フリーアドレスにはさまざまなメリットがあるため、多くの企業が導入しています。
デメリットとしては、席が固定でないため電話の取り次ぎが課題になってきます。ここでは、フリーアドレスの導入を検討中の経営者や担当者に向け、電話の取り次ぎにかかわる課題と解決策を解説します。具体的な対策も紹介しますので、ぜひお役立てください。
フリーアドレスを導入するメリット
テレワーク導入が進むと、従来の固定席では空席が目立つようになりオフィス空間に無駄を感じるようになります。
フリーアドレスにすることで席数を減らし余剰空間を縮小する、またはコミュニケーションエリアに活用するなど新しい働き方として、多くの企業が採用を初めています。フリーアドレスでは顔をあわせる人が日々変わるため、社内のコミュニケーションが活発化するメリットもあります。また、業務内容にあわせて場所を変えられるため生産性が向上しやすいとも言われています。
さらに、私物を置いたまま場所を移動することができませんので、自然に整理整頓され、美化につながります。加えてデスクやパソコン、文房具などの設備や備品を共有できるため、コスト削減効果も期待できます。
電話の取り次ぎはフリーアドレス導入における課題のひとつ
フリーアドレスの導入にあたり、固定電話の利用方法に悩むケースは少なくありません。自席で働いている場合は、座席表をもとに内線を回せます。しかし、フリーアドレスでは、毎日働く場所が変わり、場所の特定が困難になるからです。
仮に固定電話に対応する専属の係を用意したとしても、取り次ぐ相手の居場所がわからなければ、スムーズに内線を回せません。業務効率が悪くなるのに加え、電話の取り次ぎがストレスになるようでは快適な職場環境とは言いがたいのです。
フリーアドレスでの電話取り次ぎを解決する6つの方法
フリーアドレスで、電話の取り次ぎを解決する手法は以下のとおりです。
・デジタルコードレスフォンを使用する
・クラウドPBXを導入する
・社用携帯を活用する
・フリーアドレス座席表システムを導入する
・電話代行サービスを利用する
・代表電話を公表しない
それぞれの方法を詳しく解説します。
解決策【1】デジタルコードレスフォンを使用する
デジタルコードレスフォンの特徴や機能、導入するメリットについて紹介します。
デジタルコードレスフォンとは?
デジタルコードレスフォンとは、電話の子機のように個人で持ち歩ける端末です。固定電話を受け取った人はいったん保留を行い、内線で個々の端末に転送します。
デジタルコードレスフォンの特徴は、個人それぞれが端末を持てる点と、場所にとらわれないで通話できる点です。相手の場所がわからなくても、持ち歩いている端末の番号さえわかれば電話を取り次げます。固定電話のところに戻らなくてすみ、移動しながらでも通話できます。
このような特徴からフリーアドレス運用と相性が良いとツールと言えます。
デジタルコードレスフォンの導入メリット
デジタルコードレスフォンを導入すると、固定電話を受けた人が、取り次ぐ相手を探し回らずにすみます。また、導入時の配線工事が不要なため、オフィスのレイアウトを変えずに使用できます。なお、個人が端末を持てる点では、スマートフォンも同じです。ただし、スマートフォンは端末そのものや通信費が割高なため、コストの点ではデジタルコードレスフォンが有利です。
解決策【2】クラウドPBXを導入する
クラウドPBXの特徴や機能について、従来のPBXとの違いや導入するメリットについて紹介します。
クラウドPBXとは?
PBX(Private Branch eXchange)とは、オフィスに設置する電話交換機を指します。また、クラウドPBXとは、クラウド上のPBXをネットワーク経由で利用する仕組みです。社員はスマートフォンやクラウドPBXを経由した電話機を持ち、固定電話からの内線に対応できます。
クラウドPBXは通話データを活用することも可能です。発着信履歴や通話内容などのデータを集めて分析し、企業活動に生かしましょう。
クラウドPBXを導入するメリット
クラウドPBXを導入すると、スピーディーな電話の取り次ぎが可能です。デジタルコードレスフォンと似ている部分もありますが、取り次ぎの速さではクラウドPBXに分があります。
また、クラウドPBXは設置や配線工事が不要です。スマートフォンでやり取りする場合は、専用のアプリをインストールするのみでよいため手間がかかりません。いったん契約をすると場所を問わず通話できるため、特に事業所の拡大を検討中の企業におすすめです。
解決策【3】社用携帯を活用する
社用携帯の特徴や機能、導入時に検討すべきルールや導入のメリットについて紹介します。
社用携帯とは?
社用携帯とは、一般的な電話機やスマートフォンを社員に支給し、通常の通話機能やIP電話を内線として機能させる方法です。
なお、社用携帯を導入する際は、コストとセキュリティ面の対策が必要です。仕事とプライベートの両方について、ルール化しましょう。たとえば、プライベートのデータは社用携帯には保管しない、プライベートの通話・通信には使わない、端末をなくしたら速やかに報告するなどのルールが挙げられます。
社用携帯の導入メリット
社用携帯を導入すると、外部から個人がもつ社用携帯に直接連絡を取れるため、固定電話には電話がかかってきません。内線での呼び出しが不要になるため、担当者の席を調べる必要がなくなります。また、法人向けのプランがあれば利用しましょう。個人向けのプランよりも通信・通話料を安く抑えられ、経費を削減できます。
解決策【4】座席表システムを導入する
座席表システムの特徴や機能、導入のメリットについて紹介します。具体的なシステムも解説するため参考にしてください。
座席表システムとは?
座席表システムを使うと、Webサイトやアプリ上で社員がどの座席にいるのかを可視化できます。ポイントはフリーアドレス対応のシステムを選ぶことです。社員のスケジュール、休憩や外出などによる離席の把握など、フリーアドレスに役立つ機能が搭載されているためです。
座席や会議室の予約を「ホテリング」と言います。ホテリングシステムとは座席を予約する仕組みを指し、社員の出社予定を閲覧・管理できます。予約座席を抽選制にして固定化させないタイプのホテリングシステムもありますので、コミュニケーション活性化を促す目的の場合おすすめです。
座席表システムの導入メリット
座席表システムを使うと社員の座席を把握でき、近くの固定電話に内線を回せますのでコードレスフォンを採用しない場合など、運用面でカバーできるメリットがあります。
座席が可視化されても、社員が席を外すことや会議室にいる場合など動的な把握はできません。そこで最近ではオフィス各所にビーコンセンサーを設置し、スマートフォン等で個人の位置を把握し、リアルタイムで社員がどこにいるか示す仕組みの導入がすすんでします。これらの多くはログも取れますので、社員の行動分析にも使え、新型コロナ感染の濃厚接触者の特定にも役立ちます。
解決策【5】電話代行サービスを利用する
電話代行サービスの具体的な内容や、導入するメリットについて紹介します。
電話代行サービスとは?
電話代行サービスを利用すると、外部企業に電話対応を委託可能です。また、やり取りの内容については、チャットワークやLINEなどのコミュニケーションツールで通知してもらえます。なお毎月の対応件数や、応対のレベルは各サービスで異なります。
電話代行サービスの導入メリット
電話代行サービスを利用すると、電話に出るわずらわしさから解放されます。仕事に没頭していても、電話対応をすると集中力が途切れかねません。電話対応をなくし、生産性の向上をはかりましょう。また、電話の取り次ぎや対応にストレスを感じる社員は、電話代行サービスの導入によりパフォーマンスが向上します。
解決策【6】代表電話を公表しない
そもそも、代表電話を公表しなければ固定電話を使わずにすみ、取り次ぎ自体なくなります。企業のWebサイトやメールの署名欄、社用封筒や名刺などに代表電話の情報があれば削除しましょう。実際、代表電話を公表しない企業は増加しています。なお代表電話を使わなくても、営業時に個人がもつ社用携帯の番号を伝えれば、得意先とのやり取りに支障がありません。
まとめ
フリーアドレスを導入するときは、固定電話の取り次ぎ対策を検討しましょう。クラウドPBXを導入する、社用携帯の導入などさまざまな方法があります。
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解説します。フリーアドレスを成功させるために必要な事前準備のポイントなど、ぜひ参考にしてください。
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