固定席からフリーアドレスに変わり「書類が山積みで、結局席が固定化してしまった・・・」そんなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。 フリーアドレスになると、今まであった個人のワゴンや引き出しなどが無くなり、収納スペースが減ってしまいますので、 多くの企業は、フリーアドレス導入前に書類の廃棄やデータ化など、ペーパーレス化を併せて検討されます。
ただし、それでも紙の書類を全て無くすのは、難しいのが実情です。
書類を適切なタイミングで廃棄し、不要な書類を増やさないためにはどうしたらよいのでしょうか。
今回は、フリーアドレス導入する上で、事前に押さえておきたい書類管理のテクニックをご紹介します。
適切な書類量ってどれくらい?
フリーアドレスを導入していないオフィスの場合、個人で使用する書類の主な保管場所は、固定席のサイドワゴンです。
1席に何台のワゴンを設置するかによって前後しますが、片袖デスクの場合、おおよそファイルボックス4~8個分程度、座席の左右に1台ずつワゴンを設置する両袖デスクの場合は、8~16個分収納できます。
一方で、フリーアドレスの場合、個人の収納スペースは、パーソナルロッカーが基準となります。
こちらも収納量は、大きさによって様々ですが、個人で保管できる書類量は、一般的なサイズのパーソナルロッカーの場合、ファイルボックス4個分、大容量タイプのロッカーでファイルボックス12個分程度が目安となります。(ノートパソコン1台+書類の収納を想定)
このように、固定席に比べ、フリーアドレスの場合は、個人で使用できる収納スペースが減るため、書類管理方法の見直しが必要となります。
書類管理のルール
業務内容によっては、個人で所有している書類の全てをパーソナルロッカーで管理することが難しい場合もあるでしょう。
ただし、足りないからと言って、闇雲に収納スペースを増やすことは、良い解決策とは言えません。
そのため、まずは不要な書類を廃棄し、次に「個人で持っておくべき書類は何か」を明確にし、保管場所や期間などのルールを設け、書類を適切な方法で管理することが大切です。
例えば、「仕掛中の書類は個人で管理し、完成後、原本での保管が必要な場合は、部門共有の収納庫で期限を決めて保管する」など、書類管理のルールを予め決めておくことをおすすめします。
ここでは、書類管理に関するルールをいくつかご紹介します。
「書類の管理基準」を定める
書類は、意識して廃棄しないと溜まっていく一方です。
大掃除の際、何年も前の書類や雑誌が出てくるといった経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
不要な書類を増やさないためには、書類管理の基準を定めることが大切です。管理基準に従い書類の運用を行うことで、効果的に文書量の削減が図れ、書類の整理ができます。
また、オフィス内の書類を削減するには、廃棄だけでなく、倉庫での保管や電子化なども検討しましょう。
「個人書類」「共有書類」「重要書類」の3つに分けて管理する
オフィスで保管する書類は、書類の内容ごとに「個人書類」「共有書類」「重要書類」の3つに分けて、保管場所や運用ルールを定めましょう。
<個人書類>
仕掛中で、共有するまでには至っていない書類や情報収集のために集めた書類。主にパーソナルロッカーで管理します。
<共有書類>
複数名で使用する書類。業務を共有する部署の共有収納庫で管理。
管理担当者を決めてルールどおりに収納されているかを定期的に点検しましょう。
<重要書類>
契約書等の機密文書、原本での保管が必要な文書。鍵のかかる収納庫で管理しましょう。
社員にルールを周知する
書類管理のルールは、決めるだけではなく、続けていくことが大切です。
継続していくことで、不要な書類を削減し、スペース効率や業務効率が高い状態を維持することが可能となります。
ルールを周知、徹底するためには、「各部署からファイリング担当者を選出する」など、社員参加型でファイリング維持のための管理体制を構築することが大切です。
併せて、ファイリング担当者を中心に、ルールが守られているかどうかを定期的に見回りチェックする機会を設けるもの有効な手段です。
ルールに反している箇所には「違反チェックシール」を貼ると、改善がしやすくなると共に、ルールの浸透が図れます。
「クリーンデスク」や「一斉清掃」でキレイな状態を維持する
フリーアドレスにおける「クリーンデスク」とは、「外出時や退社時にオフィスから離れる際は、デスクを綺麗な状態にしてから移動する」ことです。
フリーアドレスでは、デスクはみんなで使う共有物です。「みんなの席なので、綺麗にしてから席を移動しましょう」とルール化することで、席を移動する際は、自然と書類を整理する習慣がつき、“不要なものが放置されたまま”といった状態を防ぐことにつながります。
また、オフィスを環境を維持するためには、社員全員でオフィス全体を掃除する「一斉清掃タイム」を設けるのもおすすめです。週1回、10分程度、担当エリアを割り当てて掃除することを習慣化することで綺麗な状態が維持できると共に、社員の環境整備に対する意識付けにも効果が期待できます。
書類の「セキュリティ管理」や「持ち運び」に便利なアイテム
コミュニケーションの促進を期待してフリーアドレスを導入する場合、仕切りの無いオープンな空間で、様々な部署のメンバーとデスクを共有して使用する形態を採用するケースがあります。そこで気になるのが、書類のセキュリティの問題。
いままでは、自席のデスク上に何気なく置いていた書類も、「関係者外秘」や「部門外秘」などセキュリティレベルの高い書類を扱う際は、セキュリティへの配慮が必要となります。
書類のセキュリティ管理には「セキュリティクリヤーホルダー」がおすすめ
クリヤーホルダーの表面に特殊な地紋印字が施されたクリヤーホルダーを使えば、紙に書いてある文字が見にくくなるので、書類のセキュリティ管理に最適です。
また、カフェやコワーキングスペースなど、オフィス以外の場所で働く時にも、書類のセキュリティ管理は気になるもの。
そういったシーンにもおすすめのアイテムです。
フリーアドレスの場合、出社時や社内移動時など、固定席と比較し、パソコンや書類などの仕事道具をもって移動する頻度が上がります。そのため、フリーアドレス移行後、「荷物の移動が大変だ・・・」と感じている方は多いようです。
書類などの荷物の移動には「社内用持ち運びバッグ」を使う
自分のロッカーから、PCやよく使う書類などをまとめて移動、収納できる「モバイルバッグ」の活用がおすすめです。移動の頻度が高い方は、アクティブに動くことのできる「肩にかけられるタイプ」だと両手が空くため、更に便利です。
持ち運びバッグ選ぶ際は、持ちやすさや机上での使いやすさはもちろんですが、ロッカーへの収納のしやすさも考慮しましょう。
また、書類が多い場合は、取って付きのファイルボックスとの併用がおすすめです。
持ち運びのしやすさは勿論のこと、「見出し付きのクリヤーホルダー」と一緒に使用することで、無駄な書類を増やさず、常に整理された状態を維持することができ、フリーアドレスでの書類管理をストレスなく行うことができます。
また、ファイルボックスを使って、書類をデスク上に“立てて置く”ことで、検索性が向上するとともに、机上面を広く使用することができます。
さいごに
フリーアドレス導入の際に、事前に押さえておきたい「書類管理のテクニック」についてご紹介しました。
コクヨには20年を越えるフリーアドレスオフィス実施の経験があります。
自ら体験を重ねることで、机上の空論ではない、実際の社員の行動・気持ちから考えたオフィスの提案が可能です。今回、ご紹介したフリーアドレスのオフィスにおける書類対策をはじめ、フリーアドレスのオフィスで起こりうる課題に対して、御社の働き方を踏まえた上で、最適なソリューションを提供いたします。
フリーアドレスの導入を検討中の方はもちろん、今フリーアドレスを実施している中で、上手くいってないなと感じていらっしゃる方も、ぜひコクヨマーケティングへご相談ください。
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