応接室は「大切なお客様をおもてなしする」という重要な役割を担っている場です。
家具の選び方や配置によって部屋の印象は大きく変わります。応接室に相応しい空間にするためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
この記事では、応接室のレイアウトや家具の選定にお悩みの総務ファシリティ担当者様に向けて、応接室のレイアウトを考える上でのポイントや事例、家具の選び方などを解説します。ぜひ参考にしてください。
応接室の使用目的
応接室のレイアウトは、利用目的に合わせて設計することが大切です。以下では、応接室の主な利用目的をふたつ解説します。
お客様をおもてなしする
応接室の使用目的として一番に挙げられるのは、お客様を“おもてなしする”という目的です。
応接室とは一般的に、お得意先様など外部から大切なお客様をお招きする場です。
面談や重要な商談などに使われるケースが多く、その場にふさわしい上質でグレード感のある空間を演出することが大切です。
会議室として兼用する
オフィスのスペースが限られるなどの理由から、応接専用スペースではなく、会議室としても共用するケースもあります。
応接室メインで使うのか、それとも会議室メインで使うかによって適切なレイアウトや家具は変わりますので、レイアウトや家具の検討を進める前に、具体的な利用シーンや運用を想定しておきましょう。
応接室の基本のレイアウト
応接室のレイアウトを考える際には、ビジネスマナーを意識することも大切です。お客様や目上の方は上座、おもてなしする側は下座に座るのが基本的なマナーです。上座とは、入口からもっとも遠い、部屋の奥側の席を指します。ただし、3人以上片側に座る場合は中央が上座になるなど、レイアウトによって上座の位置は変わりますので注意が必要です。
応接室のレイアウトを考えるポイント
使用目的に関わらず、応接室のレイアウトを考える際には押さえておきたいポイントがあります。
会社の入り口付近に設置する
応接室を設置する場合には、会社の入り口付近にしましょう。応接室はお客様をもてなすための場所です。そのため、おもてなしという点を意識するのなら、来社してすぐに辿り着ける入口付近が適しています。オフィスの奥に設置してしまうと辿り着くまで時間がかかるだけでなく、執務スペースを通るためセキュリティ面の問題もあります。
応接室までの通路にゆとりを持つ
受付から応接室までの通路幅についても確認しましょう。入り口付近に応接室を設置する場合でも、ある程度は移動する必要があります。そのため、なるべく広めに通路を取って、移動がスムーズにおこなえるようにしましょう。通路にゆとりがある場合には、観葉植物や絵画などを飾ると華やかになり、印象アップにつながります。
快適に過ごせる空間を作る
応接室は快適に過ごせるかどうかを重視しましょう。快適な空間を作れば、心をほぐし、緊張感などが薄れて会話も弾み、商談や面談の場が明るくなります。快適に過ごせるかどうかは、部屋の雰囲気や家具のイメージなどに左右されるため、慎重に選びましょう。
会社の個性を活かす
応接室とは会社の顔になる部分です。そのため、来訪者の方に自分たちの会社のことをより深く理解してもらうために、自社の個性を活かすようなインテリアにするとよいでしょう。たとえば、コーポレートカラーを壁やインテリア、小物などに取り入れるなどします。また、自社の商品を陳列してもよいでしょう。話のきっかけとしても活用できますし、自社商品をさりげなくアピールできます。
応接室・会議室を兼用する場合のレイアウトのポイント
応接室を会議室と兼用する際には、ふたつのポイントを意識しましょう。以下で各ポイントについてくわしく解説します。
必要なものだけを配置する
いくら会議室と兼用するからといって、会議用の備品を応接室に置いたままにしておくと、部屋全体が雑然とした印象になってしまい、おもてなしの空間として相応しくないものになってしまう可能性もあります。たとえば、会議で必要なホワイトボートなどはキャスター付のタイプを採用し、会議で応接室を利用するときだけ別の場所から持ってくるなど、おもてなしの空間を維持するための工夫も併せて検討しましょう。
1人あたりのスペースを適切に設定する
レイアウトを検討する際は、1人あたりに必要なスペースを把握しておきましょう。狭い場所に無理につめこんでしまうと、窮屈さや圧迫感を感じ、話し合いが活発におこなえない可能性もあります。一般的には、1人あたりのスペースとして、最低でも幅600~700mm奥行きは450~600mm程度は必要です。より圧迫感を軽減したい場合には、さらに100~200mm程度広めに設定するとよいでしょう。
応接室に使う家具の選び方
応接室として使用する場合には、どのようなポイントを意識して家具選びをすればよいのでしょうか。以下でくわしく解説します。
応接室のサイズにあう家具を選ぶ
まずは、応接室の広さやドアの大きさ、家具の寸法などをしっかり測りましょう。部屋の大きさに対して、家具が大きすぎると圧迫感が出てしまいます。また、逆に家具が小さいと落ち着かない雰囲気になります。部屋と家具の大きさにミスマッチが出ないようにすることで、快適で落ち着いた雰囲気になり、動線もスムーズです。
使う人数・使用目的を意識する
一般的な応接セットは、2~3人用ソファが1脚に、一人掛けソファ2脚、ローテーブル1台という構成です。少人数での商談や面談がメインの場合には、基本的な応接セットで問題ありません。ただし、3人以上来訪したり会議で使ったりするケースが多い場合は、高さのある会議用テーブルや椅子のほうが使いやすいため、使用目的に沿って選びましょう。
素材は予算・使用目的から検討する
ソファや椅子の素材は、主にファブリック(布)・合成皮革・本革に分けられます。本革は他の素材と比べて高価ですが、耐久性に優れており高級感があります。ファブリックは暖かな印象を与えることができます。また合成皮革は本革のような質感でありながらお手入れがしやすい点や本革と比べると安価でカラーバリエーションが豊富な点が人気です。素材は、それぞれ特徴が異なるため、予算や用途にあわせて選びましょう。
上質感のある応接室の事例
コクヨマーケティングが手掛けた応接室の事例を紹介します。
遮音性の高いブラインド内蔵タイプの間仕切りを採用。ブラインドの開閉により、セキュリティに配慮した機能性と開放的な意匠性の使い分けを実現しました。
高級感のある家具を取り入れ、落ち着いて対話や意思決定を 進められる空間に仕上げました。
ドイツの家具メーカー・ウィルクハーンの革張りでデザイン性の高い家具を選定することで、重厚感のある空間を演出しています。
応接室におすすめの家具
一例として、応接室におすすめの家具を紹介します。
コクヨ GAISS
GAISS(ガイス)は、重厚感とシャープな印象が特徴的な家具です。3人用ソファと1人掛けアームチェアは、クッション性を重視し快適な座り心地が特徴です。テーブルは3種類(サイドテーブル・コーナーテーブル・センターテーブル)あり、用途にあわせて選べます。上質な空間に仕上げられる、ハイグレードな家具となっています。
コクヨ BASIS
BASIS(ベーシス)は、シンプルでメンテナンス性に優れた応接用椅子です。ソファベッドと1人掛けアームチェアの2種類があり、張りぐるみタイプになっています。張り地は、ファブリックとビニールレザーの2種類で、応接室の雰囲気にあわせて選べます。ソファベッドのため、商談時などだけでなく災害時や休憩時にも役立ちます。
コクヨ BARRELED
BARRELED(バレルド)は、木フレームに再生材を使用しており、環境に配慮しながらもハイグレードな空間を演出できる家具です。ソファは、3人用ソファと1人掛けアームチェア、スツールがあり、用途に応じて組みあわせられます。応接用センターテーブル、電話台もあるため、統一感のある応接室に仕上がるでしょう。
応接室・会議室を兼用する場合におすすめの家具
応接室と会議室を兼用する場合におすすめの家具を紹介します。
コクヨ WT-400
WT-400(ダブリューティー400)は、高級感のあるデザインと天板サイズやカラーバリエーションの豊富さが特徴の会議用テーブルです。配線カバーを天板と同柄で作るなど、細部にもこだわり、上質感のある空間に最適な家具シリーズです。
まとめ
応接室のレイアウトを考える際には、まずは使用目的を決めましょう。応接室だけでなく、会議室と兼用する場合には、快適さや見た目だけでなく実用性も意識しましょう。また、応接室はおもてなしの空間としての役割もあります。その機能を損なうことが無いよう会議用備品の置き場所や運用には十分注意が必要です。
コクヨマーケティングでは、お客様の働き方にあわせた空間提案を行っており、オフィス移転から移転後のオフィス維持・運用までワンストップでサポートします。コクヨ社員が実際に働くオフィスを体感できる「オフィス見学会」も実施しているため、オフィスレイアウトにお悩みでしたらぜひお問い合わせください。
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