オフィスの雰囲気は、天井の種類や高さでがらりと変わります。
オフィスの移転やリニューアルなどの際には、天井の種類や高さも検討すると良いでしょう。
この記事では、オフィスの天井の種類や、望ましい高さについて分かりやすく解説いたします。
オフィスの天井の種類
オフィスの天井には、複数の種類があります。
以下では「在来工法天井」「システム天井(ライン型・グリッド型)」「スケルトン天井」の特徴について、解説いたします。
移転先の物件を内見する時や、自社のオフィスの設備を見直したい時などに、ぜひご参考ください。
在来工法天井
まず「在来工法天井」について解説いたします。
概要
在来工法天井とは、オフィスで多く採用されている吊り天井の1つです。
天井の下地材(骨組み)に、岩綿吸音板や石膏ボードやなどの仕上材を張ってつくる工法です。
オフィス以外でも病院や学校などで用いられており、日本で最も普及しています。
メリット
空調の位置や種類、照明の位置などを自由な仕様で決められるのが、在来工法天井のメリットです。
広く普及している工法のため、材料が安価で調達可能なのも特徴です。
使用する仕上材の種類によって、吸音性や断熱性を高める事ができます。
また内装制限等、法の範囲で不燃クロスや塗装などの仕上げを変える事も可能です。
デメリット
エアコンや照明などの天井設備を動かす事が難しいため、
デスクや間仕切りのレイアウトを変更しづらい点がデメリットといえます。
システム天井
次に「システム天井」について解説いたします。
概要
システム天井も、オフィスで広く普及している吊り天井の1つです。
下地材で作ったフレームに、仕上材と空調などの設備をはめ込むようにして組み立てる天井です。
システム天井の中でも。主に「ライン型」と「グリッド型」の2種類が普及しています。
ライン型システム天井(ライン天井)
システム天井の工法の1つ「ライン型システム天井(ライン天井)」について解説いたします。
概要
ライン型システム天井とは、空調などの設備機器や照明と天井の仕上材をまとめて組み上げる天井です。
一方向を室内側から見た際に、照明などの機器が並列になっているのが特徴です。
メリット
デスクを照明と並行に配置する事で、机の照度を均一化できます。
任意の寸法で、設備ラインの間隔を決められるため、室内のレイアウトに合わせた調整が可能です。
また、天井裏に換気や排管の設備がある事が多く、
個室を作る際、天井裏で繋がっている機能内では自由にレイアウトが可能です。
デメリット
ライン設備上のスリットで換気や空間の吸い込みを兼ねているものが多く
天井裏が吹き抜けになっているため、間仕切り設置の際の遮音に問題が出る事があります。
グリッド型システム天井(グリッド天井)
続いて、「グリッド型システム天井(グリッド天井)」を解説いたします。
概要
グリッド型システム天井とは、天井の下地材が格子状に組まれ、
その上に仕上材や照明等がパネルごとにはめ込まれている天井です。
メリット
仕上材や照明材を部分的に取り外せるので、メンテナンスやレイアウト変更をしやすいのがメリットです。
下地材が格子状に組まれているため、ライン型システム天井よりも仕上材が落下しにくい工法です。
意匠性に優れており、パネルを取り除けば天井裏の点検がしやすいのもメリットです。
デメリット
ライン型システム天井と比べると高価な天井です。
スケルトン天井
最後に「スケルトン天井」について、解説いたします。
概要
スケルトン天井とは、天井に部材を付けず、建物の躯体がむき出しの状態の天井です。
コンクリートや配管がまる見えの状態で、カジュアルなカフェやレストランなどで見かける事の多い工法ですが、近年オフィスにも利用されるケースが増えています。
メリット
スケルトン天井は、天井を付けない事によって、オフィスに開放感を持たせる事ができます。
実際に天井高は50cm~1mほど高くなるため、部屋全体が広く感じるようになります。
天井の低いスペースでは、閉塞感や圧迫感を感じる人も少なくありません。
開放的で居心地の良い空間をつくる事で、社員がリラックスして働く事ができます。
デメリット
スケルトン天井は天井面がなくなるため、反射率が下がります。
ビルの構造や消防法、建築基準法などの関係によって、スケルトンにできない物件もあるため注意が必要です。
また、退去する際は入居時の状態に戻す事が義務付けられているため、原状回復に多額な費用がかかる可能性があります。
外気の影響を受けやすく、冷暖房が効きにくいのも理解しておきましょう。
オフィスの天井高
オフィスづくりにおいて、天井高は慎重に検討すべきポイントです。
天井高とは、床から天井までの高さのことを指します。
天井高の重要性や、快適な天井の高さについて、詳しく解説いたします。
オフィスの天井高の重要性
天井の高さは仕事の効率にも影響します。
なぜなら、あまりに天井の高さが低いと、閉鎖感や圧迫感を感じてストレスになるからです。
閉所恐怖症の人は特に圧迫感を感じると言われています。
反対に、あまりに高すぎる天井も落ち着かず、居心地が悪く感じるため、オフィスは適切な天井高でつくりましょう。
オフィスの快適な天井高は?
人が仕事をしやすいと感じる天井高は、2.6m程度といわれています。
建築基準法では、天井の高さは2.1mとなっていますが、
新しいビルでは2.8m以上確保しているケースも多く、古いビルでも2.4~2.6mが平均的です。
また、オフィスのフロア面積によって適切な天井高は異なります。
ビルのワンフロア全てを使うような1000㎡以上ある広いオフィスの場合、3m以上ないと圧迫感を感じてしまう事があります。
フロア面積と天井高の基準は以下のとおりです。
- 200㎡未満:天井高2.6m
- 200㎡~1000㎡未満:天井高2.6~2.9m
- 1000㎡以上:天井高3m以上
まとめ
オフィスの天井の種類や高さは、快適なオフィスづくりを行う上で大切な要素です。ビル設備によって対応可能な仕様は異なりますが、目的に合わせて適切な天井を選びましょう。コクヨマーケティング株式会社のオフィス移転・リニューアルは年間25,000件以上の豊富な実績から、お客様の働き方に合わせた空間提案をいたします。天井をはじめ、壁や床、間仕切りなどの内装も、オフィスづくりのプロにおまかせください。
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