オフィス コミュニケーションの活性化は、仕事の生産性を高めるうえで重要な役割を果たします。
この記事では、コミュニケーションを活性化させるメリットや、役に立つレイアウト事例、オフィスづくりの注意点などを紹介いたします。
オフィス コミュニケーションに課題に感じておられる企業様は、ぜひご参考ください。
オフィス コミュニケーションを活性化するにはどうすれば良いか?
オフィス コミュニケーションを活性化させるためには、様々な方法があります。
その中でもオフィスのレイアウトの変更は、コミュニケーションを活性化させるための有効な手段の1つです。
レイアウトの変更によって、これまでより意思の疎通が取りやすくなったり、偶発的なコミュニケーションが生まれるようになったりします。
オフィス コミュニケーションが必要な理由
業務を円滑に進めるため
オフィス コミュニケーションは、部署やチーム、他部署間での業務をスムーズに行うために必要不可欠です。
また、経営層と社員間のコミュニケーションは、企業理念の浸透や労働環境の改善に繋がります。
働き方や環境の変化に対応するため
働き方改革の推進や新型コロナウィルス感染対策の一環により、テレワークや在宅勤務といったワークスタイルの多様化が進んでいます。
しかし、これらの変化によって新たなコミュニケーションの課題も出てくるようになりました。
毎日オフィスで顔を合わさずとも、社員間のつながりを深められるよう、オフィス コミュニケーションの在り方を検討する事が大切です。
オフィス コミュニケーション不足が招く弊害
円滑なコミュニケーションが取れないオフィスでは、情報が正しく伝わらずミスを招いたり、プロジェクトが滞ったりします。
1人で仕事を抱えすぎて、作業効率が低下するケースもあります。環境や働き方の変化によってコミュニケーションが減少し、今までより連携が取りづらくなる事もあります。
従来と、現在求められているオフィス コミュニケーションの違い
社会情勢の変化によって、オフィス コミュニケーションの取り方にも変化が起こっています。
ここでは、従来と現在におけるオフィス コミュニケーションの違いを説明いたします。
従来のオフィス コミュニケーション
従来のオフィスでは、組織運営を円滑に進めることを意識したレイアウトが一般的でした。
例えば、同じ課で島を作るようにデスクを向かい合わせに配置し、社員ごとに固定席があるケースがほとんどでした。
このため、業務に関わりのある社員同士のコミュニケーションは取りやすいものの、他の社員とは、喫煙スペースや終業後の飲み会など、交流の場を社員自身が探す必要がありました。
現在求められているオフィス コミュニケーション
現在は、部署や役職などを越えて、コミュニケーションが気軽の取れるオフィス空間が重要視されています。
例えば、座席の運用を固定席からフリーアドレスに変更したり、カフェスペースやミーティングスペースをつくるなど、オフィスコミュニケーションを誘発する仕組みをつくる企業が増えています。
これにより、プライベートな時間を削らず、業務時間中に自由なコミュニケーションが可能になります。
コミュニケーションを活性化するオフィス空間の事例
社内でのコミュニケーションに課題を感じている場合、オフィスのレイアウトを見直してみましょう。
以下では、代表的なオフィス空間の事例を紹介いたします。
【スペース事例】
・フリーアドレス対応のワークスペース
フリーアドレスとは、社員ごとに固定席を設けず、ノートパソコンなどを活用して自分の好きな席で働くスタイルの事です。
ワゴンのかわりに、個人用ロッカーなどを導入する事で、それぞれの持ち物を管理します。
毎日、業務内容や気分によって異なる空間や座席で作業を行えるほか、隣り合わせになる社員も日によって異なるため、部署を越えた交流の機会を増やす事ができます。
・リビングルームのようなワークスペース
住宅のリビングのような空間をワークスペースにしている例もあります。
木目調のテーブルやソファ席など、まるで自宅に居るかのようにリラックスできるスペースをつくる事で、社員同士が気さくに会話できる雰囲気になります。このようなスペースに場合も、フリーアドレス制を取り入れると良いでしょう。
・大人数が集まる事のできるフリースペース
用途に合わせてレイアウトを変更できるうえに、大人数の収容が可能なスペースを設けることで、少人数の打ち合わせから社内イベントまで、様々な用途で有効活用できます。また、移動させやすいパーティションや、スライディング式の壁を設置する事で、簡易の個室空間をつくる事も可能です。
・セミナー用スペース
セミナーを実施できるスペースがあれば、自社で開催する場合に用いたり、使用しない日は外部に場所を提供したりする事で活用できます。また、セミナー以外にも、カフェスペースとの兼用や社員同士の勉強会などの利用も可能です。
・オープンな商談用スペース
守秘性の低い打ち合わせや商談が多い場合は、開放感のある商談用スペースを設置する方法もおすすめです。使われていない時は、社内ミーティングやリフレッシュエリアとして兼用する事でスペースを有効活用できます。
・オープンなミーティングスペース
オフィスの一角にオープンなミーティングスペースを設ける事で、気軽に打ち合わせができるようになり、コミュニケーションの機会が増えます。ソファ席にしたり、観葉植物などを設置したりすれば、ゆったりとくつろいで会話できる空間になります。
・落ち着いたミーティングスペース
ワークスペースから離れた場所に、ミーティングスペースを設けるレイアウトの仕方もあります。
社員の目が気にならないため、初めてオフィスを訪問する人でも、落ち着いた雰囲気の中で打ち合わせやミーティングを行えます。
・立ち話スペース
短時間のミーティングや会議を行う場合は、立ち話スペースの設置もおすすめです。
あえて座席を設けないことで、時間の短縮化を図れるほか、気軽な情報共有も行う事もできます。
・コピーコーナーのスペース
コピーコーナーに共有できる文具を設置したり、作業場を併設したりする事で、より人が集まりやすい空間になります。
これによって、紙の出力を待つ時間や、ステープラーで資料を綴じる時間など、居合わせた社員同士で会話をするタイミングが増える事が期待されます。
・1対1でミーティングが可能なスペース
1 on 1を定期的に行う場合や今後取り入れたいという場合には、1対1で面談が行えるスペースがあると、実施を促しやすくなります。スペースを設置する際は、防音対策をするなど、落ち着いて会話ができる空間をつくる事が大切です。
・1人で集中できるスペース
コミュニケーションの取りやすい環境をつくると、仕事に集中したくても、上司や同僚に話しかけられる事で、手を止めなければならない場面も増えてきます。
1人で集中できるスペースを設ければ、「今は話しかけないで」といった暗黙の了解の中で、仕事に取り組む事ができます。また、このようなクローズドなスペースは予約制や時間制限などを設ける事で、オープンスペースとバランス良く使い分けられるようにするのがおすすめです。
・リフレッシュスペース
オンとオフのスイッチを切り替えられるリフレッシュスペースがあると、社員の満足度も高まりやすいです。飲み物を充実させるほか、推薦図書やマンガ、卓球台などを設置すると、社員間のコミュニケーションのきっかけにもなります。
【デスクの配置事例】
・同フロアに全部署の席を設置する
会社の規模が大きくなるほど、部署ごとにフロアが異なる場合も多く、他部署の社員との交流がしづらくなります。
同じフロアに全ての部署の席をレイアウトする事で、部署や役職を超えた交流が可能になります。席数に対して1フロアの面積が足りない場合は、フロア横断型のフリーアドレスを導入するケースもあります。
・ジグザグ型に配置する
デスクをジグザグに並べるレイアウトで、席に着く際の動線を一定化せず、様々な人とのコミュニケーションの機会を増やす事ができます。また、4人1島にする事で、斜め隣に座って打ち合わせをしやすくなります。
・ブーメラン型に配置する
120°のテーブルを用いたレイアウトで、机上面が広く取れるため複数モニターの設置にも適しています。
作業時には向かいの人と視線が交差しませんが、対人距離も確保しやすくコミュニケーションも取りやすいレイアウトです。
オフィス コミュニケーションの活性化によるメリット
オフィス コミュニケーションを活性化させるメリットについて、説明いたします。
生産性の向上
円滑なコミュニケーションが取れる環境をつくる事で、チームや部署内だけでなく、他部署の社員との連携もスムーズに行えるようになります。また、社員同士が良好な関係を築く事で、エンゲージメントが高まります。これらの結果として、会社全体の生産性の向上に繋がります。
会社全体の動向が分かりやすくなる
他部署の社員同士が交流を深められる環境をつくる事で、情報共有なども活発化し、会社全体の動向を把握しやすくなります。また、会社の理念や経営戦略を社員に周知させるうえでも効果的です。
離職率の低下
オフィス コミュニケーションが活性化すると、仕事の相談や、協力してほしい時に声を掛けやすくなります。また、仕事で困っていそうな部下や後輩の様子に気付くタイミングも増えて、手助けする事もできます。社員同士が助け合い、働きやすいと感じられるオフィスづくりは、離職率を下げる事にも繋がります。
新たなスペースの設置やレイアウト変更以外の工夫
オフィス コミュニケーションを活性化するために、手軽に始められる方法を紹介いたします。
パーティションを撤去する
パーティションを設置しているオフィスであれば、撤去する事で、島や部署間の隔たりをなくす事ができます。業務に支障が出ないかどうか心配な場合、まずは一部だけ撤去したり、可能であればパーティションを処分せず、一時的に保管しておくと安心です。
コミュニケーションが生まれる仕組みをつくる
社員が自由に意見を書き込めるボードの設置や、定期的なランチ会などを設ける事で、これまでになかったコミュニケーションがうまれます。リフレッシュスペースに定期購読誌を置く、ドリンクメニューを充実させる事で、社員に継続的に立ち寄ってもらえるよう工夫も行いましょう。
社員にアンケートを行う
社員アンケートをとり、コミュニケーション不足の原因を正しく知ることも大切です。コクヨマーケティングでは、インターネットを用いたアンケート「はたナビPro」によって、オフィス環境の改善・見直しのお手伝いを行っております。無料で行う事ができますので、お気軽にお問合せください。
コミュニケーション活性化のためのオフィスづくりを行う際の注意点
オフィス コミュニケーションを活性化するためのオフィスづくりを行う際は、以下のポイントに気を付けましょう。
ABW(Activity Based Working)の考え方を取り入れる
ABW(Activity Based Working)とは、社員が自身の判断で、仕事を行うスペースを選べるワークスタイルのことです。コミュニケーションの活性化だけでなく、生産性の向上につながるオフィスづくりを行う必要があります。
集中して業務を行えるスペースを設置する
壁や仕切りの少ないオフィス空間だと、仕事内容によっては集中できなくなるというケースも出てきます。1人で集中できるスペースを設置するなど、働く場所を使い分けられるようにする事で、生産性の低下を防ぐ工夫も必要です。
セキュリティ対策を強化する
コミュニケーションを活性化するためのオープンスペースが増えると、機密情報が他部署や外部に漏えいするリスクが高まる可能性もあります。そのため、オープンスペースでは重要な情報を含むやり取りは行わない、機密資料を厳重に管理する、エントランスなどのセキュリティレベルを上げるなどの対策も行いましょう。
まとめ
オフィス コミュニケーションを活性化するため、レイアウトの見直しは有効な手段の1つの方法です。
コクヨマーケティングでは、年間25,000件以上の実績から、お客様の働き方や課題に合わせた空間をご提案いたします。
ビル選定から、オフィス移転やリニューアル、維持・運営まで、ワンストップでのサポートが可能です。
コミュニケーションを活性化させるためのオフィスづくりでお悩みの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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