーケティング
まとめ
オフィスのカーペットはオフィスのイメージを決定づける重要な要素の一つです。家具選びと同じようにカーペットの色やデザインを活用して心地のよい空間を構築しましょう。
コクヨマーケティングは、年間25,000件以上の豊富な実績から、お客様の働き方に合わせたオフィス移転からオフィス運用までをサポートします。オフィスのレイアウト変更や移転をご検討の際は、ぜひご利用ください。
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