防災業務に関わっていたり、防災管理を行っていると、防災業務の単調さや成果が見えにくいことでお悩みの方も多いのではないでしょうか。そんな皆さんに、防災活動を可視化し、社員の参加意識を高める工夫をご紹介します。
防災業務の見えない壁
防災計画の作成、避難訓練、設備点検...同じことの繰り返しに感じていませんか?この単調さが、担当者のモチベーション低下を招きがちです。さらに、防災業務の成果は平常時には見えづらく、努力が報われにくいと感じることも。特に、繁忙期には社員の協力を得るのが難しかったり、訓練を時間の無駄と考える人がいたりすると、本当に心が折れそうになりますよね。でも、諦めないでください。防災活動は、いざという時に本当の価値を発揮します。日々の努力が、いつか大きな実を結ぶはず。その思いを胸に、新しいアプローチを試してみましょう。
迅速な初動対応が命を守る
まず、災害対策において重要なのは、事前の備えと発生時の迅速な対応です。特に地震発生直後、ヘルメットを迅速に配布することは重要ですよね。わたしたちのオフィスでは、ヘルメットの分散配置を実施しています。その結果、なんと約30秒で全員に配布できるようになりました!以前の集中保管方式と比べると、格段に対応速度が上がりました。数字で効果を実感できるとモチベーションアップにもつながりますよね。皆さんのオフィスでも、ヘルメットの配置方法を見直してみてはいかがでしょうか?そして、見直し後は実際の訓練で、目標とする配布時間内に完了できるかどうか確認してみましょう。
▲間仕切り収納などにヘルメットを分散配置(コクヨ名古屋ライブオフィス)
見える化で意識を高める
社員の防災意識を高めるには、何の防災用品がどこに保管してあるのかを周知することも大切です。私たちのオフィスでは、防災用品を5か所に分散配置し、社員に保管場所を周知しています。例えば、このような形でベンチの下など、取り出しやすい場所に非常持ち出し袋などを保管しています。
▲ベンチの下に防災用品を分散配置(コクヨ名古屋ライブオフィス)
また、オフィス内の防災倉庫は外から中が見えるようになっていて、飲料水、食料、簡易トイレなどを保管しています。こうすることで、普段から社員の目に触れやすくなり、防災への意識が自然と高まります。さらに、定期的に防災用品の場所や内容を確認するよう呼びかけることで、より効果的になりますよ。
日常的な情報発信も意外と大切
防災意識を高めるには、日々の小さな取り組みも大切です。私たちは、このような形で、社内のコミュニケーションツールを活用して、災害時の行動指針などを定期的に発信しています。
この方法には、いくつかの利点があります。まず、頻繁に情報を流すことで、防災が特別なものではなく日常の一部として自然に受け入れられるようになりました。社員の意識が少しずつ変わっていくのを感じています。また、双方向のツールを使うことで、社員からの質問にもすぐに答えられます。疑問や不安をその場で解消できるのは、大きなメリットですね。さらに、担当者にとっても良い効果があります。常に新しい情報を発信する必要があるので、業務が単調になりにくいんです。これが担当者のモチベーション維持にもつながっています。このように、日々の小さな発信が、組織全体の防災意識を高める大きな力になっています。
新しい働き方に対応した訓練
近年、働き方が大きく変化してきましたよね。オフィスでの従来型の勤務だけでなく、在宅勤務やフレックスタイム制、さらにはコワーキングスペースの利用など、多様な働き方が広がっています。このような変化に合わせて、私たちの防災対策も進化しています。例えば、オンラインでの安否確認訓練を導入し、どこにいても素早く状況を把握できるようにしました。また、リモート防災訓練では、ビデオ会議システムを使って、災害発生時に取るべき行動などについて共有しています。
こういった新しい取り組みは、皆さんの努力や防災業務の重要性をアピールする絶好のチャンスです。社員の安全意識を高めるだけでなく、会社の危機管理能力の高さも示せますね。時代に合った防災訓練で、社員の安全と会社の備えを強化していきましょう!
防災活動は地道な努力の積み重ねです。でも、こうした工夫を重ねることで、その価値を多くの人に理解してもらえるはずです。また、なにより「従業員が安心して働ける環境をつくる」のも防災の大きな価値ですので、できることから着実に実行に移していきましょう。