目標を達成するために強い組織をつくりあげていく手法をチームビルディングと呼びます。
元々は、欧米で導入されている組織づくりの手法で、
チームや組織のパフォーマンス向上を図るための手段として、ここ最近日本でも、注目されています。
この記事では、チームビルディングの目的やメリットについて解説します。
おすすめのアクティビティやゲーム、チームビルディングに最適なオフィスレイアウト事例についても
紹介していますので、強い組織づくりに役立てたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
チームビルティングとは
「チームビルディング」とは、メンバーそれぞれのスキルや能力、経験を最大限に生かし、チーム全体で目標を達成するための取り組みのことを指します。チームで分かれてアクティビティをするような研修や日常業務でのコミュニケーションといった具体的な方法も含めてチームビルディングと呼ぶことがあります。チームもグループも、共通の目標を持つ集団という観点では同じですが、チームは成果を高め、目標達成を求められるのに対し、グループはある目的のために集まった単なる集団であり、その多くは目標達成を求められません。
チームビルディングの目的
チームビルディングはチーム作りの手法ですが、何を目的としているのでしょうか。
ここではチームビルディングの目的について解説します。
適切な人材配置ができる
チームビルディングの目的として、適切な人材配置があげられます。チームビルディングを通じて、メンバー間でのコミュニケーションが増え、互いのスキルや経験、価値観、考え方の理解が深まります。そのため、リーダーは、適性を考えた人材が配置でき、最適な役割分担が可能になります。
マインドセットを形成できる
マインドセットを形成することも、チームビルディングの目的のひとつです。
チームビルディングを通じて、メンバー間の関係構築を促し、チームの一体感がうまれることで「このチームで目標を達成したい」といった想いが醸成できます。
また、チームビルディングはコミュニケーションの活性化やチームワーク向上にもつながります。
チームビジョンを浸透させる
チームビルディングは、チームにビジョンを浸透させることも目的としています。
チーム全体でどのような目標を達成するのか、また目標達成に向けた戦略や各自の役割を理解することで、自分は何をすべきか自発的に考え、自らアクションを起こしたりすることも期待できます。
一般的には、入社時の研修やプロジェクト開始時にチームビルディングが行われていますが、経営層から各チームへ会社全体のビジョンを共有する機会としても、チームビルディングは有効な手段といえます。
チームビルディングを行うメリット
ここでは、チームビルディングのメリットについて解説します。
コミュニケーションが活性化する
チームビルディングによって、チームの目標という共通認識が生まれ、コミュニケーションが活性化します。コミュニケーションが増えると、チーム間の情報共有も円滑に進み、チーム内での課題解決が促進されます。その結果、チーム内の報告不足や連絡ミスによるトラブルも減ります。
チームメンバーのモチベーションが向上する
チームビルディングによって、メンバーは自分自身の役割を理解し、チームに対して貢献したいという感情が育まれます。この感情がメンバーの能動的なアクションを生み、仕事での成果につながります。仕事に成果がでると、メンバー自身のモチベーションが高めるため、さらなる能動的なアクションにつながるという好循環が生まれます。
アイデアが生まれやすくなる
アイデアが生まれやすくなることも、チームビルディングのメリットです。チームビルディングによって、メンバー同士がスムーズにコミュ二ケーションを取れるようになります。前向きな議論が行われると、新しいアイデアも創出されやすくなるでしょう。
生産性が向上する
前述したチームビルディングのメリットは、生産性の向上にもつながります。高いモチベーションや、コミュニケーションが活発な環境、アイデアが生まれやすい環境は、メンバー個々の成長に寄与します。メンバー個々の成長は、組織全体の生産性向上にもつながるでしょう。
外部からの影響を受けにくくなる
環境変化の激しい社会の中で、モチベーションを維持して高い成果を上げるためには、チームの共通目標や団結力が必要です。チームビルディングは、チームの共通目標達成に向け、団結力をもたらし、外部の環境変化に強いチームをつくります。一方で、待遇などの外発的メリットのみで維持されているチームは、外部からの影響に弱く、流されやすい傾向にあるでしょう。
チームビルディングにおける5つのプロセス「タックマンモデル」
目標を達成するためには、チーム自体の成長が必要です。
ここでは、アメリカの心理学者ブルース.W.タックマンが1965年に提唱した「タックマンモデル」と呼ばれるチームビルディングの5つのプロセスについて解説します。
形成期
形成期は、チームができて間もない段階を指します。チームメンバー同士が互いのことをあまり知らず、チームの目標や各メンバーの役割が不明確な状態のため、自分が何をすればいいのかわからず不安に感じるメンバーも多い傾向があります。この段階では、メンバー同士のコンタクトを妨げるような障害を取り除き、コミュニケーションを促進していくことが重要です。例えば、メンバー同士が、お互いの理解を深めるきっかけになるよう、何かしらのアクティビティや交流会の場を設けるなどの具体的な方策が必要になります。
混乱期
チーム内で対立が生まれる段階を混乱期と呼びます。チームが組成されて時間が経つと、メンバーそれぞれの意見の違いから、チーム内で混乱や対立が発生します。この段階では、メンバー間の軋轢を恐れずに議論を継続し、メンバー同士の相互理解を深めていくことが大切です。
統一期
統一期は、チームが安定している段階です。混乱期のコミュニケーションを経て、チームメンバーが互いの価値観や考え方を理解し、信頼関係が構築できている状態です。次のフェーズに進むためには、チームで共通の目標を探し、各メンバーが能力を発揮できる役割を新たに見出していく必要があります。
機能期
チームが機能し、成熟している段階を機能期と呼びます。チームには共通の目標が存在し、各メンバーが能力を発揮できる役割を担っており、さらにメンバー同士が互いにフォローできている状態です。この状態を維持するためにも、リーダーはメンバーへのサポートやチームワークを高めるアクションを継続することが求められます。
散会期
散会期は、チームが解散する段階です。プロジェクトの終了やメンバーの異動、時間的な制限などの理由でチームは必ず散会期を迎えます。チーム目標の達成状況から、チームビルディングの成果を検証しましょう。また、チームの解散を惜しむ声や、成果を互いに称える光景を見ることができれば、メンバー間の関係性が良好であったことが伺えます。
チームビルディングにおすすめのアクティビティやゲーム
タックマンモデルの段階ごとにチームの状態は異なります。
ここでは、各段階でおすすめのアクティビティやゲームについて解説します。
形成期に行う取り組み
形成期では、楽しく参加しながら、メンバーが相互に理解を深められるアクティビティがおすすめです。例えば、「マシュマロ・チャレンジ」や「ペーパータワー」などが挙げられます。
「マシュマロ・チャレンジ」は、4名程度のチームに分かれ、マシュマロとパスタ、テープ、ひもを用いてタワーを作るゲームです。最も高いタワーを作ったチームが勝ちというルールです。「ペーパータワー」は、さらにシンプルで、チームごとに30枚程度のA4用紙でタワーを作成し、その高さを競うゲームです。
いずれも、いかにコミュニケーシを取ってバランスよく組み立てるかがポイントで、限られた材料や時間を駆使して組み立てることでチームとしての一体感が生まれます。
混乱期に行う取り組み
混乱期には、「NASAゲーム」がおすすめです。
「NASAゲーム」は、月面に不時着した宇宙船から、200マイル(約320km)はなれた母船に無事たどりつくため、
15アイテムの中で必要なものから順に1番から15番までの優先順位をつけるゲームです。
具体的には、まず自分の意見を提示し、その後、チームで話し合いながら全員で1つの結論を導くという流れになります。全員が納得できる回答を話していく中で、合意形成のプロセスや協調的など問題解決の重要性について学ぶことができます。
NASAの模範解答に近いチームが勝ちというルールですが、ゲームを通じてメンバーの価値観や考え方を理解することが、混乱期には重要となります。
統一期に行う取り組み
統一期のチームビルディングでは、「BBQ(バーベキュー)」などのアクティビティがおすすめです。
BBQは、事前準備から片付けまで分担作業が生まれやすいイベントです。関係性がまだ浅いメンバーに対しても、リラックスした雰囲気の中、会話が生まれやすいというメリットがあります。
機能期に行う取り組み
機能期を維持するためには、チームワーク向上やリーダーによるメンバーのサポートが重要です。「リアル脱出ゲーム」などのチームワークを高めるアクティビティが効果的でしょう。
リアル脱出ゲームは、特定の場所を舞台としてチームで謎を解いて脱出することを目的とした体験型ゲームです。研修会社のサービスを利用すれば、オリジナルストーリーを作成でき、会議室などでも実施できます。
チームビルディングを行う際のポイント
ここでは、チームビルディングを行う際のポイントを解説します。取り組む際の参考にしてください。
チームメンバー間での相互理解を深める
チームビルディングを行う際のポイントとして、メンバー間での相互理解を深めることがあげられます。チーム内での信頼関係構築には相互理解が必要です。チームには、様々な価値観を持ったメンバーが所属しています。メンバーのスキルや価値観などをチーム全員に共有しましょう。
チームのビジョンを明確に設定する
チームの目標やビジョンは、具体的に設定しましょう。5W1Hを意識するとよいでしょう。チームの目標が浸透していない場合や、目標が不明確で抽象的な場合は、チームとしての方向性があいまいになり、メンバー間の相乗効果は期待できません。
また、目標設定は強制的にならないように注意してください。メンバーが能動的に取り組めるよう、希望をヒアリングして目標設定の参考にしましょう。
チームメンバーの役割を明確にする
チームが最大限機能するように、チームメンバーの役割を明確にし、チーム全員に共有することが重要です。メンバーのタスクか不明確であれば、プロジェクトがスムーズに進行しないことや、チームがうまく機能しないこともあるでしょう。スキルや経験を発揮できる人材配置やタスク配分を実現するという観点においては、会社の経営層にとっても重要なポイントです。
コミュ二ケーションをとる
近年では、国籍や年齢、雇用形態が異なるメンバーが同じチームとなり、プロジェクトを進めるシーンが増えています。メンバー全員が個性を活かし、チームの成果を最大化するには、コミュニケーションが重要です。コミュニケーションは、メンバーのモチベーションやチームの団結力を高め、情報連携不足によるミス防止にもつながります。
チームワークとチームビルディングの異なる点とは
ここまでは、チームビルディングについて解説しました。「チームビルディング」とよく似た言葉に「チームワーク」という言葉があります。似ている言葉ではありますが、意味合いは異なります。チームビルディングを進める上では、チームワークとの違いもおさえておくことが大切です。
チームワークは、共同作業を効率的に進めていくために、メンバー同士が協力し合うという意識を持ちながら物事に取り組むことを指します。
一方で、チームビルディングは、メンバーそれぞれのスキルや能力、経験を最大限に生かし、チーム全体で目標を達成するための取り組みのことを指します。
チームビルディングは、効率化や結束力の向上だけではなく、メンバーそれぞれが持つ能力や経験を引き出しながらチーム全体の目標達成に向かうという点がチームワークと大きく異なる点です。
チームビルディングに最適なオフィスレイアウト事例
ここではチームビルディングに最適なオフィスレイアウト事例をご紹介します。
●株式会社島津製作所 基盤技術研究所様
籠り感のあるミーティングブースからオープンミーティングスペースまで、執務スペースとは異なるリビングライクな雰囲気で、ワーカー同士のカジュアルな交流を促す空間を演出しています。
また、靴を脱いで利用する小上がりの空間では、好きなスタイルでくつろげることで、アイデアが生まれやすく、コミュニケーションを促進させます。壁は全てホワイトボード。落書きの感覚で楽しくアイデアを創発できます。
●日本特殊陶業株式会社様
座敷タイプのオープンミーティングスペースでは、ゆったり足を伸ばして座るなど、執務スペースとは異なる姿勢で仕事をすることで、モードチェンジを促し、新しいアイデアを生み出すきっかけになります。
また、オープンミーティングエリアには、キャスター付きのテーブル・チェアを設置することで、人数や状況に応じて簡単にレイアウト変更ができます。
●株式会社落合様
社内外の方とのミーティングやWEB会議ができるエリアは、ひとが集まりやすい雰囲気をつくるためにリビングテイストの什器で構成されています。また、ブース席はモニターもあるため資料の共有がスムーズにできます。
●コクヨ梅田ライブオフィス
オープンスペースをダイナミックに活用できるコクヨの「X-STADIUM/クロススタジアム」は、明るい雰囲気の中、プレゼンテーションや気軽なミーティングが可能です。その他、背面側のカウンター席は、ソロワークや休憩スペースとしても活用でき、自然と人が集まる空間を演出しています。
また、可動式の間仕切りのあるミーティングエリアは、人数に合わせて、机や間仕切りを移動させ、思いついた時にすぐにミーティングができる設えにしています。間仕切りは、モバイルホワイトボードとしても活用できます。
●コクヨ霞が関ライブオフィス
不透明で不確実な社会環境の中、働き方や働く場は大きく変化しオフィスに対する価値観も変わってきました。
リアルとオンラインの「ハイブリッドワーク」が前提となるとオフィスは働く場としての選択肢の一つとなり
「行くべき場所」から「行きたい場所」となることが求められます。
2021年12月にリニューアルしたコクヨ霞が関ライブオフィスは、これからのオフィスは個人・組織・社会を繋ぐ役割が高まりこれまで以上にコミュニケーションや専門性が重視されるという考えの元、特にチームビルディングのエリアを強化しています。
コクヨ霞が関ライブオフィスのコンセプトは「STEP」です。
新しい働き方とオフィスの価値を「STEP UP」させるコクヨの霞が関ライブオフィスは、随時、ご体感いただけますので、是非お気軽にご来社ください。
まとめ
チームビルディングは、コミュニケーション活性化や生産性向上などのメリットがあり、チームや組織を強くするために、有効な手法といえます。
チームビルディングはそれ自体の取り組みも必要ですが、それを行う場やツールも必要です。
コクヨの「ライブオフィス見学会」では、「チームビルディング」に最適な空間やツールをご覧いただけます。
コクヨ社員が実施に働くオフィスをご体感いただけますので、ぜひお気軽にご来社ください。
また、コクヨマーケティングでは、チームビルディングに適したオフィスレイアウトを提案しています。
年間25,000件以上の豊富な実績から、お客様の働き方に合わせたオフィスレイアウト変更をワンストップでサポートします。
チームビルディングに適したオフィスレイアウト変更をご検討の際は、ぜひコクヨマーケティングをご活用ください。
オフィス移転・改装レイアウトの課題を解決します