ビジネスが複雑化した現在、組織構造や仕事の進め方も変化しています。部門を横断して、さまざまなメンバーと連携を取りながら仕事を進めるには、多様なコミュニケーションが必要です。この記事では、社内コミュニケーションに課題を感じておられる企業の方に向けて、社内コミュニケーションの具体的な目標の立て方、実践方法などについて解説します。自社で取り組みを実施する際に、ぜひお役立てください。
社内コミュニケーションとは
社内コミュニケーションとは、チームや部署間、上司部下など、オフィス内での会話や情報共有を相互に行うことを意味する言葉です。コミュニケーションの取り方次第では、課題解決の成功確率や解決するスピードが変わってくると考えられおり、多くの企業が「社内コミュニケーションに課題がある」と感じています。
企業によくある社内コミュニケーション課題の要因
「コミュニケーションに課題がある」といっても、さまざまな要因があります。雑談していたら怒られそうなど、企業の社風や長年続く慣習などが要因の場合もあれば、落ち着いて相談できる場所がない・フロアが異なるなど、物理的に部署以外の社員と接点を持ちにくいことが社内コミュニケーションの活性化を阻害する要因となる場合もあります。
目標を立てることの意義
社員が社内コミュニケーションの重要性を理解している場合でも、特定の個人が動くだけでは、思うような効果が得られない場合も多いでしょう。社内コミュニケーション活性化に取り組むためには、全社員で課題認識を持ち、共通の目標を立てた上で、実践していくことが重要です。
社内コミュニケーションを円滑にすると得られる効果
ここでは、社内コミュニケーション活性化により得られる効果について解説します。
情報共有がしやすくなる
社内コミュニケーションが活性化すると、報告・連絡・相談が活発に行われ、情報共有が当たり前になります。そのため、チームや部署内での業務分担や連携がスムーズに行えるようになります。また、部署間での意見交換も頻繁に交わされることにより、新たな発想や企画などが生み出される可能性が高まります。社員同士が刺激しあい、全体的にスキルアップにつながる可能性もあるでしょう。
生産性向上につながる
社内コミュニケーションの活性化は、チームや部署間における連携の強化にも有効です。ビジネスやコミュニケーションの手段が複雑化している中、さまざまなメンバーと連携を取りながら問題解決や判断をスムーズに進めるには、2割報告などコミュニケーションの頻度を増やすとよいでしょう。チームで仕事を進める上では、リスクを未然に防いだり、メンバー同士で業務シェアをしたりすることで、生産性の向上にもつながることが期待できます。
定着率アップが期待できる
社内コミュニケーションが円滑に行えるようになれば、社員間の行き違いや問題が生じにくくなるため、社内における人間関係の改善につながります。人間関係によるストレスが減ることで、社員のメンタルヘルスの改善や定着率の向上が期待できます。また、労働環境の改善や、社員の会社への愛着心を育めるなどの効果により、従業員エンゲージメントの向上につなげられます。
目標設定から実践までの全体の流れ
社内コミュニケーションを活性化するための目標設定から実践までの代表的な流れは、以下の通りになります。
- 自社における社内コミュニケーションを阻害する要因や課題を洗い出す
- 具体的な目標を設定する
- 目標達成のために有効な手段を検討する
- 取り組みを実践する
- 実践した取り組みを評価・分析してPDCAを回していく
目標の立て方や設定時のポイントなどについては、後ほど解説します。
目標の立て方を把握する
社内コミュニケーションを活性化するには、目標を意識して取り組むことが重要です。まず「誰」と「どんな」コミュニケーションを取りたいのか等、課題を洗い出し整理する必要があります。社員それぞれが当事者意識を持つためには、適切なKPIを設定するとよいでしょう。KPI(Key Performance Indicator)とは、重要業績評価指数のことで、目標達成に向け組織や個人のパフォーマンス動向を把握する定量的な指標です。社内コミュニケーションの目標に設定される指標として、労働生産性・顧客満足度・社員満足度・社員定着率・従業員エンゲージメントなどが挙げられます。社員の意識など、定性的で数値化しにくい目標をKPIとして設定する場合は、オフィスサーベイを活用する方法もあります。
設定した目標を行動に落とし込む
設定した目標を達成するためには、社員が日々の業務で実践できるレベルへの落とし込みが必要です。たとえば、社員定着率を目標とした場合は、メンター制度や1on1、サンクスメッセージ、フリーアドレス制度の導入がおすすめです。社員満足度を向上させたい場合は、リフレッシュスペースの設置や福利厚生の充実などが施策として考えられます。
目標を設定する際に重要になるポイント
目標を立てるうえで、重要なポイントについて以下で詳しく解説します。自社に適した目標を設定する際の参考にしてください。
目標は具体的な数値・期限を設定する
目標を立てる際に、「チームや部署間でコミュニケーションをとろう」といった漠然な目標では、いつまでに何をすればよいのか把握できません。そのため、可能な限り定量化できる数値目標を設定するようにしましょう。達成するまでの期間も決めておくとなおよいでしょう。こうすることで、間延びせず取り組むことができます。
経営層が模範となって行動する
経営者が指示ばかりだと、社員のやる気は下がります。そのため、まずは経営層が社員の模範となって取り組みましょう。上層部や上司が積極的に実践する姿をみせることで、会社をあげて実施すべき重要な取り組みである、と全社員へメッセージを伝えられます。社員は、社内コミュニケーションへの意識が高まり、目標達成に向けた行動がしやすくなります。
目標達成のためには社員のモチベーションを維持する
最初はやる気が高い状態であっても、思うような成果が得られない、取り組みが単調などの理由で、社員のモチベーションが下がると、社内コミュニケーションの活性化はむずかしくなります。以下では、社員のモチベーションを維持するためのポイントを解説します。
取り組みやすい環境をつくる
社内コミュニケーションを活性化させるためには、社員一人ひとりの意識や行動を変えることが重要です。企業として、社員がコミュニケーションをとりやすい環境を整備し、必要なサポートを行わなければなりません。たとえば、他の部署の社員との接点が少ない場合は、ワンフロアにすべての部署が収まるよう、オフィスへの移転やオフィスレイアウトの変更などによって、社員同士がコミュニケーションを取りやすい環境をつくることもひとつです。フリーアドレスを導入するのもよいでしょう。そのうえで、企業方針であることを、全社員に周知徹底しましょう。
短期的・長期的な効果が期待できる施策を同時進行で行う
社員のモチベーションを維持するうえでは、短期・長期の目標を立てて施策に取り組むことが重要です。長期の施策だけを実施した場合、効果が出るまでに時間を要するため、社員のモチベーションを維持し続けることが難しくなります。長期施策だけでなく、短期で効果を得られる施策も組み込むことで、社員のモチベーションを維持しながら、長期施策に取り組めるようになります。短期施策の一例は、1 on 1ミーティングやサンクスカード、社内イベント・部活動などです。長期施策には、社内報、社内SNS、福利厚生制度などの活用が有効でしょう。
まとめ
社内コミュニケーションを活性化させるには、目標設定と、短期と長期の施策をバランスよく組み合わせて、社員のモチベーションを維持しながら取り組むことが重要です。
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